点滴でないと効かない

2008年8月、米国の国立衛生研究所の研究チームが、がん細胞を植え付けたマウスにビタミンCを大量に投与して、がん細胞の増殖を抑制することに成功したと発表。医学界で話題になった。


 だが実は、ビタミンCががんに効くという発表は、以前からあり、ビタミンCを用いたがん治療は実際の医療現場で既に行われている。

米国だけでなく、日本でもだ。そして最近、がん治療のみならず、

美肌効果などを得るアンチエイジング医療の現場でも、同じ療法が行われるようになり注目を集めている。



 このようにビタミンCの抗がん効果は、近年の実験で効果が証明されたわけだが、ポーリング博士のビタミンC投与と、メイヨークリニックの研究者の

ビタミンC投与とで、がん患者の延命効果に差があったのはなぜだろうか。


実は両者には、投与法に違いがあった。ポーリング博士は、点滴とサプリメントで、がん患者にビタミンCを投与したのに対し、メイヨークリニックの研究者はサプリメントでのみ投与した。


 つまり抗がん作用が得られたのは、点滴での投与だけだったわけだ。

では、点滴投与とサプリメント投与で何が違うのだろうか。


決定的な違いは、点滴では直接、血流にビタミンCが入り一気に血中のビタミンC濃度が高まること。

そして、その高濃度のビタミンCが短時間に全身に行き渡ることだ。実はビタミンCは酸化しやすい物質で、自らが酸化することで抗酸化作用をもたらしてくれる。


少し専門的になるが、自らが酸化する過程で発生させる過酸化水素が、

がんのような変異細胞を殺す働きをするのだ。


経口で摂取した場合、

ビタミンCが全身に行き渡る前に酸化してしまうため、同じ効果は得られない。

 このように、まるで抗がん剤のように働きながら、抗がん剤のような副作用がないことから、がん治療の現場で注目が高まった。がんを完全に治せる治療法ではないが、進行を遅らせて、患者を延命させる効果があるわけだ。


以上


ご参考まで。


免疫細胞療法成功日記クンより