さらに雷が轟いて雨音は幸男さんのプレハブ小屋の屋根を叩いた。幸男さんの言葉は少し聞き取りにくくなった。

「学校って何するところか皆わからんようになっているんやろうな。先生は給料をもらいにいくところ、子供は親の自由時間や働く時間を作るために集まるところ。じゃもんな。付き合いも勉強も、どんだけ深く感じられるか、そういう機会がどんだけあるかが大事なことやな。まあ、子供たちは勉強時間が長い割には勉強ができるようにはなってないわな。ある意味、効率が悪いんじゃな。」


◆生産性の向上が民主主義には必要

 一部の学校や学習塾を除いて、多くの教師は生徒を授業に集中させることができていない。幼稚園から大学まで、日本の教室は緊張の場であることがあるが集中の場であることは稀だ。一人一人が集中することで生産性を高めるトレーニングが不足している。これが日本の現状だ。企業では競争力を強化するために生産性を高めるトレーニングをする。企業でそういうトレーニングを受けている人は地域社会や行政と接する機会で、世の中の生産性の低さを感じているだろう。また、世の中はそういうものだという諦めを感じているだろう。

 国際社会についていきつつ、民主主義を日本に定着させるためには日本社会の生産性を高める必要がある。また、そういう教育も行われる必要がある。


22ー長い長い一本道の階段があったとしたら何となく嫌だ。                                                                            62ーでも、未来には、階段って、間違いなく消滅する。歴史上の遺産となる。雛人形も段飾りはなくなる。これは大予言である。


雷には慣れていなかったらしい。リリーは不機嫌そうに漏らした。

「産業と学校が一体なのは気持ち悪いわね。けど、分離していると、大人と子供は分離したみたいな疎外感?感じちゃうよね。勉強することがますます意味のないものになって、勉強が無駄に感じる。そして、ますます非効率になっていく。私たち暇になっていく。

学校に関する教育費用と学校以外に要する教育費用がますます無駄になっていく。勉強がどんどん無駄に感じる。」


91ー踊り場って、ドラマティックな響きじゃないか。階段には安い歌劇しかないけどね。



.15 ホワイトカラーの給料の定義は?



「作った書類の枚数」ではなく、「顧客が値をつけた対価となるもの」