では骨盤が歪んでいる人はどうなるのでしょうか?
骨盤とは1つの骨ではなく、厳密には腸骨、恥骨、坐骨、(場合によっては仙骨)などの複数の骨の集合体です。
これらの骨の配列が乱れてしまった状態こそが、骨盤が歪んでしまった状態です。
骨の位置関係が崩れているわけですから、当然、開閉動作もスムーズに行うことができません。
月経期では、骨盤が開くことで効率よく古い子宮内膜を排出することができません。
これでは子宮は過剰にプロスタグランジンを分泌させて収縮力によって、子宮内膜を排出するしかありません。
痛みを感じやすくする物質を大量発生するわけですから、生理痛がひどくなって当然ですね。
卵胞期や排卵期では、開いた骨盤を閉じることができません。
これは見た目上の問題が発生してきます。ヒップラインが垂れ下がってしまう状態ですね。
さらに、骨盤の開いた状態は骨盤周囲の血流不全を招きます。
骨盤が歪む→骨盤周囲の筋肉が緊張して硬くなる→骨盤周囲の血の巡りが悪くなると言う順序ですね。
骨盤周囲の血流が悪くなれば、当然、骨盤の中に存在する子宮の血流も悪くなります。
生理後半の痛みは、子宮やその周囲組織の血流不全が原因で起こっているケースもあります。
このように骨盤の歪みが、生理周期に伴う骨盤の開閉動作を阻害して、生理痛を引き起こすのです。
骨盤の歪みは、開閉動作の阻害以外にも生理痛の要因になります。
そもそも、子宮と言う組織の解剖を考えてみることが大切です。
子宮は子宮内靱帯や仙骨子宮靱帯といった組織によって骨盤に連結されています。
つまり子宮は靱帯によって骨盤に固定されているのです。
その骨盤が歪んでしまったらどうなるのでしょうか?
子宮内靱帯や仙骨子宮靱帯が子宮を引っ張ってしまい、子宮に機械的なストレスが加わります。
子宮が靱帯と言うロープに引っ張られているようなイメージですね。
生理中はプロスタグランジンの影響によって、ただでさえ痛みを感じやすいのに、追い打ちをかけるように靱帯が子宮を引っ張っていたどうでしょうか?
生理痛が悪化してしまうということは、想像にたやすいかと思います。
骨盤の歪みを整えることは、生理周期に応じた開閉動作を促す目的でも、子宮周囲の血流を保つ目的でも、子宮に加わるストレスを減らす目的でも有効と言えます。
