本場ドイツのバームクーヘンとあの時の感動をもう一度! | ロスめし

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Hello, Los Angeles. I'm very hungry.


私はバームクーヘンが大好きですバウムクーヘン

というか、私に限らず日本は本場ドイツよりもバームクーヘン好きな人が多いんじゃないか?というぐらいに好きな人多いですよね。そんな私もその一人でバームクーヘンにはいろいろな思い入れがあり、スーパーで見つけるとついつい買ってしまうんですが、でも本場ドイツのバームクーヘンは一度も食べた事がないので本場はどんな味がするのか気になっていました。

するとハンティントンビーチにあるドイツ人経営のベーカリーでバームクーヘンを作っているという噂を聞き、これは行かねば!と早速王子と食べに行く事にしました。



滅多にオレンジカウンティーには来ないのですが、美味しい食べ物があると聞けば、ロングドライブも惜しまず駆けつける食いしん坊の私と王子。店はショッピングモールの一角にありました。



この方がオーナーパティシエのポールさん。白髪が素敵なおじいちゃまです。ドイツ人だというので、勝手にハインリッヒとかディートリヒとか想像してたけど、意外と普通の名前なのね。笑)



アメリカではTree Cakeと呼ばれるバームクーヘン。ドイツでは昔ながらのお菓子です。
ポールさんは37年前にアメリカに渡米してきてこのケーキ屋を開きましたが、そのときはバームクーヘンを作る事になるとは思っていなかったそうです。


ですが、12年前にポールさんとドイツで一緒に修行していた友人がコスタメサにある大学で現在料理の講師をしていて、このバームクーヘンの機械がその大学に寄付されてきたことでポールさんの手元に渡って来たそうです。ちなみにアメリカでこのバームクーヘンの機械はたった3台しか存在せず、その1台がこのポールさんの機械なんだそうです。



「この機械が家に来る事になった時は本当にわくわくしたよ!」と少年の様に目をキラキラを輝かせて話すポールさん。ちょっと耳が遠くても、私たちのつたない英語を一生懸命聞いてくれ、バームクーヘンの歴史などについて沢山お話してくださいました。



これが焼いている時の写真。LA Timesからお借りしてきました。長さは約90センチです。今ドイツでも
機械がもっと簡単な機械になっているので、この昔ながらの機械を使ってバームクーヘンを焼いているところは少ないそうです。そうやってどんどん伝統的な職人技が世から消えてしまうのは本当に残念ですね。



話の途中で壁にある写真の中で、バームクーヘンがウェディングケーキとしてケーキカットされている古い白黒の写真を見せてくれました。それはとあるドイツ人の娘さんが持って来たものだそうですが、これは彼女のご両親の結婚式の写真で、ご両親の結婚50周年記念の為にプレゼントしたいので同じケーキを作って欲しいと持って来たものだそうです。とっても素敵な話ですね~




さて、肝心のバームクーヘンはコチラ。本場ドイツでもバームクーヘンは長いログの状態から好きな量だけをカットして計り売りなんだそうですが、ここも好きな大きさのものを選んで量り売りで買う事が出来ました。今回選んだのはプレーンとチョコレートコーティングしてある2種類。その他はドイツのペーストリーたち。



プレーンは思ったよりも甘さ控えめで素朴な味で美味しい。生地も割としっとりしています。



チョコレートコーティングされたものも中のケーキはプレーンと同じで、ちょっとチョコレートの風味が加わるとまた違った食感と味わいで美味しい。日本のバームクーヘンと比べるともっと柔らかく、スポンジケーキに近い感じです。



スーパーなどで売っている日本のバームクーヘンと違って層が不揃いで奇麗じゃないところが手作りっぽくて良いですね。ポールさんがじっくりと手間をかけて作ったバームクーヘン。愛情がたっぷりこもった優しい味がしました

日本のバームクーヘンとはまた違う味わいの本場バームクーヘン。是非みなさんも一度試してみて下さい。

The Cake Box
6054 Warner Ave Huntington Beach, CA 92647
大きな地図で見る
Phone:(714) 842-9132
http://www.cakeboxpastries.com/
評価:★★★1/2

バームクーヘン

ちなみに私が今お気に入りの日本のバームクーヘンはこの「塩バウムクーヘン」。ちょっぴり塩味でめちゃ美味しくてお気に入りです日系スーパーで購入出来るので、是非皆さんも試してみて下さい。

さて、バームクーヘン好きな私は以前、自分でバームクーヘンを作ったことがあります。それは2006年のちょうど今頃の季節でした。もう思い起こせば7年前の話になりますが、この日の事は今でも鮮明に覚えていて、本当に感動の一日でした。


せっかくなので、その日のあの感動をもう一度ココでみなさんに再現したいと思います。

バームクーヘン

2006年3月12日。場所は丁度桜が奇麗に咲いていたバルボアパーク。

バームクーヘン

当時頻繁に開催していた食通倶楽部の定例会。そのイベントの一つとして「お花見&バームクーヘン作り」が行われました。 バームクーヘンに使う材料は竹。知り合いの知り合いの人の家に生えていたロスではめずらしい生竹を分けてもらいました。

バームクーヘン

桜の季節は混むので、この日は朝6時半に起きて、8時半には現地で場所取りを始めました。その日は天気が雨ということで、本当だったら中止にする所をその日の朝は晴れていたので無事に決行!でも、ロスとは思えない程に超寒い。期待した桜は3分の1しか咲いていませんでしたが、それでも久しぶりに観る桜はとっても奇麗でした。

バームクーヘン

かなりの人数が集まったポットラック。まずはみんなで腹ごしらえ。ずらっと並んだ料理の数々は圧倒されるものがありました。

バームクーヘン

中にはその場でたいやきを焼いてくれるさすらいのシェフも居て、

バームクーヘン

その場はちょっとしたお祭り騒ぎとなってました。笑

この日だけに限らず、食通倶楽部でのポットラックは毎回毎回本当にごちそうがずらっと並び、全部が美味しくてまさに「食通倶楽部」の名にふさわしいポットラックだったのが印象的です。やっぱり食に情熱のあるメンバーの集まりは、美味しいモノがつきものなんですね。

さて、早速張り切ってバームクーヘン作りを開始!のはずが、予期せぬ突然の雨


バームクーヘン

でもここでバームクーヘン作りを諦めるメンバーではなく、雨が降る中バームクーヘンの生地作りを始めることになりました。

バームクーヘン

 卵の白身40個をもったりするまで、メレンゲ状に泡立てます。

バームクーヘン

3人が頑張って泡立ててくれたメレンゲに他の材料をまぜまぜ。 そして、いよいよ竹に生地を付けて焼いて行きます、が!?ぜ~んぜん竹に生地がくっついてくれない!!!

バームクーヘン

みんな流れ落ちてしまって、コレはヤバイ感じ…。 しかもどんどん雨は強くなり、寒いし、バームクーヘンは思う様に行かないしで、途中で私も「もう、諦めよう…。」と言いかけたけれど…今回バームクーヘン作りを実際に参加した約10名足らずのメンバーが、諦めずに必死に黙々と挑戦しつつけたその時!



なんと、やっと最初のレイヤーが出来て来ました!

バームクーヘン

最初のレイヤーが出来れば、どんどん次の生地がくっつき安くなり、だんだん太くなって来くるバームクーヘン。

バームクーヘン

焼いては塗っての繰り返し。

バームクーヘン

さっきまで必死だったみんなにも笑みがこぼれて来て、雨も少し止んで来た!

バームクーヘン

バームクーヘンもどんどん太くなってきた!

バームクーヘン

なかなか出来なかったバームクーヘンを諦めずに作り続けたみんなの熱意が伝わり、どんどんふくらみ続けるバームクーヘンに大喜びのメンバーたち。超喜んでいる可愛いレアたん。雨もすっかり止んで、晴れ間も見えて来ました!

バームクーヘン

そして出来上がった見事なバームクーヘン。出来立てにかぶりつきたいレア。

バームクーヘン

この記念すべきバームクーヘンと一緒にみんなで記念撮影
いや~、懐かしなぁ。みんな、元気かい?

バームクーヘン

さあ、早速中を切ってみよう~。 途中、生地がブクブクと盛り上がっていたので、結構だめかな~とドキドキしながら、ケーキカット。

バームクーヘン

オオオオオ~~~~!? 

一斉に歓声があがり、みんな写真を撮りまくる撮りまくるw。 すご~~~~~い、ちゃんと層になっているぅぅ! 諦めずに頑張って作り続けた人たちの努力の結晶がちゃんと形になっていました! これにはかな~り感動しましたよ。

バームクーヘン

小さく切り分けると、そこら辺で売ってるバームクーヘンとなんら変わりない見た目で美しい!これが手作りだとは思えない。

で、味は?というと…

しょ、しょっぱい!!!

なんでだ?と頭の中が???マークでいっぱいになりながら考えると…

あ!バター!!!

使ったバターが無塩ではなく、有塩バターだった為に出来上がったバームクーヘンはややしょっぱい味となりました。でも自分たちで作ったこともあり、凄く美味しかったです。今思えば、「塩バームクーヘン」先取り!爆)

そして1本目の完成に気を良くした我々は、生地の材料がまだ残っていたので、第2弾に挑戦!

バームクーヘン

1本目を作るのに3時間ぐらいかかったのにもかかわらず、2度目はみんなコツを覚えて来たのか、どんどん調子良く焼いて行き、

バームクーヘン

1時間半で2本目を作り上げました!
しかも2度目は超きれいな仕上がり。

バームクーヘン

早速中を切ってみると

バームクーヘン

めっちゃ奇麗な層になっていました。

この日、バームクーヘン作りに参加してくれた皆は本当に良く頑張ってくれました。あの日のみんなの協力がなかったら、あんなに素晴らしいバームクーヘンは作れなかったと思います。そしてなにより、バームクーヘンがどうのこうのよりも、みんなの一致団結が本当に嬉しくて感動しました。正直、涙が出そうになりました。

ちなみにその日のバームクーヘン作りは日系のテレビや新聞が取材に来ていて、ローカル放送で放映されました。

あの頃の食通倶楽部のみんなは本当にみんな仲が良くて大学のサークルみたいな感じで楽しかった事を今でも思い出します。最近は忙しくてなかなか定例会をやる事も出来ないし、あの頃の仲間はそれぞれの道で頑張っているのでたまにしか会う事がありませんが、今でもちゃんと仲間です。

あの時作ったバームクーヘンの層はあの日居たみんなの友情の絆の層で、それぞれが離れていてもみんなの心の中に素晴らしい想い出として深く刻まれていることでしょう。私もあの日の事は一生忘れません。

だから私にとってバームクーヘンはとっても思い入れのある食べ物なんです。
もうすぐ今年も桜の季節だし、またみんなでバームクーヘン作りに再挑戦したいですね!

って言ったらあの頃のみんなにひんしゅく受けそうですが



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