身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法 -68ページ目

身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

我孫子道院 道院長のブログ

「きれいな教範は駄目だよ。本質をつかむことが大切だ。そのためには教範やカッパブックスの『秘伝少林寺拳法』を読もう丸暗記できるぐらいになろう」

と、開祖が1969年1月の本部武専の法話で語られたカッパブックス


このカッパブックス、1963年に刊行され、(ワタシの知る限り)1994年に絶版になるまで、31年間にわたり、67刷もされた、武道・武術関係書籍では、ダントツのロングセラー&ベストセラー


この間、この本で少林寺拳法の存在を知って、少林寺拳法に入門した拳士は数しれない……

かくいう、ワタシ自身もこの本に出会って、道院の門を叩いたひとりであります


そんな、カッパブックスの初版1刷の本を、先週縁あって購入することができました!!



(入手した、初版本の表紙)




(初版本の奥付 昭和38年8月1日発行 当時一冊270円だった!)





(左から、昭和58年発行の第63刷、中央が今回購入した初版本、右が1994年4月10日発行の最終版=第67刷)


上掲、左端の一冊こそ、ワタシが高校生のときに購入したカッパブックス

この本がきっかけで入門したので、ワタシにとって、

「初心に帰れ」といったときの「初心」とは、「このカッパブックス」(の内容)だと思っている



(ページ数は同じなのに、なぜか初版本は厚さが薄い……。紙が違うのか? もっとも最後の67刷まで、刷数は増えているが、版は変わっていないので、厳密に言えばどの本も「初版本」ということになるのだが……。

それにしてもこの1刷目の初版本、いまから52年前の本とは思えないほど、きれいな状態を保っていてビックリ!!)




(↑これがワタシの人生を変えた一冊。昭和58年1月発行の62刷 定価630円でした……)



(↑たぶんこれが最終版 67刷 定価670円 この本は新品状態を維持しています)



ところで、「初心」と言えば、

先週、3月7日(土)に、昇級考試を実施して、

六級に3名、5級に3名、4級に1名、合格いたしました

(いずれも少年部)



合格した拳士たちの喜びの顔を見るのは、ワタシにとっても大変うれしいことですが、もっともっと上を目指しつつ、昇級・昇段を重ねるごとに、初心を忘れないようにしてください


みんなにとって初心とは?????????


◆オマケ◆

そうそう、これはまったくの余談ですが、

カッパと言えば、当道院のある我孫子市には、昔からカッパ伝説が伝わっている

手賀沼には、カッパが棲んでいるというお話で、

カッパブックス「秘伝少林寺拳法」が、発行される2年前、昭和36年7月18日には、我孫子市・我孫子市商工会制定の「河童音頭」がつくられました

(我孫子市のHP参照  http://www.city.abiko.chiba.jp/index.cfm/19,9674,65,451,html

毎年、盆踊りの時期になると、エンドレス(?)で、この「河童音頭」の曲が流れていますし、夏には「あびこカッパまつり」というイベントも、けっこうにぎやかに行われています


かような次第でして、我孫子市はカッパとは、とても縁深い街なのです……



本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『108

日曜日(2月8日)は、拳士会主催の「冬季雪上鍛錬」(日帰りスキー合宿)で、湯沢パークスキー場に行ってきました


今年の参加者は、大人8名、子供9名の17名と大盛況

しかも、そのうち5組が親子拳士というパッケージ

にぎやかかつ、大変和やかなスキーイベントとなりました




(新幹線は、MAXたにがわの2階席 子供たちは大喜び)




(全員集合)


ベテランスキーヤーから、スノーボード大好きの大学生、かっとび小学生から、ゲレンデに来るのが久しぶりのママさんスキーヤー、そして、今回がスキーデビューの少年少女と、幅広い顔ぶれとなりました


そうしたなか、今回の冬季雪上鍛錬のテーマは、

「寒くても、スピードが怖くても、転びそうになっても、固まらないこと」

つまり身心が緊張して固まりそうになったときに、どこまでゆるんで“平常身”をキープできるかを、試してみようというわけです

(まさに、そのまま武道に求められる要素です




午前中は、ちょっと固かった子供たち

(もっと、太もも前面=大腿四頭筋の力を抜きましょう)




(女の子たちは、キープスマイル!)




(おっとっと! 大人たちは、ランチタイムに弛緩剤=ビール投入!? 脱力・脱力、これも修行)



(みんな、午後にはだいぶ脱力した滑りが体現できるようになってきました)


もうひとつのテーマは、自他共楽

自己確立は最重要課題ですが、昨今の「自己責任論」なんて、クソくらえです

日本人なら、「お互いさま」の精神を忘れたらいけません


スキルも年齢も性別もバラバラなメンバーが、

広いゲレンデで、各々自分勝手に滑ったら……なことになります


今回は、親子拳士が多かったとはいえ、

誰に言われることなく、自然と適度なグループができて、

それぞれが目くばせ気配りをしながら(←これも大事な武道的要素)、目いっぱいスキーを楽しみました


均一性のある少人数のグループで行動するのは楽チンです

一方、多様性のある大勢メンバーで行動するのは、いろいろ面倒なこともありますが、

ワイワイ楽しいのは、後者の方

拳士なら、ラクに流されず、少々手間がかかっても“楽しい”道を選びましょう


そういう意味では、親子拳士のお父さん、お母さんだけでなく、大学生拳士たちも自主的にいろいろな役割を引き受けてくれて、なおかつガンガン滑りまくって、満喫していたのは立派です


さすが、我孫子道院の有段者!!


自分を犠牲にして、後進たちに尽くしても、ワタシはあまり褒めません

もちろん、自分さえよければ、というのはもってのほか

自分も全開バリバリに楽しみつつ、まわりの子たちをサポートし、その子たちの楽しそうな姿、喜びを見て、自分もまた楽しくなるという好循環こそ理想的

自他共楽とは、ある意味、とても欲張りな、されど挑戦し甲斐のある思想なのです


というわけで、楽しむことには躊躇なく、貪欲に、というのがこの冬季雪上鍛錬のモットーですので、

夕方4時までたっぷりと滑って、

それから温泉に!


夕食も、いつもサービス満点のペンション ノア(http://pension-noah.jimdo.com/ )で、お腹いっぱい頂きました


(毎年、ごちそうさまです)

これだけ、遊んでも、鍛錬しても、越後湯沢駅18時53分発の新幹線までには、まだまだ1時間弱の余裕があるというのは、うれしい限り


最後は、越後湯沢駅構内で、お土産タイムと……




お楽しみの「ぽんしゅ館」(http://www.ponshukan.com/

ワンコイン=500円で、おちょこ5杯分、新潟越後の全93蔵、すべての酒蔵の銘酒を利き酒できる、日本酒のテーマパーク!?



日本酒好きのN拳士のお父さんは、「ワンコイン=5杯では足りません」とおっしゃっていましたが、

たしかに目移りしてしまいます

ちなみに、前日、東京別院の級拳士講習会を受講したS拳士は、

講習会後の打ち上げに熱が入り、

「不殺活人」ならぬ、「二日酔人」気味で、「ぽんしゅ館」はパス(笑)




ワタシは、NスポのMきち酒将推薦の「伝衛門」(フルーティ)や、冬季限定の「ふなぐち菊水」、レアものの「市島」などが、気に入りました(笑)



ぽんしゅ館には、各地の「塩」もこの通り

個性的な「塩」をなめなめすると、ますます銘酒が美味しくなります

新幹線に、乗り遅れ注意のスポットです



かくして、2015年の冬季雪上鍛錬も無事修了

今シーズンも、納得の「武道的スキー」となりました




来年こそ、日帰りではなく、泊りの合宿にしたいんだけど、

誰か幹事をやってくれませんか?



本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『106

拳士の皆さんにも、あまり知られておりませんが、

2月10日は少林寺拳法の創始者(開祖)宗道臣先生の誕生日


(我孫子道院にある開祖像)

開祖は、1911年2月10日に、岡山県作東町(現・美作市)の山村に生まれ、

1980年5月12日に遷化されました

我々が今日こうして少林寺拳法を学び、そのことに意義と喜びを感じられているのは、言うまでもなく、開祖が道を切り開き、道を残してくれたからです

今年は、2月10日が我孫子道院の修練日ではなかったので、とくに行事等は行いませんでしたが、各自で、「少林寺拳法教範」やカッパブックス「秘伝 少林寺拳法」、そして「強さとは何か 少林寺拳法創始者・宗道臣70の言葉」等を読み返しておいてください

「強さ」とは何か。少林寺拳法創始者・宗道臣70の言葉 (文春新書)/文藝春秋
¥778
Amazon.co.jp

というわけで、開祖の誕生日には特に何も行いませんでしたが、

直近では、2月7日に今月の昇級考試を行いました


受験者は、

白帯→八級(黄色帯)が2名

少年部四級(緑帯)→三級(茶帯)が4名


晴れて、白帯を卒業し、八級=黄色帯になったN君の喜びの表情




こちらは少年部三級=茶帯に昇級した面々

課題山積で、こってり絞られて……


※写真に写っていない、あとの二人も、きちんと合格しています※


白帯以外の新しい帯は、色帯も黒帯も、開祖からのタスキ!


もっともっと研鑽と精進を重ね、いつの日か、開祖から託されたタスキを、次世代にパスしていくんだよ~



本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『102

2月になってしまいましたが、昨日は千葉県少林寺拳法連盟の「新春の集い」でした


会場は、千葉市内のホテルで、

13時から、県教区の新春法会



(導師は、県教区長のF谷先生)




(奉納演武)


そして14時から、「新春の集い」のパーティーが開宴




(ワタシは名司会者のK先生を、ちょっぴりだけアシストする係を任命されました)


この二つの会で、県教区のF教区長、そして県連のW理事長が、奇しくも口をそろえておっしゃったのが、

「今年はもっと少林寺拳法を楽しみましょう」「とくに指導者が楽しんでやること」

でした


開祖も「道院長がエライといっても、エライ(しんどい)のは身体だけだぞ」と法話でお話しされたそうですが、組織運営でヒーヒーいっているだけでは、後進は育たないということを、教区長も理事長もおっしゃっていたわけです


ワタシも常々

「楽な修行はない、でも楽しい修行はある」と門下生に語ってきましたが、

あらためて、道を楽しむこと(これが本当の「道楽」)の大切さを再確認した、「新春の集い」でありました




(勝浦の研修会で武名を馳せた(?)、「勝浦会」の皆さんと)


というわけで、16時にパーティーがお開きになった後は、

さっそく「楽しさ」の実践に!


いつも懇意にさせていただいている道院長・支部長+幹部拳士で、

恒例のレインボー会(虹会=二次会)に繰り出しました(笑)


かつては、少数精鋭だったこのレインボー会のメンバーも、年々にぎやかになり、今年はパッション溢れる拳士が、なんと30名弱も参集!!

大変盛会でありました


皆さん、道を楽しむ達人ばかりですので、今年も力を合わせて、楽しい少林寺拳法にしていきましょう



本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『101

世間の鏡開きは1月11日でしたが、その日はワタシが本山に帰山していたので、

今年の我孫子道院の新春法会は、昨日執り行いました


新春法会(ほうえ)とは、そこに集う皆で新しい年を祝うとともに、「教典」を一緒に唱和したり、道院長の年頭法話を聴いて、心新たにして一年の第一歩を踏み出すための行事です)


開式の辞、導師献香、教典唱和のあと、門信徒代表挨拶

今年の代表者は、ちょうど一週間前に成人の日を迎えた、新成人のK・F拳士



続いて、精勤賞の表彰


精勤賞は、2014年の年間修練日・146日のうち、一ヶ月平均10回以上=年間120回以上参座した拳士を表彰(賞状と、副賞の帯袋を授与)

今年の精勤賞の受賞者は過去最多の12名!!

ちなみにトップは、年間139日参座した、小学2年生のS・F拳士



道院長年頭挨拶のお題は、「中心装置を作る」ということ



この日、1月17日は、阪神淡路大震災から、ちょうど20年ということもあり、

まずは、強くなるとは、どういうことかというお話から

強さの要素は、連帯力をはじめ、いろいろあるが、

今年、強調したのは、「物事に、打ち込む力」をもっている人は、強い人だということ


これについては、まずワタシの(学問の)師匠の言葉を引用したい

(以下、カギカッコ内は師匠のお言葉)

「なぜ、人にとって打ち込む経験が必要なのか。それは打ち込むことによって、物事に打ち込める自分が育つから。とくに、若い頃に、何かに打ち込むことで、自分の身体の中に中心装置が作られ、それでもって、その後に出会っていくさまざまな物事の中心をとらえ、それと正面から向かい合っていけるようになる。この中心装置が育ってくると、たとえ嫌なことであっても、必要とあれば、どんなことにでも打ち込めるようになる」


中心装置を育てるための、打ち込む対象は、じつは何でも構わないと師匠はおっしゃっておられたが、

我々はせっかく縁あって、少林寺拳法を学んでいる以上、今年はもっともっと少林寺拳法に打ち込んで、自分の身体と心のなかに中心装置を育てていこうと呼びかけました

少林寺拳法は、打ち込めばもっと面白くなる。面白くなれば、もっと打ち込みたくなる。この繰り返しが、中心装置を育てるなによりの鍛錬になるのです



最後は、拳士全員による奉納演武



白帯、黄色帯、緑帯、茶帯、黒帯と、各資格ごとに演武を披露し、今年一年の上達進歩を誓い合いました


これにて、新春法会は終了



(一列目、表彰状をもっているのが、精勤賞の受賞者 残念ながら、インフルエンザ等で病欠している拳士もいて、全員集合とはなりませんでした……)



そして、この後は恒例のお餅つき





少年部の拳士から一般部の拳士まで、みんなでついて



みんなで美味しくいただきました

(ご協力いただきました関係各位に御礼申し上げます ありがとうございました 再合掌)



今年は、お餅のように、粘り強い、根気のある人間を目指しましょう!!!




毎度おなじみ、道場から見た、この日の富士山

ラストは、お菓子のつかみ取り(少年部)をして、お開きに


夜は場所を変えて、一般部拳士+保護者の“進年会”で盛り上がりました(笑)




本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『106