81ー雪国の要塞はゴツゴツしている。岩のようだ。特に出入り口。内部の階段の様子を想像すると、それは芋虫の神経系を…模した…汚点。笑って。
82ー昇り続ける人、降り続ける人。想像できるのは降り続ける人で、彼は地下室で横たわっている。昇り続けた人は階段の端を見たはず。雲の上か海の真ん中か会議室の端っこか、絶世の美女の寝室のベッド脇。そういう場所にいる可能性が強い。
83ー果たしてそのSUVはこの階段を昇れるのかい。自慢したりするんじゃないよ、やだね、この子は。
84ー階段に関する論文を検索したところ、深刻なテーマとお気楽なテーマの振れ幅が大きいのです。何となく予想できる。
85ー階段にずらっと並んだ人々の顔ぶれを見てみると、最も下の段にいる人特に真ん中のあたりにいる人が中心的と考える人がいる。実は右上だ。
86ー殺される!と感じた場所が階段なら、絶望的に感じて、逃げ出す意欲も湧かない。けど、殺す側もそうなんだよと僕は言いたい。知らないけど。
87ー一段ずつ伸ばしてきた世界記録。今はどこにあるかも判らない。世界で最も長い階段のことである。ビール会社しか興味がないらしい。
88ー崖の上の階段には不思議がある。自然な恐怖の上の人工的な恐怖という。ステーキの上のベーコンのような不思議である。
89ー階段とエレベーターの関係は、各駅停車と特急列車のそれに似ている。だが、決して、交わらない、寄り添うだけだ。
90ー屋上に通じる階段の上の主はいつもラジオを聴いている。




