一瞬、雷は止んだ。
ような気がした。
しかし、すぐにまた雷が落ちるのだろうと身構えていた。
幸男さんもそうであるらしかった。
幸男さんも言いにくいようだった。
言葉はさらに聞き取りにくくなった。
「子供は大人のエゴが吐き出される対象やわな。ストレス発散先かもしれん。そりゃしょうがない。動物も植物もそうやと思うんよ。大人社会のストレスは最も弱い子供達に降りかかっているわな。非効率はさらに子供達を暇にして、先生の目は届かんわ。子供達もどうして自分がこういう行動してるのか分かってねえもんな。いじめる側も、いじめられる側も。」
◆小中学校などでのイジメ問題
元々、不安を多く抱えていた日本人に宗教はなく、目指すモデルもなく、変化の大きい世界で不安を助長されていて、さらに家族の世帯人数は減り、地域の友達は習い事や塾で奪われ、青少年は不安をさらに募らせる。同様に高齢者や壮年世代も不安を募らせる。そこで、経済面等で制限を受ける青少年は青少年以外の抱える不安の悪影響を受ける。
負担は弱者に押し寄せる。青少年はさらに皆不安である。長期展望を持てない。刹那的な感情で行動してしまうことも増える。一度そういう行動を起こすとそれを修正する余裕や多面的な見方もなかなか持てない。ビジョンや正義が見えていないからだ。
52ー机の中に階段を持っている人は変態である。女性の場合、特に恐ろしい。絶対に怖い。男性の場合、それほど怖くない。ちょっとした変態なだけだ。心配ない。 92ー住宅の事故の三分の一は階段で起きるらしい。降りる時は昇る時の4倍で、重大なものになるらしい。タンスの角どころの話ではないらしい。
雷が止んだらすると決めていたかのようにチューイングガムを取り出して、リリーはスッキリ漏らした。
「対処療法的な制度設計はされるだろうが、根本的な対策にはならないと思うわ。だって、本当のところを誰も理解していないから。そういうもんでしょ?まあ、子供自身のダメージもあるけど、子供が属している社会にもダメージはあるわよね。」
23ー天国から階段が降りてきて、そこから下りてくる俳優は芝居がかっていて、照明もしっかり当たっている。ピアノのBGMは何ていう曲かはわからない。
図.16 いじめの本質と(暫定)対策
現状 →対策(案)
幼少時、多くの愛情を受けていない →自尊心を高める
自尊心低い、互いに顔色伺う、その悪循環、さらに自尊心を低くする
→新たな階級を作る