“9割ウザイ” | 小堺翔太オフィシャルブログ『ショウタパドック』Powered by Ameba

“9割ウザイ”

ちょっと前に話題になった

“9割ウザイ”

カテゴリーの中に身を置いて仕事をさせていただいている。

 

まずもって思ったのは…

「9割ウザイ、そうだろうなぁ」ということだ(笑)

 

私もこの業界に入ってすぐの頃、いわゆる“2世タレント回”でバラエティーの舞台を経験させていただいた。それはさんまさんの番組であり、ダウンタウンの浜田さんが司会であり、中居さんがメインだったり…正直に申して“自分の現状の実力以上”の番組に出させていただいていたことは明白で、でもそれは出演していた当時も感じながら、それでもオファーをお受けして出演をした。

今を時めくお笑い芸人の方を審査するような仕事もした。そんなこんなも含め、今思えば、まだまだ若かった自分はよくやってたなと思う…。思い出しただけで冷や汗が出る。そこで華やかな世界への憧れも感じつつ、自分の実力の無さを痛感、でもまたこういうステージに戻ってこれるといいなという原動力もいただいた。またとない経験だった。

 

現場では他の“同じ境遇”の方達とご一緒した。

とてもパワフルで、才能に溢れている方々にたくさんお会いした。面白エピソードで収録でも笑いをかっさらっていく人、司会者さんと絶妙に息が合う人。顔面偏差値の高さ、歌唱力、度胸etc…まさに天賦の才を受けた方達だ。凄いなと思いつつ、近くで見ていて、劣等感しかなかった。

一方で、楽屋から“謎の大物感”がある人、司会者さんにうまく引き出してもらったのに、自分の手柄のように喜ぶ人。マネージャーさん込みでなんだか上から目線の人にもチラホラお目にかかる機会があった。

皆さんお分かりかと思うけれど、ほとんどの場合で前者が今も残っている方々であり、後者は出なくなったり、すでに別の仕事をされていたり、中には良くない事に手を染めて業界から消えていった人もいる。結局、そういうことなんだろうと思う。残るのは1割の“まぁ、そこまでウザくない”人達なのかもしれない。

 

 

大きなくくりで言うと父と同じ業界に入ることにした私は、入るときにも父から「自分の責任で頑張りなさい」と言われたし、自分の中でも“少しだけいただけるかもししれないアドバンデージ”とそれをいただく代わりに世間から受ける”それなりに多めの逆風“があるだろうなと思っていた。自分の実力でないアドバンテージにおごってはいけない。出来た気にならない。また2世か…というもともとの負のイメージは間違いなくあるのだから。(これもウザイの種なのかもしれない)

 

そして“逆風”は自分の立ち振る舞い次第で“親をも吹き飛ばす『突風』”になるという事も分かっておかなければならないな、と思っていた。

 

私が失礼や無礼をすれば「親の育て方が…」となる。仕事をしくじれば「なんで親はこの業界に入れたかね」ってなる。父のイメージや仕事にも影響することもあるだろうと。ましてや、良からぬことに手を染めたり、警察のご厄介になるようなコトは絶対にあってはならない。(それはどの人も、だけど)自宅の前でカメラのフラッシュをたかれながら謝罪をする父の姿…想像しただけで鳥肌が立つし、涙が出る。これらはこの先も絶対にあってはならないことだ。

 

この業界に入れていただいた以上、そういうモノも背負って仕事をしていかないといけない。分かっていて入った。だから「ウザイ」ってそうだろうな、と自分でも理解をしているつもりだし、思われているのを分かった上で、「2世だから仕事をもらったんだ」「これだから2世は…」と言われないように“自分の力”を蓄えながら頑張って仕事をしていかないといけない。いつか「要らねえ」とサヨナラされるその日まで。

 

2世の端くれはそんなことを日々思う。

逆に言うとこれは“2世だけが持つ感覚”なのかもしれない。

 

ここまで読んでくださった皆様、こんな事思ってるヤツがいるんだ、と、どうか頭の片隅の端っこの引き出しくらいにしまっといていただくと…。で、御託を並べている自分はもっと頑張らないといけない。それもまた分かってる。

 

あと最後に。

これは一番伝えておきたい「分かっている」こと。

 

 

この文章こそ「9割ウザイ」(笑)