競技動作やエクササイズ種目は、力を発揮する方向によって分類して考えることができます。


①垂直 or 水平 (vertical or horizontal)

②リニア or ラテラル (linear or lateral)

③前方 or 後方 (frontward or backward)



特異的な競技パフォーマンスの改善には、エクササイズ種目の選択が重要であると考えられています。

そこで今日は垂直 or 水平方向に関するエクササイズ種目とその適応について書かれた論文レビューをシェアします。


Do horizontally - directed exercises transfer best to sprinting ?
水平方向のエクササイズはスプリントへの転換に最適か?

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・スプリントは多くの競技スポーツで重要な能力であるが、その能力の向上について最適なトレーニング方法については明らかでない。

・スプリント能力向上に関して、トレーニング方法は大きく特異的な種目(スプリント、スレッド、チューブレジスト、上り坂、下り坂など)非特異的な種目(レジスタンストレーニング、プライオメトリックなど)に分けられ、どちらもスプリント能力の向上に有効である。

・これまでの研究では、両側 or 片側、高速度 or 低速度などの比較がされてきた。

・スプリントに特異的なトレーニングとしてはスレッドの重量の違いによる比較研究があり、高重量(体重の30%)のスレッドの方が低重量(体重の10%)よりも向上が見られ、過去のエビデンスが示唆してきた高重量の使用によるメカニクスへの有害効果(=detrimental effect)とは異なる結果となった。

・エクササイズの動作速度に関する研究では、同じ種目を高速度と低速度で実施した場合、スプリントなどの速い動作の改善には高速度での実施の方が効果的であるという結果になり、これは動作速度に特異的な筋力増加(=velocity specificity)によるものであると考えられる。

・バリスティックエクササイズを股関節メイン(スクワットジャンプ) or 膝関節メイン(プッシュプレス)で実施した場合、股関節メインのエクササイズの方がスプリント能力を向上させ、これは股関節メインのエクササイズがスプリントに必要なハムストリングの水平方向への力を増大させたためであると考えられる。

・両側 or 片側に関する研究では、バックスクワットとスプリットスクワットで比較した場合、10mと40mスプリントの改善に有意差は見られなかった。


このように、多くの比較研究が存在するが、この他にはどのような要因が存在するのか。


Force - Vector Theory

・その1つに、エクササイズの力の方向(=force vector)があげられ、スプリントを含むスポーツ競技に影響すると考えられている。

・一般的にスクワットなどの垂直方向(vertical)とヒップスラストなどの水平方向(horizontal)の2つに分けられ、前者は垂直跳びの向上、後者は立ち幅跳びの向上といったように、エクササイズに特異的なforce vectorの能力を向上させると考えられている。


研究内容

・被験者 : 24名の男性アスリート
フロントスクワット群ヒップスラスト群に分類
・トレーニングは2/wkで6wk行う

・測定項目 : 
-3RMのフロントスクワット&ヒップスラスト
-垂直跳び
-立ち幅跳び
-スプリント(10m, 20m)
-アイソメトリック ミッドサイプル



結果

フロントスクワット(vertical)では、主に3RMフロントスクワット、垂直跳びの向上が見られ、ヒップスラスト(horizontal)では3RMヒップスラスト、10mスプリント、20mスプリントの向上が見られ、Force vectorに特異的な向上が見られた。


まとめ

競技パフォーマンスの向上を目的としてエクササイズ種目を選択する上で、force vector theoryを視野に入れることの重要性が示唆されました。
これは競技種目だけでなく、ポジションやプレースタイルによっても異なる部分であるため、しっかりと見極めた上で適切なエクササイズ種目の選択ができると、より効果的にトレーニング効果をパフォーマンス向上に反映(=
transfer of training effect)できます。

今回、シェアした論文レビューはこの
URLから全文を見ることができますので、興味ある方はご覧ください。


KOHEI SHOMURA
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