デザインと市場、販売、顧客、収益、ものづくりとの関わり方 | にんにくの里 青森県田子町商工会

デザインと市場、販売、顧客、収益、ものづくりとの関わり方

講師:プロダクトデザイナー 荻野克彦 氏

マーケティング論

テーマ:デザインと市場、販売、顧客、収益、ものづくりとの関わり方


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現在の物づくり・・工業化した生産機構の中で、作る・売る・買うが専門分化

他人が考え作ってくれたものを買い続けるだけになった

今後ますます・・高度化する科学技術。巨大化する企業。これまで以上に専門分化が進み市場競争は激しさを増す。1つの業界の中で、企業間で提携、買収、合併を繰り返し、最終的には大手10社から34社がシェアをほとんど握ってしまう。


タテの物づくり・・私利私益の次元の不均質な拡大。経済や物質面での成長ほどには楽しいと思えない暮らし。物が売れない一方で、作れば作るほど、売れば売るほど募る虚しさ

もうこれ以上・・価格競争には耐えられない。何とかデザインで差別化、高級化できない



東南アジアの国々でなら・・らくらくと生産できる商品を、日本で無理に安くしてまで生

産する必要はない

どんどん消費しなければ・・ガソリンを精製する行程で出来るプラスチックモノマー(原

料)を重合させるとプラスチックポリマー(各種樹脂成形用材料)が出来る

材料があるから・・それで何か作れないか?特定の条件にしがみついたり、与えられた先

入観からの発想は、往々にして、あっても無くてもいい程度の物づくりで終わる


何が必要か・・まじめに「働く」ことが安心して「生きる」ことにつながらない不安社会ただひたすら与えられた目標に向かって突進する人たち。働けば働くほど企業の業績は伸び、国の経済が成長しても社会が衰退する矛盾


デザインの原点に帰る・・バケツの作り方も、ケイタイの仕掛けも、何やら最新の技術の粋を集めて造っているらしいとしかわからない


地域資源を生かす・・わからなくなってしまったから、既製品を買って暮らすことが当たり前になってしまった


ムダ、ムリ、ムラ・・「いかに作業を効率的に行うか」「さらに効率を上げて合理化し、企業に貢献するか」しかし、現場で生産条件をあげた、その「ムダ、ムリ、ムラ」はどこに行くのか?暮らしをそっちのけにし、働けば働くほど、個人の暮らしの内実が貧しくなり、結局問題は社会に転嫁される


景気からの解放・・市場主義経済をこのまま推し進めれば、限りある地球はどうなるか。つまり大量生産・大量消費でまわる時代は過去のものになりつつあるわけで、今の<不況こそ転換期>


あるべき姿をめざす・・経済成長を適正な「消費」では足りず、浪費によって追い求め「ゴールなく疾走」を続けている日本。「見てくれの良さ」や価格にまどわされ、浪費に楽しさを見い出してきた消費者。経済の見地からすれば大きな力ではないが、しかし個々の生活、感情を左右させる力でそれ以上に補う、わが地域の「顔」=「本物」を創出するとき


君は必要ないよ・・突然会社から印籠を渡されたら、給料がなくなるだけではなく「仕事」を失うことになる。つまり仕事は会社のもので、自分のものではない。仕事は人間が生きるために存在するもので、それを奪われることは「生きていかなくてもいい」と言われるようなもの。与えられた仕事とはそんなものだ


工業の代表が都市・・農・林・漁業はたくさんの能力を持たなければ成り立たないが、サラリーマンは分業化されており、特定の仕事をこなしているに過ぎない。東京=壽が無秩序でアンバランスなのは本質的には計画性を欠いているからで、実はその理由もそこにある


都市、田園間の差の減少・・コントラストのない郊外圏の拡張、生活様式の画一化。真に都市的でも真に田園的でもない風景が日本中に広がっている。地域特性=文化的な文脈のない空間はただの交通や駐車のための場所になる


自然を指向する・・日本人は自然に随い自然に帰ることが理想。特に晴れ着に不愉快なもの、いやなものをわざわざ描くわけがない。都市生活者は地域に自然の風情を求めつつ、都市を自然へと志向させる


地域性・・田園風景は都市で生まれたもので、少なくても地域のなかで生まれた概念ではない。地域性と言うのは単なる鑑賞すべきエキゾチシズムではない。固有の風土と生活の中で生産と消費の密接な提携がもたらした必然なのだ。そこに住む人にとって地域は単に自分たちの暮らす環境に過ぎない


とどのつまり・・地域には気象風土があり、生活があり習慣がある。もっと掘り下げていけば経済があり、人間の感情がある。自然景観がどんなに美しくても、それは必ずしも自分たちが日々額に汗して造景したものではない。そんなものに頼らずに、できれば自然には手を付けず、自分たちの舞台である地域づくりにどれだけ切実な思いを抱くのかの問題

あとを追うものではなく・・そもそも無農薬の米と携帯電話とではどちらが生産性が高いのか。都市化は一言で言えば生産性の向上だ。その結果がいかにも薄っぺらな街並みの中で営まれる生活であり、雑然とした姿だ


生産性をのみこむ・・生産性や効率のために際限なく巨大化し、高層ビルも、都市も情報も大きく大きくである。皮肉にもそこに住む一人ひとりは相対的に小さくなっていないか

何ができ、何をすべきか・・つくる動機を生活の身近なところに置き、「わからせる」ではなく、どう「感じさせるか」。大事なのは表面ではなく、根をおろしている感覚。中身とは地域の2“根っこ”のようなもの


地域資源を経済化する


地 風土・土地(空気と水)

産 農・林・漁・工(連携、交流)

景 自然・景観(代わる時代の中で変わらない価値)

文 歴史・生活(時間軸)

人 気質・気持ち(五感)


●地域資源とは、自然、環境、人の営みの総体。


何もない・・地域資源を見直し、風土的制約を生かして可能性にかえる

地域資源を探す・・その土地ならではの生活と生産を一体化して考える。農、産業、生活文化、郷土料理、伝統技術の再生、祭りや民謡、民話の保存と伝承。郷土史の編纂など、現代社会が失ったものにこそ可能性


これまでの指標・・効率、合理性、経済性。少数より多数であることが成長。手間をかけずに大量に生産、販売すること。より早く目的を果たすことが発展


文化を耕す時代・・文化とは耕作を意味し、農・林・漁・工の活性化は地域再生の条件。相互理解の「輪」を広げ、その土地ならではの特徴を自分たちの力で、自分たちの努力で作り上げる


地域をデザインする・・真の「豊かさ」とは独自の価値観を持つこと。自分たちの手足に基づいた計画を立て、まず、地域内で自作自用、自給自足的スタートを


基本は・・Plain and Simple:素材の質に注意しそれを生かす。素材がどう育てられどんな質なのかを踏まえ、質実に加工して、デザイン=うまく機能させる実際、考え抜いて造られたものは誰にでもあてはまる


求められる商品・・

1.圧倒的な低価格

2.品質が高級と言えるほど高く「向上心」や「感動」を満たすもの

3.高い品質を備え、一人ひとりのニーズにも応えられる商品とサービス