将棋の王座戦の挑戦者決定戦が関西将棋会館で行われる。
藤井竜王名人と豊島九段が対戦する。
現時点で藤井竜王名人の王座獲得つまり8冠全冠制覇獲得の確率は大雑把に言えば6割である。
金曜日の午前中朝一番で先後が決まるが、藤井さんが、もし先手番となれば、全冠制覇の確率は7割となる。
そして、持ち時間5時間の将棋に勝てば、全冠制覇の確率は8割となる。
もちろん、現在のタイトルホルダーである永瀬王座は実力者であり、
全冠制覇の最後の関所が王座戦のタイトル戦であることはもちろんである。(全5局、先に3勝で王座獲得)
しかし、現時点の王座獲得確率が6割から8割となる、金曜日の挑戦者決定戦も同じくらい大きな一戦である。
今期、藤井さんの勝率はいつものように8割を超えているが、豊島さんの勝率も8割を超えている。
7月末時点での実力を示すレーティングも1位藤井さん、2位が豊島さんである。(ちなみに3位が王座の永瀬さん)
おそらく、豊島さんは先手でも後手でも、飛車を横にずらすだろう。
横歩取りか、振り飛車か。
大橋さんが藤井さんを苦しめた横歩取り…。
あるいは、豊島さんはいつ振るか、振らないかと牽制しつつ、先攻することを目指す。
そういう戦いになると思う。
まさか、角換わりはないだろう。
しかし…藤井さんである。
大事な対戦で悉く先手番を引いてきた。
この大一番でも…先手番を引くのか?
後手番を引いて、勝ちを引き寄せるのか?
電王戦でただ一人コンピュータに勝った豊島さんが藤井さんというAI相手にミスなしで勝ち切るのか?
豊島曲線(優勢を維持したまま勝ち切る)を見せるのか?
金曜日の夜はライブ観戦者は何万人になるのだろう?
歴史的瞬間である。
ぜひ、死力を尽くした対戦をこの目で見届けたい。
同じ時代を生きた幸運を感じながら。