こんにちは。弁護士の二見です。


遺産に不動産があることは多いです。
ときには,多数の不動産が含まれます。
そこで,相続案件を弁護士が受任した場合に,最初に不動産の調査をするアプローチ方法を説明します。


1.不動産を特定する

日本の不動産の特定制度は,住所と地番があります。
地番は,法務局に登記されている所在地です。
地番と住所は一致する場合もありますが,異なる場合もあります。
そこで,各不動産の地番を照合します。
そのためには,通常ブルーマップという書籍を利用します。
ブルーマップは,住所と地番が地図にまとめてある本です。
実務上の取り扱いですが,神奈川県などの場合は,法務局に問い合わせることで,地番と住所を照合することも出来ます。


2.不動産登記簿謄本を取得する
地番がわかったら不動産登記簿謄本を取得します。
日本は登記制度が完備されていますので,ほとんどの場合,不動産は法務局に登記されています。
そこで,その登記簿謄本を取得します。

ところで,不動産には,土地と建物があり,区別されています。
登記簿謄本も,土地と建物の両方を取得します。
登記簿謄本を見ることで,物件の広さ,用途,所有者・共有者,担保がついているか,などさまざまなことがわかります。


3.公図を確認する
公図というのは,地番で作った地図のようなもので,法務局が作成しています。
公図を見れば,2で取得した土地の登記簿謄本の位置がわかります。


4.不動産を金銭に評価する
不動産を金銭に評価するといって,普通はどう考えるでしょうか。
実は,評価方法がひと通りではありません。
代表的な評価方法を説明します。

固定資産評価額
市役所等から固定資産税・都市計画税の通知の際に,記載されています。
土地・建物の両方を評価することが出来ます。

路線価
相続税の算定に使うために,国が公表しています。
地図にそって,平米あたりの単価が記載されていますので,通常は,登記簿謄本の地積を乗じて求めます。
場所によっては,路線価が設定されていない地域もあります。(倍率地域)
建物には路線価はありません。

市場価格
不動産取引の相場から導き出した金額です。
実務では,不動産会社に査定を依頼します。

その他
不動産の収益から算定したり,さまざまな評価方法を,適切な割合で割り付けたりする方法などがあります。


5.検討する
4で紹介した評価方法をみていただければお分かりと思いますが,どの評価方法を採用するかにより,不動産の価格は変化します。
相続税の申告は路線価で行うのですが,遺産分割の協議をし,誰がどの不動産を相続するか,話し合う際には,相続税の評価に合わせる必要はありません。

遺産分割を法定相続に従って,公平な結果にするとしても,実際にどういう評価にするかにより,分け方は変わってくるものです。
この点に注意して,遺産分割をするようにしたほうがいいでしょう。



弁護士二見宏史
御成町法律事務所
http://onarimachi.jp/

おしどり贈与ってなに?

テーマ:

こんにちは。


司法書士池田です。


なんだか夏も終わりの雰囲気で寂しいですね。。


さて、さて、本日は『おしどり贈与』について。


8月はこの『おしどり贈与』の依頼が何件かあったので、


どのような制度かご紹介します。


相続税対策のための生前贈与としても利用されることがあるので、


雑誌などで見たことがある方も多いですかね?



正式には『夫婦間の居住用不動産の贈与の特例』といいます。


簡潔に言うと、結婚して20年以上経過している夫婦の場合には、


夫から妻へ、妻から夫への居住用不動産の贈与にかかる贈与税が


2000万円分までは非課税になるという制度です。


通常の基礎控除が110万円ありますので、


実質は2,110万円分の不動産を生前贈与しても贈与税がかかりませんよー


ということ。


とあるご依頼人が


「おれたちは結婚して30年以上経つけど、おしどりじゃないからいいかな~(笑)」


とおっしゃってましたが、いちおう仲の良し悪しは関係ないということで…(-^□^-)



要件としては、以下のとおり


①贈与時点での婚姻期間が20年以上であること


②居住用不動産そのもの または 居住用不動産を取得するための資金の贈与であること


③贈与を受けた配偶者が、贈与を受けた年の翌年3月15日(贈与税の申告期限)までに、当該不動産を居住用として使用するとともに、その後も引き続き居住する見込みがあること。


④過去において、同一の配偶者から配偶者控除の適用をうけていないこと。



上の条件に該当する人は一度ご検討してみては如何ですか?




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司法書士池田の運営するHPは以下の3つです。

よろしければ覗いて下さいね。


司法書士シーガル法務事務所

http://www.seagull-office.com


相続登記navi


http://souzokutouki.com


湘南相続放棄相談センター

http://www.shonanhouki.com/





弁護士の二見です。
5月にその1を掲載しました。
間が空きましたが、国税庁の相続税統計の続きを読み進めていきたいと思います。


統計のうち、「課税価格階級別」という頁を見ていきます。

まず、相続税の課税された人数は、平成24年は全国で、52,572人でした。

そのうち、もっとも多い相続税の課税価格は、1億円以上2億円以下で、24,842人、全体の47.25%になります。

平成24年は、基礎控除が、5,000万円+相続人の人数×1,000万円でした。したがって、1億円以下で課税される人数が少なかったことが、この統計から読み取ることが出来ます。


たとえば、次のような相続のケースは珍しくないと思います。

被相続人(亡くなった人) 夫
相続人 妻
子ども3人





この場合、これまでは、基礎控除は、5、000万円+4×1、000万円=9、000万円でした。
したがって、9、000万円以下の相続では、相続税は課税されませんでした。

これが平成27年相続税増税となれば、1億円以下で課税される割合がずっと増えていくと思います。上記のケースでも、これまでならば課税されなかったが、増税により、課税されるようになるということも多く発生するようになると思います。



また、このような統計を読む際は、平均値をもって、一般的な値であると即断してはいけません。といいますのは、たとえば、一部の富豪の相続などがあるだけで、平均値は大きく影響を受ける可能性があるからです。

ですから、数字だけで、印象を取らずに、実際の統計資料を読んで、階級別の平均などもご自身で考えながら読むと参考になるでしょう。



(参考資料)
国税庁のホームページから
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/sozoku2012/pdf/05_kazeijokyo.pdf



弁護士二見宏史
御成町法律事務所
http://onarimachi.jp/