切り抜きがん情報 0494  2022年10月28日

 

 

(2022年10月28日)より

 

 

 高齢者では効果が出にくいがん免疫治療薬の弱点を克服する候補物質を見つけたと、京都大の 本庶佑 特別教授らのチームが発表した。老化を遅らせる働きを持つ生体物質「スペルミジン」で、高齢のマウスに投与すると免疫機能が回復し、薬が効くようになったという。論文が28日、科学誌サイエンスに掲載される。

 

 

 がん免疫治療薬は、患者の免疫細胞の攻撃力を高めてがん細胞を攻撃する仕組み。治療薬の一つ「オプジーボ」の開発に携わった本庶特別教授は2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。このタイプの薬は効果が大きい一方、免疫細胞の働きが低下した高齢患者らには効果が出にくい点が課題の一つとなっている。

 

 チームは、高齢マウスの免疫細胞中のスペルミジンの濃度が、若いマウスの約半分に落ちていることを確認。スペルミジンが、細胞内でエネルギーを発生させる小器官「ミトコンドリア」の重要な酵素を活性化させていることを突き止めた。

 

 そこで、高齢のマウス5匹に大腸がんの細胞を移植した後、スペルミジンとがん免疫治療薬を併用したところ、免疫細胞の機能が高まり、薬だけを投与した場合と比べ、腫瘍の大きさが約4分の1になった。チームは今後、人での治験実施を目指す。

 

がん治療に詳しい近畿大の中川和彦教授(腫瘍内科学)の話】 

「がん免疫治療薬の課題解決に向けた大きな成果だ。今回はマウスの実験だが、人でも同様の効果があれば、がん治療が大きく前進する」

 

 

 

記事はここまで。

 

 

○切り抜きがん情報は不定期に送信しています。