NHKの2015年『現代のマッサンたち ~ 知られざるウイスキーの世界』では、
サントリーの山崎蒸留所の協力で、ウイスキーのできる工程をカメラの前で見せてくれました。
麦から麦汁を作り、酵母を加えて醪(もろみ)にする。
この醪を加熱して、アルコールの香味成分を濃縮する。
ウイスキーの基本骨格を仕上げる重要な工程だといいます。
蒸留に使うのは、銅製の、ポットスティルといわれるものです。
スコットランドでは、モルトウイスキーは銅製のポットスチル以外で造ることはできないことになっているといいます。
日本には、銅縛りはないので、銅製以外のポットスティルを使うところもあります。
日本の伝統技術の鋳物で造ったポットスティルですが、
それについては、いつか紹介するときがあるかもしれません。
なぜ銅製かということについては、「ウィスキーができるまで/おいしいお酒の話」で説明してあるので、興味のある人は見てください。
ポットスティルの下から熱を加えて、沸点の低いアルコールだけを蒸気にして取り出します。
そのアルコール蒸気を長い管を通すことで冷やし、液体に戻します。
でて来た液体のうち、最初と最後はカットして、使いません。
これをミドルカットというそうです。
使わないのは、雑味が多く含まれているので、ピュアーなウイスキーにならないからです。
ミドルカットのタイミングは、ウイスキー造りにとって、大事だといいますが、
早い話、四角い管の先から無色透明な液体が出てきているだけで、
どうやって切り替えのタイミングを見つけているのか、全くわかりません。
しかし、見る人が見ると、違っているわけです。
経験と知識のなせる業です。
焼酎では、この最初に出てくるものは、初垂(はなた)れといって、焼酎のうまさが詰まったほんの数%で、特別な扱いをしていますが、
ウイスキーでは、ポイしてしまうのです。
同じ蒸留酒なのに、
片やバッタモン、片や希少品という違いが出るのですから、不思議なものです。
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