フランス映画「ステラ」
オーストラリアのテレビの「ワールドムービーチャンネル」が好きです。
ハリウッド映画も好きですが、このチャンネルはコマーシャルもなく、英語字幕で世界各国の映画やアートハウス系の映画を放映しているので 、ちょっと珍しい作品に出会えるのが気にいっています。
たまには日本の映画も放映していて、「舞妓Haaan!!!」もこのチャンネルでみました。
映画祭に出品するような作品や外国うけするような映画が選ばれるので、あまり「普通の」日本映画は見ることはできないんですけどネ。
「アンチクライスト」は誰にでもお勧めできるようなものではまったくないけれど、映画通だったら無視できない映画かも。
でも一週間くらいは引きずります。それどころかトラウマになる可能性も。
「キッスをよろしく」は日本でもいつか見てもらえるといいな。
「人生を変えるようなキスもある」ということがテーマのとてもフランスっぽいラブコメです。
昨夜みた2008年のフランス映画「Stella (ステラ)」もとてもよかった。
日本ではまだ知名度がなく、ヤフー映画にレビュー投稿もできないので、記録のために書いておきますね。 
両親の経営するパリのワーキングクラスのバーが自宅の11歳のステラ。
彼女は裕福な子供たちの通う中学校に入学することになりましたが、クラスメートたちと自分とのあまりの違いにとまどいます。
子供が育つにはとても不適切な環境にいるので、ギャンブルとか大人の夜の世界のことは知っていても、学校の勉強についていけるような知識はさっぱり。
両親は不仲でいつも忙しい、、。
学校生活に適応できず、落第しそうになるけれど、一人の友だちがきっかけで、ステラの世界がひらけてくるのです。
この映画は子供時代にわかれをつげて思春期にはいる直前のとてもあやうい時期を描いています。
ふ~ん、子供が主人公かぁ、なんてあなどっているととんでもない。
こんな無垢な子供たちのまわりに、あまりにもシビアで危険な落とし穴がたくさんあるんだって事実に直面して、衝撃をうけます。
自分が生まれて来る環境も両親だって子供には選べないのに。

主人公の少女、ステラの目線で描いているのでとても感情移入がしやすいです。
「ステラ」は監督のシルヴィ・ヴェレイドの半自伝的映画だというのが納得できます。
ステラを演じた女の子も素晴らしい。
無表情にみえるときもあれば、とても可愛らしくもなり、小さい存在にも大きい存在にもなり、天使のような純粋さも、花咲く寸前の蕾みのような女の子の魅力も感じられ、リアリティがあります。

それからこの作品は37歳の若さで肺炎で亡くなったギョーム・ドパルデューの遺作にもなりました。
ギョームはフランスの名優ジェラール・ドパルデューの息子ですけど、たしかに彼の演技力とルックスにジェラールの面影を感じることができました。「ステラ」トレイラー フランス語です。
2010年11月24日