久々に面白いの見つけました。

浅田次郎は、「鉄道員」の方ですね。
私は、「マンチュリアンリポート」とエッセイ「ま、いっか」あたりが好きです。
そして、大名倒産。
時は元禄文化の終盤、260年続いた太平の世の賜物で、大名たちは借金まみれ。
この借金を返す当てはなく、「(少し払って)踏み倒す」か「元本だけ返済する」という2択を
選べないほどお金がない「丹生山松平家三万石」の当主が「計画倒産」を企てる。
世継ぎの長男が急逝し、次男はおバカちゃん、三男は病弱、仕方なく外様の子である四男に家督を譲り、こいつに倒産させ、四男は自害、お家お取り潰しという筋書き。

ストーリーも面白いんですが、よく知った地名が出てくるのが楽しい。
新宿は「内藤新宿」とか「柏木村」「角筈村」「成子神社」「十二社神社」・・・下屋敷があのへんにあったのか~(ないない>架空だから)とか、想像すると楽しいんです。

中野長者橋の名前の由来も興味深い。
鈴木という長者が紀州(熊野)からやってきた。そこで財を成し、故郷の熊野神社を新宿に建てて(十二社神社)、祭った。
やがて、稼いだ財産を(たぶん百人町ー大久保周辺)に運ぶにあたり、行きは二名、帰りは一人で帰ってくることから(つまり、運んだ百姓を殺しちゃうんだね)、いつしかその橋が「姿見ずの橋」と名付けられ、これが淀橋になったとか。

上巻はほろりとさせられ、下巻は笑いっぱなし。

 

お正月、一気読みしちゃいました(^^)。