11ー擬人化すると哲學的になる。「腹を空かせた階段」を想像するのはかなり楽しい。単に、近所に鰻屋がある階段のことである。オリジナリティは圧倒的にない。


12Tシャツでできた階段ほど意味不明なものはない。階段で作る意味はないし、階段がTシャツである必要もない。階段が汗を吸う必要はないからである。


13ー難しい言い方になるが、いい階段といい格好した階段は全く異なるものである。ただし、似ていることもある。難しいが、わかって欲しい。

14ー昇るのにいい階段と降りるのにいい階段は同じではない。これは全ての人がそう考えている。なのに、昇る時と降りる時で階段が姿形を変えないのには何となく訳があると思う。


15ー虹色の階段があればいいと皆が思っている。なのに、虹色の階段がない理由をあなたはご存知か?全ての階段は七で割り切れないからである。工學的な意味はなく、階段設計者にLGBTがいなかっただけである。噓である。


16ー昇る階段ならカーペットがいい。降りる階段なら木がいい。どちらにもいいのは鉄製だ。個人的な趣味ですが。主に足裏の感觸と足音の趣味です。

17ー階段をつくったことはありますか。段から作るのか、阪から作るのかはあなた次第。段から作る人が多いので、阪から作る人はオリジナリティがある。そういう階段を昇ってみたい。

18ー食べられる階段はカステラで作ろうとする人がいる。私はかまぼこで作って欲しいと思う。しばらくはいい弾力を保ちつつ、朽ちる時は複雑な浸食がスリルと共に味わえるからである。


19ー撓んでいる階段は機能的には最悪であるが、眺める分には最高だ。

20ー金満國家にはクリスタルのビルが一つはあるらしい。ただ、階段までがクリスタルではないらしい。殘念だが。