夢の中で、見たことがない古びた独身者の寮に住んでいた。


前日は遅くまで残業して、上司も資料の修正を手伝ってくれていた。


大事なプレゼンが今日の午前中に予定されていた。


夢の中で、目が覚めた。


キィキィという音が上の階から聞こえていた。


身体を起こして、その方向に目をやると、カーテンレールの上に顔だけ黒いちっちゃな羊が横たわっていた。


えっ、羊?


そう言えば、昨夜もプレゼンの事が気になって、よく眠れなかったな。


って、そんなことじゃない。


そう思った瞬間、窓の方から、二匹のちっちゃな羊が走ってきた。

一匹は、全身真っ黒、もう一匹は、全身真っ白だった。


最近あまり良く寝れてなかったから??


いやいやそんな事じゃない。



やれやれ。


それしか無かった。


何となくぶつかって来られたが、それを気にせず、立ち上がり、洗面台の鏡の前に向かった。



髪の毛は爆発していた。炎の書道家が書く文字のように。


高速道路のジャンクションのように太くはねていた。


しかも、まるでもう一つ頭があるかのように膨らんでいた。


しかも、しかも、後頭部には握りこぶし大のハゲを発見


そんな絶望的な私の脚に三匹の羊たちはぶつかってくる。何度も何度も。



何を要求されているかも判らない。


一瞬、冷静になって考える。


勝手に羊が部屋にいる訳はない。


寮長が置いていった?


誰かが置いていった?


それしかない、それしかない。


いやいや、

急がなきゃ、すぐに会社に行かなきゃ。


こいつらを追い出さなきゃ。


ドアを開け、誘導すると、聞き分けが良く、外に出た。


よし、よし。よし、よし。



しかし、ドアを閉じようとすると必ず一匹は入ってくる。


二匹を追い出す、一匹が入る。

一匹を追い出す、二匹が入る。


二匹を追い出す、一匹が入る。

一匹を追い出す、二匹が入る。


二匹を追い出す、一匹が入る。

一匹を追い出す、二匹が入る。


二匹を追い出す、一匹が入る。

一匹を追い出す、二匹が入る。


あっという間に汗が噴き出してくる。



あ、あーっ

あ、あーっ


と叫んだら、朝でした。


という絶望的な夢でした?


絶望的か?


絶望的でしょ?


羊なんだから。



何かジンギスカン料理で腹いっぱいラム肉を食いたくなってきた。


そうしよう、そうしよう。



と、そういう夢を見たという話しです。


夢としては、全て実話です。

一切の脚色はありません。笑