階段を上がる進歩して上がれる階段はせいぜい一日に一段だ。そう考えると一年で365段。ただし、踊り場で誰かに巡り会えば、そこから、さらに、明後日の方向へ急な階段が高みを目指す可能性もある。そうしてできた多くの階段の塊りは、全体を見ると、螺旋状で、細かいし、平べったい。得体の知れない存在だ。だけど、最上部から、あるいは途中からでも、虹色のジェルを流してみて、その光り具合を何度も巻き戻してみると。塊りでさえ、親近感を持てる。そういう日常。