専門外 | 湘南ダンス学院ブログ〜とある社交ダンス教室の1日〜

湘南ダンス学院ブログ〜とある社交ダンス教室の1日〜

湘南は鎌倉にある社交ダンス教室の先生とゆかいな生徒の皆さんの平凡な毎日をゆる〜く綴ります。


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残念ながら現在、日本の社交ダンス教室の先生は、多くが競技ダンスの選手と元選手です。

湘南ダンス学院のように社交ダンス専門の先生を揃えている教室はほとんどありません。

それには以下のような理由があると思います。

 

 

理由1:多くの先生が、競技ダンスをきっかけにダンスを始めているから。

 

日本では私のように競技ダンスを目的とせず、しかも20歳から指導者としての勉強を始めたという先生は、他にはまず居られないでしょう。幼少期からダンスに触れるようなことのない日本では、若くしてダンスを始めるきっかけは競技ダンスに限られます。そして初めから指導者になろうと考える人はきわめて少ないです。競技を好きになり、競技に専念できる環境を求める人が、やがてダンスを仕事として考えるようになるのです。つまり指導者になる動機は「自分が競技を続けていくため」なのです。

 

環境というのは、おもに時間とお金です。現役の選手はとてもお金を必要とします。ランキングを上げるために自分より上位の選手やコーチに指導をお願いするのですが、その月謝を払い続けるのは大変なことです。そしてバカにならないのが競技会に出場するための衣装代です。人によってはそれが最大の出費になります。社交ダンス教室に勤めることは、練習時間と収入の両方を確保できてとても好都合なのです。

 

 

理由2:競技ダンスの世界のほうが需要が多いから。

 

日本では競技ダンスと社交ダンスの区別がつかない方がほとんどです。するとやはり、競技ダンス選手の所持している「級」というものが威力を発揮します。当然、C級よりB級、B級よりA級の先生のほうが人気が出ます。ダンス教室のほうも先生のランキングで人気を集めようとします。

競技選手同士であっても月謝のやり取りはありますので、上位の選手にとって下位の選手やアマチュア選手はお客さんになります。ランクが上がれば上がるほど、たいてい収入は増えて行きます。つまり競技選手の中でピラミッドが成り立つのです。このように競技ダンスの世界には一定の需要が存在するのです。

 

ところがその競技の「級」と社交ダンスを教える能力とは全く関係がありません。実際、トップとされている先生にもかなり酷い方がおられました。(私自身が実際に月謝をお払いしてレッスンを受けた感想です。)

 

では、競技を教えない私のような先生が、プロになって果たして仕事ができるのかというと、たいていの人は無理だと思われるでしょう。私自身、しっかりと勉強し修行を積んでスペシャリストにならない限り無理かな?と考えます。だから湘南ダンス学院が目指しているような「社交ダンスのスペシャリストを育てる」という活動は、現在の日本のダンス環境においては、とても難しい作業なのです。

 

 

考察:競技選手にとって社交ダンスを教えることは果たして「本業」なのか?

 

競技選手にとっての「本業」は何かと考えた時、私は競技会に出場して賞金を得ることなのだと思います。しかし、ゴルフやテニスのように賞金だけで生計を立てられるほどの恵まれた競技ではありません。ほとんどの選手は生計を立てるどころか、一円も稼げません。エントリー料、宿泊や新幹線代などの遠征費、これらが丸々赤字になるのです。

そこで、レッスンプロ、つまり他の選手に自分の技術を教える、これも「本業」に含めて良いと思います。そもそも自分たちも上位の選手やコーチに月謝を払っているのですから、自分たちより下位の選手を指導して月謝をいただくのは当然のことです。

 

ところが競技選手が競技の技術ではなく「社交ダンス」を教えるとしたら、それが「本業」であるとはとても思えません。
競技ダンスは、見た目の華やかさやスピード、ダイナミックさを競うために社交ダンスとは別の独自の進化をしてきたものです。たとえばパートナーは一人に固定する必要があります。男女それぞれが理想の動きを練習し、踊る時にはそれをシンクロさせます。リード&フォローで踊っているとはちょっと言い難いです。一方、社交ダンスは誰とでも踊れるようになることが目的なので、男性にはリード、女性にはフォローを教え、常にその原則でレッスンを進めていきます。
言うまでも無く、この2つでは指導の方法が大きく異なります。そして申し訳ありませんが、現役の選手の方で、社交ダンスの指導法を真摯に学ばれている方は皆無だと思います。選手にとっては社交ダンスの指導法を学んでいる余裕など全くなく、自らのランキングを上げることのほうが優先課題だからです。

 

 

結論:競技選手が社交ダンスを教えることは、いわば「副業」。
 

たとえば、スピードスケートの選手がフィギュアスケートの指導はしませんよね。やればできるとは思いますが専門分野ではありませんから、あくまでも専門外として教えるべきでしょう。少なくとも私は、この例えと同じくらい違和感を覚えます。そもそもスポーツとしてのダンスとコミュニケーションとしてのダンスは、根本からして違うのですから、この例え以上に違います。

 

ではなぜ湘南ダンス学院だけは特別なのか。それは日本のダンス文化の遅れに対しての危機感と、日本が世界に取り残されないために尽力しようという使命感があるからです。このままでは、いつまでたっても日本は社交後進国のままです。

 

競技選手で社交ダンスの指導をされている先生方に社交ダンスの指導をやめてほしいとは言いません。

ただせめて、社交ダンスの指導法を何年か真剣に学ばれてから指導に当たっていただきたいと思います。

そのためでしたら湘南ダンス学院がいつでもお力をお貸しします。

 

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