記事抜粋です。
がん治療で注目されているのが「シイタケ菌糸体」です。……シイタケ? シイタケを食べれば、
がんが治るの? そんなワケはありません(私の父は生前、シイタケが好きでした)。
では「シイタケ菌糸体」とは、一体なんなのか。シイタケ菌糸体について、およそ20年もの研究を続けているという、小林製薬の医学博士・川西貴さんに話を伺ってきました。
免疫にブレーキをかける細胞
人間の体には、「免疫細胞」と「免疫抑制細胞」というものがあるそうです。免疫細胞は、
病気から体を守ってくれるもの。免疫抑制細胞は、その働きを弱めてしまうもの。
がんになると、免疫抑制細胞が異常に増えて、免疫細胞が減ってしまう。免疫力が下がって、
がんが進行してしまうというわけです。
⇒【画像】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=76434
というと、免疫抑制細胞はワルモノみたいですが、実はイイヤツでもあるらしいのです。
免疫細胞が過剰になると、アレルギーなどの原因になります。それを食い止める役割をするのが免疫抑制細胞。……なかなか複雑です。川西さんが分かりやすく解説してくれました。
「車で例えると、免疫細胞がアクセル。免疫抑制細胞がブレーキです。
アクセルをずっと踏み続けると危険ですよね。だからブレーキをかけるんです。
この、アクセルとブレーキがうまく調和すると、安全な運転、つまり、健康な体でいられるのです。
ところが、がんになると免疫抑制細胞が増えてブレーキばかりが掛かってしまいます。
これまで、『免疫を高めよう』という試みがされてきたのですが、
ブレーキを踏んだ状態でアクセルを踏み続けても、車は進まない。
そこで、アクセルを頑張って踏むよりも、ブレーキを外す方が、
がんの治療にとって良いということが、最近になって分かってきたんです」
国立がん研究センターの調査によると、免疫抑制細胞が少ない人は、多い人に比べて、
手術後の生存期間が長いという結果が出ています。
米国では既にそういった治療が医療現場でも取り入れられ、
学会でも発表されているそうです。
シイタケ菌糸体の不思議な効果とは?
免疫抑制細胞を軽減する、という効果で注目されているのが「シイタケ菌糸体」です。
シイタケは、子実体(普段、食べているシイタケの部分)と、菌糸体(子実体の根っこの部分)で
できています。
この根っこの部分「菌糸体」に、栄養素が凝縮されているとか。膨大な数のシイタケ菌種の
中から、最も菌糸体の栄養素が豊富なもののエキスを抽出して研究が進められています。
臨床結果でも、シイタケ菌糸体は、「ブレーキを踏み続けている状態を外して、
ちゃんとアクセルを踏める状態にする効果がある」ということが明らかになっています。
がん患者の治療にシイタケ菌糸体の摂取を併用したところ、免疫力が3倍まで活性化し、
免疫抑制の進行が抑えられたことが報告されたそうです。
「ただし、『シイタケ菌糸体を摂取すれば、がんが治る』というわけではありません。
シイタケ菌糸体は、あくまで治療をサポートする役目。
そして再発の防止や副作用の軽減が目的なんです」と話す川西さん。
ここに至るまで、およそ20年。朝から晩まで、実験室にこもって、
今でも研究を続けているそうです。
※小林製薬のがん免疫研究
http://www.ganmen-kobayashi.jp/
がんは怖い。でも、こうした研究によって、医学は確実に進歩している。
「シイタケ、シイタケ」と熱く語る川西さんを見て、
「いつか私もがんにかかるに違いない」という不安が、少し取り除かれた気がしました。
<TEXT/尾崎ムギ子>
以上
免疫細胞療法成功日記クンより
