春の夕暮れで、いい天気の日で、幸男さんは言った。

「日本ていうのはな、温帯の島国でな、縦に長くて、色んな種類の木や草が育っていて、海も川も色んな魚がいて、こんな豊かな国ってないんじゃないかな?江戸時代なんて、内戦もあまりなかったんじゃないか?刀を差した武士が町を歩いていたから、物騒な感じもするけど。あれだけの人々が居て、8割の人が文字が読めたらしいし。文明は、中国や韓国からの仏教や文明の伝搬で十分だったと思う。でも、第二次大戦後、アメリカからの個人主義や煌びやかで浅い文化のようなものが浸透して、経済最優先とかくだらないことが優先されているのは腹立たしいよな。」


◆島国に住む日本人

 日本は島国である。日本国外から外国人や動物は侵入しにくい。実にのんびりした国であったことは想像に難くない。一方で、山地が多い土地は隣の地域からの侵入者にさえ大いに怯えていたことだろうし、文明の栄えていた中国という大国が海を渡って来たらペリーの黒船に負けず、日本人を震撼させたと思う。常に異文化交流があるヨーロッパ等とは違い、異文化の侵入に恐れおののき、それを神話として伝承し、敏感であり続けようとした様子は多く見受けられる。また、それほどに過敏であったからこそ、中国の文明(文字や仏教等)をしっかり受け入れることができたのだろう。さらに異文化に対する畏敬の念は岩や木等の自然を信仰の対象とする対処となった。つまり、日本人は島国の住民として異文化や自然に対して、ビクビク恐れつつ暮らしていたというのがベースにあると考えて良い。


36-階段でやったジャンケンは583勝234敗だったと思う。負け越していると記憶している人はいないと思うが。


その後、星空の下で、リリーは私に漏らした。

「アメリカ、中国、EU、その他の地域は大陸国では人流が増加している。日本って、さらに、島国になっちゃうんだろうな。我慢しながら、大国みたいにして、ベトナムとかアジア諸国の人を受け入れても、相対的には島国化が進むんだろうな。世界基準からはズレていくんだろうな、世界から孤立しがちなんだろうな。」


6-階段では、ケチャップとマスタードをたっぷり浸したハンバーガーを食べたい。ピクルスは厚めだ。片手で食べれるものがいい。でも、案外、幕の内弁当もいい。手摺りにもたれて遠くの景色を眺めながら、何なら海も眺めたい。しっかり弁当を食べるのもいとをかし。踊り場で食する鍋は無粋である。

    

リリーと私は握手して確認した。

「世界基準であるアメリカの傘の下にい続ける?または、意図的にしっかり人材交流するか?最も効率的な人材交流は中国、韓国、台湾等であって、アメリカではないよね。」



.1 大陸と島国の違い


    大 陸               島 国


ー異物に慣れている。        ー異物に強く反応する。


大陸内で多くの動物・人種と交流あり 島内の動物・人種としか交流しない


見た目の変化に反応しにくい     見た目の変化に反応しやすい