今日は、美容院に行って
カラーリングとカットを。


もう20数年お世話になっている
担当美容師さんも、


長い年月で
可愛いお姉ちゃんから
人妻になり
母になり


息子ちゃんが大学受験を考える
年齢になりました。


最近は、髪を切ってもらう間
県外の大学の話をよくしています。




地元には、大学自体少ない。
ま、大学らしい大学は
国公立大学が3校ほど。
私立大学もありません。


その、国公立大学でさえ
県外の大学に比べると
レベルは相当落ちますから


優秀で
多少でも経済的な余裕があれば
県外の大学への進学を考えるのは
この田舎ではごく普通のことで。


むしろ、進学をするのであれば
当然県外…くらいの感覚。


担当美容師の息子ちゃんも
県外進学をするつもりで頑張っている、
優秀なお坊っちゃん。



で、どう違うの?結局
県外と地元
地元にいたらなんか損?
確かに、良い大学良い教育良い環境は
県外にあると思うのだけれど
じゃあ地元にいて得るものがないのか?って
言われたらそうではないとも思うし
どうですか?二人の息子さんは


と、聞かれたわけです。
長男は県外の大学
次男は地元の大学
と参考例を持っている私が。



そりゃ、違うよ。
すべてが、違う。



確かに、
良い大学良い教育良い環境は
県外の方があります。
選択肢は多い方がいい。
若いうちは。



でも。



地元にいたら
地元だからこそ得られることが
たくさんあって


先に書いたバイト一つそう


県外で一人暮らしをする大学生は
バイトをしても
丸々交際費交遊費にはならないわけで。
生活費として
ある程度消えていきますよね。


そこでね。


たかだか三千円だとしても
その三千円が違うわけですよ。



例えば、
ちょっと体調が悪かったとします。


地元大学に通う自宅生なら
「病院行こうかな」って家でつぶやいてみる
「行きなさい行きなさい」ってお母さんは言う
なんなら病院へ送迎までしちゃう
お金がないから行かないことは
あんまりないわけですね。


だけど、
一人暮らしをする大学生にしたら
ちょっと病院行って支払う三千円は
でかい。


三千円あるならどうするか?


自宅生みたいに
友達とファミレスに行くわけではなく
映画を見るわけではなく


食べることに直結。
要するに、
少々体調が悪くても
わざわざ病院行って三千円五千円払うなら
寝て、治す
三千円でお米買う
五千円でお肉買う


三千円でなくてもいい


ちょっとパン買おうか
お金ちょっとあるし
…という場合
例えば自宅生なら
コンビニの100円のパンではなくて
パン屋さんの焼きたて300円のパンを、
美味しいパンを食べようと思ったら
買うことも簡単ですよね。



でも、
食費をやりくりしている一人暮らしの大学生は
よほど多額を仕送りしてもらって
贅沢が許されているのでなければ、
300円のお高いパンではなくて
100円のパンを3つ買いたい
そういうもの。



そうやってね
小さい小さいことの積み重ね


私の長男は
仕送りの中から食料を買う
常にやりくりを考える
お金がなければ食べることさえままならない
バイト代が入れば、まず生活費の足し


かたや次男は
実家でご飯を食べ
食費なんてやりくりしなくてもいい
バイト代で
お友達と映画を見る
お買い物をする
飲みにも行っちゃう


良い映画を見て良い音楽を聞いて
磨く感性、
お買い物に行って
養われる美的センス、
美味しいものをお友達と食べて
肥える舌、入る情報量、育つ社交性


年間10回だとしても

大学在学中の4年で40回

その40回の機会が
あるのと、ないのとでは、
全然違うよ


・・・という話。


長男は、
高いレベルの大学で高等な教育を受け
良い研究をし素晴らしい論文を書けます


でも、
次男は、
長男が
得られなかったことや
手放したことを
地元で
余裕を持って経験して
いろんなことを身につけています


・・・って。


本人が何を求めているか。


長男は、
お買い物には興味はない
美味しいものを
食べずにはいられないわけじゃない
感性が磨かれることより
高いレベルの仲間と高等な教育を受け
予算のない田舎の大学ではできない研究をして
素晴らしい論文を書きたい人。


次男は、
10円100円を気にしながら
食べたり飲んだりする生活はできない
難しい授業から得られる知識より
難しい人と上手に付き合っていく処世術の方を
必要とする生き方をする人。



とはいえ、


同じお腹を痛めて産んだ息子が
一人は
お財布をパンパンに膨らませて
車に乗って通学し
週末は私と美味しいものを食べ
買ったばかりのシャツやパンツやバッグを
身につけて


もう一人は
バイト代で
スーパーに行き安い食材を買い
暑い日も寒い日も自転車で大学に通い
よれよれのTシャツを着ているのは


かわいそうで


「ほっといてくれ、自分でやるから」
と言って日々苦労をしている息子が
不憫で。



一流ホテルの、エアコンがきいた
華やかなきらきらシャンデリアの下で
真っ白なワイシャツに蝶ネクタイをして
バイトをする次男が

たまたまホテルで会合のあったじいじに
「これ、うちの孫なんだよ」と

もしも
地元を離れていたら
お目にかかることもなかったような
経済人に紹介されて
あちらこちらと連れ回され
にっこり微笑んでいるのを見たら


ああ、
長男は
炎天下で顔を真っ赤にして
手を泥だらけ油まみれにしながら
重い物を運んでいるんだろうか、
くたくたになって
アパートに戻って
一人で100円のパンをかじってるんだろうか、

彼が得たかったものはなんだろう

彼に私やじいじは何を与えられるだろう



・・・と悲しくなってしまったことを
考えながら


息子ちゃんの将来を思う美容師さんに
「地元にいるからこそ
得られるものがあるよ」
とだけ、答えたのでした。