「右玉浪漫飛行」(その8)と将棋倶楽部24近況 | 将棋大好き雁木師の新将棋文化創造研究所

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「将棋大好き雁木師の将棋本探究」をリニューアルしたブログです。
主に将棋に関する詩などの作品紹介と、自分の将棋の近況報告を行います。

読者の皆様こんばんは。いつの日かNHK将棋フォーカスで「描く将」特集を組んでほしいと思っている雁木師でございます(NHKさん、ぜひともよろしくお願いいたします)。今日は前半は「右玉浪漫飛行」の8回目、後半は将棋倶楽部24の近況報告を行いたいと思います。長文となりますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

まずは「右玉浪漫飛行」から。今回もDJ.ミギタマとアオテツと一緒に進めていきたいと思います。2人についてはこちらから。

 

 

前回のおさらいをしたいという方は下記リブログ記事からご確認いただけます。

それでは「右玉浪漫飛行」の始まりです。

 

※なお、このストーリーに出てくる人物、出来事などは一部を除いて架空のものです。実際の人物などとは一切関係ありません。

DJ.ミギタマ(以下ミ)「DJ.ミギタマの右玉浪漫飛行~!!」

 

♪~(オープニングBGM)

ミ「将棋ファンのみんな、暑いけど元気かい?DJ.ミギタマだ」

アオテツ(以下ア)「こんばんは。アシスタントのアオテツです。よろしくお願いします」

ミ「アオちゃん、最近暑いけど対策は何かしてるの?」

ア「んー。梅干しを食べることでしょうか」

ミ「いいねー。どうやって食べてるの?」

ア「どうやってと言われても…。ただ普通に白いご飯に乗せて食べています。たまに種を取って潰して食べることもあります」

ミ「ミギタマも梅干しは食べるけどちょっと変わってるんだよなあ」

ア「どうやって食べてますか?」

ミ「うん。まず梅干しの種を取り除いて叩いてつぶす」

ア「ふむふむ」

ミ「で、コップにたたいた梅干しの実を入れて…」

ア「あ、食べるというより飲むんですか?」

ミ「そうそう、そこに砂糖をひとつまみ加えて…」

ア「ジュースにして飲むんですか?」

ミ「そうなんだよ。で、そこに無糖の炭酸水を入れて飲む」

ア「それ、おいしいんですか?」

ミ「うん、美味いよ。砂糖の量は好みで調整してもいいし」

ア「よく、赤紫蘇の液体をジュースにして飲むということはありますが…。まさか実をジュースにするとは」

ミ「みんなも試してみてほしいな」

ア「番組ではおすすめレシピを…って料理番組になるところでした」

ミ「おっとアオちゃん、脱線はここまでにして本題に行こうぜ!!」

 

 

第8回「角換わり右玉の戦い 対腰掛け銀編」

ミ「ところでアオちゃん、今日のテーマは?」

ア「はい。前回から続く角換わりにおける右玉の戦いをご紹介します。今回は対腰掛け銀の将棋です」

ミ「角換わり腰掛け銀は昔から指されている戦法とは聞くけど…」

ア「というわけで、早速今回のテーマとなる局面を見ていきましょう」

※先週の将棋倶楽部24の実戦から。持ち時間設定は「早指2」、後手番が私です。

ミ「先手の陣形は☗5八金型の腰掛け銀か。一時期はプロの研究テーマなんて言われていたけど最近はどうなの?」

ア「ミギタマさん、よくご存じですね。最近は☗4八金型が主流で☗2九飛車との組み合わせでバランスを保ちながら仕掛けのタイミングをうかがうのが一例。ちなみに最近の主流である『☗4八金+☗2九飛型』はもともとは後手番で流行した形だそうでして…」

ミ「そうなんだ。誰が流行らせたの?」

ア「『☗4八金+☗2九飛型』の後手番の形『☖6二金+☖8一飛型』は2016年あたりから流行したと言われています。きっかけは千田翔太七段で、NHK杯決勝戦で採用されたことで注目を集めました

ミ「ほうほう、チダンザ先生が流行らせたのか。あの先生はソフト研究ではトップランナーだよね」

ア「『☗4八金+☗2九飛型』自体は千田七段が採用される前から前例があったそうです。ただ、千田七段が再びこの戦型にスポットライトを浴びせた功績は大きく、2016年度の将棋大賞で千田七段に升田幸三賞が贈られました

ミ「たしかチダンザ先生は昨年度も升田幸三賞をもらってなかったかな?

ア「それは角換わりにおける『☖3三金型早繰り銀』という戦法ですね。今回取り上げる右玉とは大きく異なる戦い方になります」

ミ「角換わりは深いよなあ。さて、本題に戻ろうか。現在は☗5八金型は古いのかな?」

ア「プロ棋戦ではときどき手待ちの一環で☗5八金型は見かけますが、現在では『旧型』と呼ばれているのでミギタマさんが言うように古いと言えます」

ミ「で、今回は角換わり腰掛け銀『旧型』と右玉の戦いだけど…」

ア「ではここからの進行を見ていきましょう」

 

テーマ図以下の指し手

☗7九玉 ☖5四歩

☗8八玉 ☖4二銀

☗6八金右 ☖5三銀

 

(1図)

 

解説:本譜はテーマ図からお互いに玉形を固めあう変化に進行しましたが、テーマ図からの一手は広く、☗7九玉に代えて☗4七金、☗4八金、☗6九玉も候補に上がりました。☗4七金や☗4八金はストーリーでも触れた「☗4八金+☗2九飛型」にシフトチェンジする変化が一例。その場合、後手は☖5四銀と守りの銀を腰掛け銀として活用する変化があり、これも一局の将棋に進行します。

 

ミ「お互いにがっちり囲いあいか」

ア「先手は矢倉、後手は2枚の銀を守りに使う構想です。以前スペシャルでご紹介した北島忠雄七段の書籍によれば、後手の銀が2枚並ぶ形は右玉の好形とのことです」

※書籍の詳細は下記リンクをご参照ください。

ミ「だけど後手には気になる変化があるなあ」

ア「と言いますと?」

ミ「先手は囲いも十分だから1図から☗2四歩と踏み込んでみたい。確実に持ち駒に一歩が入るからね」

ア「では実際の進行はどうだったのでしょうか。ここで今回棋譜を送ってくださったラジオネーム『間に淡路』さんとお電話がつながっています」

ミ「Dの話では腰掛け銀が得意なリスナーさんと聞いているよ。『間に淡路』さん、ありがとうございます!!」

ア「もしもし…」

 

解説:1図からのソフトの最善手はDJ.ミギタマが示した☗2四歩。以下☖2四同歩☗同飛車で持ち駒に一歩を入手して追撃を狙う意図があります。

本譜は☗4五銀と腰掛け銀を繰り出して先手の一歩得が確定。後手はその瞬間に☖6五歩と仕掛けます。以下

☗6五同歩 ☖7五歩

☗5六銀 ☖7六歩

☗同銀 ☖3五歩

☗4五桂 ☖4四銀

と進行しました。

(2図)

ここで先手にチャンスが回ってきましたが、どこに手を付ける一着か。

ミ「地味にお互いの陣形が乱れてきてるね」

ア「『間に淡路』さん、本当にありがとうございました。『1図から☗2四歩は自然だけどそのあとの仕掛け方が分からなかった』というお話でしたね」

ミ「歩損が確定したタイミングで後手は仕掛けたけど…」

ア「攻め合いとなりましたが、ソフトは陣形の差で判断したのか先手有利との評価です」

ミ「後手の戦型は一歩間違えると破壊されそうだよね。☗6四歩とかで乱すことができれば先手攻めきれるかな」

ア「実はソフトの最善手もミギタマさんと同じく☗6四歩を示しています」

ミ「やっぱりここまで来たなら攻め切って勝ちたい。で、実戦は?」

ア「本譜は2図から☗6四歩ではなく☗3五歩でした」

ミ「一気に攻めずに歩をためたのか。でもここは踏み込んでもよかった気もするけど…」

ア「おそらく、踏み込んだ際に持ち歩がなくなることを恐れていったん歩を入手したのではないでしょうか」

ミ「アオちゃん、優しいね。まあ、歩切れが原因で負けたというのはよく聞くけど」

ア「では改めて2図からの進行を見ていきます」

 

2図以下の指し手

☗3五歩 ☖3七角

☗2九飛 ☖4六角成

☗2四歩 ☖同歩 

☗同飛 ☖3五馬

☗2九飛

 

(3図)

解説:本譜は☗3五歩に後手は☖3七角と角を放ってから馬を作ります。先手の☗2四歩は自然に見えるもソフトには緩手に見えたようで、代えて☗4七歩や☗4九飛と馬をいじめる手や☗7四歩と守りの桂頭にイヤミをつける手が有力手との評価でした。本譜は☗2四歩~☗2四同飛が結果的に☖3五馬の飛車アタリを誘い、やや先手の攻めは足踏みとなりました。

さて、3図の局面は後手に反撃のターンが回ったところ。どこから手をつけるのがいいでしょうか?

 

ミ「さっきの☗6四歩を見送ってから後手が盛り返した感があるな」

ア「手番を握って駒アタリの反撃ができましたからね」

ミ「で、後手は反撃したいというところだけど」

ア「☗6四歩が見えているだけに、攻めたいところでしょうか」

ミ「難しいけど☖5五歩で銀をいじめるのはダメなの?

ア「本譜はミギタマさんの言う通り☖5五歩と進行しました」

ミ「お、やっぱり銀取りが見えてるからこっちも銀取りを見せて反撃だな」

ア「しかし、この手はソフト曰く疑問手との評価です」

ミ「なんだってー!」

 

3図以下の指し手

☖5五歩 ☗6四歩

☖同銀 ☗6五歩

☖5六歩 ☗6四歩

☖5七歩成

(4図)

 

解説:3図からは☖4五銀と強引に4五の桂馬をはがすのが最善手でした。以下は☗6四歩☖同銀☗7四歩☖8六歩と攻めあうのが一例。下段飛車のラインが生きているうちに踏み込んでいきたいところです。

本譜も☖5五歩から攻め合いとなりました。後手はと金は作れたものの、先手には依然として☗7四歩の筋が見えており先手有利との評価。ただ、後手の金取りは一度受けるべきなのか否か…。

 

ミ「ちょっと後手の守りが寒くなってきたよ」

ア「守りの堅さでいえば、先手よしと言えますね。とはいえ、☖5七歩成は金アタリの一手。ミギタマさんならどう指しますか?」

ミ「さすがに金をはがされるのはキツイな。ここはいったん自陣に手を入れたい。☗7七金右とか」

ア「ミギタマさん、お見事ですね。ソフトも☗7七金右を推奨しています」

ミ「やっぱりと金攻めは遅くさせたい。で、実際は?」

ア「本譜は4図から☗7七金右ではなく☗5四角と王手しました」

ミ「ほうほう。そこからどうなった?」

ア「後手は☖6三歩と受けたタイミングで☗7七金右とかわしています」

ミ「一旦王手をかけてから金を守ったわけだね」

ア「ところがこのタイミングでの金上がりは形勢が逆転する一着で後手がよくなったとの評価です」

ミ「ええええええええええええ!?」

 

4図以下の指し手

☗5四角 ☖6三歩

☗7七金 ☖5三歩

☗2三飛成 ☖4二金

☗4三角成 ☖4五馬

☗6三歩成 ☖同金

☗2二龍

 

(5図)

 

解説:4図から5図に至る過程は形勢が激しく揺れ動く展開に。ストーリーで触れた手順からの☖5三歩は角を殺したかに見えて実は悪手。ここで☗8三銀が激痛の一着でしたが本譜は代えて☗2三飛成と先手がスパーク。しかしここで素直に☖2三同金と応じなかったのがまずく、☖4二金とかわしてしまったことで再び先手有利の評価で将棋は進行。

☖5三歩では代えて☖4五銀が正しい角の殺し方。以下は攻め駒を清算して後手よしの評価です。

 

さて、5図の局面は☗2二龍が金取りです。先手の4三の馬を取ると後手の負け。なので後手は4二の金をどう守るべきなのかということですが…。

ミ「おっと、なんかアクロバティックな展開になってきたぞ」

ア「応手を間違えると先手の勝ちになりそうですが」

ミ「問題は4二の金の守り方だけど…」

ア「ミギタマさんなら次の一手はどう指したいですか?」

ミ「うーん…。☖3三銀☖3三銀打か…。龍に当てて守りたい」

ア「D分析によればこの2択はどちらかが有力手、どちらかは悪手ということです」

ミ「へー、ある意味究極の2択かい」

ア「で、実戦はDによれば悪手を指してしまったということです」

ミ「実戦は悪手…ケチってミスしたのかな?じゃあ☖3三銀打を採用してみよう」

 

解説:本譜は☖3三銀とケチって指しましたが、これは悪手☖3三銀打が妥当でした。☖3三銀打はソフト評価は次善手。次は☗2一龍から飛車交換を迫るのが一例の攻めです。他にも☖3二歩、☖4一歩などが最善手の候補に上がりましたが、どの手も受け一方の変化が続く後手は苦戦の評価です。

さて、本譜の☖3三銀に対して以下

☗3三同馬 ☖同桂

☗4二龍 ☖6二歩

☗7四歩 ☖6四桂

☗7三歩成 ☖同金

と進行して6図の局面を迎えました。

局面の評価はやはり先手優勢。しかし、次の一手から形勢がもつれ始めます。

 

ミ「この局面から混沌となったというからには先手が何かマズい手を指したのか?」

ア「D分析では次の一手から評価値が逆転したようです」

ミ「でもせっかく先手は攻めているから、ここで決め手を放ちたいけど…」

ア「イヤミの銀取りを防ぐか、強引に馬を払いに行くかですが…」

ミ「☗4五龍☗6五銀のどちらかということかな?」

ア「『間に淡路』さんによれば、『次の一手を間違えて分からなくなった』とのことです」

ミ「ほうほう、じゃあ実際の進行を見ていこうか」

 

6図以下の指し手

☗6五銀 ☖7六歩

☗7四歩 ☖7七歩成

☗同金 ☖7四金

 

(7図)

 

解説:6図から先手は☗6五銀と銀取りをかわしました。しかしこの一手から形勢が後手よしに逆転。代えてストーリーでも触れた☗4五龍が最善手でした。本譜は先手が後手の馬を取らなかったことが最後の最後で響く形になりました。

その決着に至る前に7図の局面。いろんな駒が当たっていて悩ましい局面です。果たして最善手は?

 

ミ「まず、アタリの駒は取るべきかを考えたくなる」

ア「局面は終盤と言っていいでしょう。『終盤は駒の損得より速度』とは言いますが…」

ミ「着実に迫るなら☗7四銀か。安全策の☗4五龍もありそう…。しかしどちらも後手に技がかかりそうで怖い…」

ア「より早く攻める手はありそうですか?」

ミ「王手で迫るのが手っ取り速いが、犠打だから駒を渡すのがどうなのか…。まあ、渡すだけ渡して拠点の駒を払う手もあるけど」

ア「王手だと☗6一銀、☗8三銀、☗8三金などが考えられますね。D分析(ソフト)では局面の評価はやや後手よし。しかし、書籍なら『難解』と表記されるところでしょうか」

ミ「これは持ち時間は早指しだよね?短時間でこの局面を読み切るのはミギタマには難解だ」

ア「どうしますか?実際の局面を見てみましょうか?」

ミ「そうだね。放送時間もあるし、ここで見てみようか」

 

7図以下の指し手

☗7四同銀 ☖7六桂

☗同金 ☖7九角

☗9八玉 ☖8九馬

☗同玉 ☖8八金

 

まで102手で後手の勝ち

 

(投了図)

 

解説:先手は7図から☗7四銀と金を取って着実に迫ろうとしましたが、☖7六桂から鮮やかな詰み筋に入って後手の勝ちとなりました。☗7四銀と銀が上がったことで後手に☖7六桂を許した格好です。6図から7図に至るまでの過程で先手が後手の馬を払わなかったことで☖8九馬が入ったことも響く結果になりました。

7図からの候補手としては☗7三歩、☗7八金打、☗9八玉などが有力との評価。ただ、先手から見るとどの変化も一度守って耐えて反撃筋を待つ手順なので辛抱強く指し切るのは至難の業でしょうか。

 

ミ「ものすごいスリリングな将棋だったね」

ア「『間に淡路』さんも『相当悔しかった』と話されていて、Dに何度も局面の見解を求めてきたそうです」

ミ「確かに攻めきれなかったから悔いが残る将棋だと思う。『間に淡路』さん、改めてありがとうございました!!じゃあ、アオちゃん。このコーナーにいってみよう」

ア「はい。スリーポイントチェックのコーナーです」

 

ポイント①:理想形に組めても…

ミ「本譜は後手は理想形に組めたんだよね?」

ア「はい。2枚の銀が並ぶ右玉にとっては好形でした。しかし、☗2四歩や☗4五桂の余地を与えるデメリットもあります」

ミ「ただ、カウンター狙いならそこまで意識しなくてもいいと思うけどな」

ア「そこをうまく甘受できれば右玉も戦えるというところでしょうか」

 

ポイント②:危ない玉頭戦

ミ「しかし今回の将棋はスリリングだったね」

ア「その展開を誘発させた原因は1図から☗4五銀に対する☖6五歩でした」

ミ「よくよく考えたら右玉の弱点に自分から穴をあける仕掛けだよね」

ア「後手は玉と飛車が接近していますので、どうしても大砲に活を入れる場合は玉頭戦に持ち込まないといけないのかもしれません」

ミ「でもそのあとの変化もすごかったね」

ア「ではこれを踏まえて次のポイントに入りましょう」

 

ポイント③:迷う駒アタリの処置

ミ「しかし、これだけスリリングな展開が続いたのはなんでだろう?」

ア「考えられるとすれば駒アタリが続いたことでしょうか」

ミ「ああ。最終盤の局面はいろんな駒が当たりまくって分からなかったね」

ア「駒アタリの局面は駒を取るべきか、それともあえて取らないか、迷うところですよね」

ミ「結局のところどうなの?」

ア「局面にもよりますが、終盤では玉を詰ませる、もしくは受けなしに追い込むことを意識したほうがいいでしょう」

ミ「ということは取らないほうがいいのかな?」

ア「ミギタマさんも話していましたが、王手の犠打で取らせてから根元の攻めを払うという考えはあります」

ミ「難しいね。終盤の攻防は」

ア「まあ、終盤の呼吸は慣れるのが第一ですかね」

 

ーエンディング

ミ「というわけで、今日は角換わり腰掛け銀と右玉の戦いだったね」

ア「攻防が目まぐるしくかわる難解な将棋でした」

ミ「やっぱり玉頭戦は宿命なのかな?」

ア「やや右玉は手詰まり感が否めなかったのも事実です」

ミ「腰掛け銀は待機策もあるから、動けないときが怖いな」

ア「そういうときは千日手策を狙うのも一つかもしれません」

ミ「で、まだまだ続くんだよね。角換わり右玉の戦いは」

ア「はい。次回から『セカステ右玉』を取り上げてみたいと思います」

ミ「お、ついにスペシャルで話題になったあの右玉が登場するんだね」

ア「内容は2部構成を検討していますのでぜひ楽しみにお待ちください」

ミ「というわけで今日はここまで。お相手はDJ.ミギタマと」

ア「アシスタントのアオテツでした」

ミ「それじゃあみんな、また次回。お・や・す・み!!」

 

~♪(エンディングBGM)

 

以上で「右玉浪漫飛行」を終わります。続いて将棋倶楽部24の近況報告を行いたいと思います。ルール詳細はこちらから。

 

 

では報告に入ります。

 
総合成績:42勝38敗。勝率.525
現在レート:1,088点 最高レート:1,288点
手番別勝敗
手番別勝率:先手番勝率.463 後手番勝率.589
 
今月は勝ち越しでした。星の流れを見ると、先週は前半に5連敗2連勝。後半に2連勝と盛り返すも最後は3連勝3連敗と失速し負け越し。今週は、3連勝スタートから始まり、その後も2連勝を4度マークし、最後も4連勝で締めて大きく勝ち越しです。内容は、先週までは苦しい将棋が続き粘れるか否かの攻防に必死でした。今週も受けきって勝つ内容は相変わらずでしたが、粘り強く指すことができて流れに乗れた感じです。後手番が多かったことも自分にとってはプラスに働きました。では戦型別の勝敗です。
 
自分から見た戦型
相手から見た戦型
今月は居飛車は角換わり、振り飛車は三間飛車を多く指しました。最も多く指した三間飛車は三間飛車藤井システムを軸に戦っています。持久戦相手にはまずまずですが、急戦相手には少し苦戦が続いているのが現状です。全体成績は勝ち越しで終えました。
角換わりは右玉を軸に戦っています。先週は一気に増えましたが、今週は激減。自分から角交換はせず、相手の角交換に乗じて右玉を狙うという流れです。
今週急上昇したのは右玉。成績も今週だけで5勝をマークし復活模様です。振り飛車相手に勝てるようになったのが大きく、採用数を伸ばしたきっかけになりました。
 

相手から見た戦型は中飛車が多かったです。ゴキゲン中飛車をベースにした将棋を相手にすることが多いです。月の前半は苦戦しましたが、後半に盛り返し勝ち越し。基本は右玉での対抗ですが、後手ゴキゲン中飛車には懐かしの(?)丸山ワクチンを採用することもあります。

次いで多いのは四間飛車。こちらも成績は勝ち越しです。対抗策は急戦からの5筋位取り、持久戦なら左美濃、右玉など様々な戦型を用いています。

居飛車で最も多かったのは矢倉と角換わり。矢倉で多かったのは、急戦策。早囲いもありました。対抗策は相矢倉、右玉、雁木、左美濃などです。ただ、相矢倉は苦戦の状況が続いています。得意の土居矢倉が通じなくなったのが響いています。

角換わりは腰掛け銀の将棋が多く、私の右玉と相手の腰掛け銀という戦いが目立ちました。踏み込んでくる相手が多かった印象です。

 

今後は矢倉戦の勝ち星が増えてくればレートも上がるかなというところです。特に相矢倉の将棋は勝ててないので、土居矢倉狙い一辺倒からの脱却がカギを握ることになりそうです。

 
 
雑記帳⑧「入玉宣言法
先日行われたマイナビ女子オープンの一斉予選にて、入玉宣言法による勝利が話題を呼びました。
その対局は竹部さゆり女流四段と野原未蘭女流初段の対局で実現。将棋情報局のTwitterには終局の局面が掲載されています。

 

この「入玉宣言法」。実は当ブログでも、以前に触れていたことが判明しました。その記事はこちらです。

記事では野原女流初段のデビュー戦の将棋を取り上げさせていただきましたが、くしくもその将棋は相入玉の将棋で今回と同じく入玉宣言法を行使されるか否かという状況下だったのです。ただ、その将棋は中井女流六段が入玉宣言法を行使する前に野原女流初段が投了されたので実現には至りませんでした。

 

それから2年弱経って将棋界史上初とされる入玉宣言法での勝利が実現されるとは…。野原女流初段は今回の「歴史的」勝利について

 

「自分では確認しているつもりでしたが、これで負けたらどうしようと、心臓がバクバクしていました

 

と話しています。詳しくはこちらの記事をご参照ください。

 

 

また、今回の入玉宣言法について分かりやすく解説されている動画もございます。

前述の私の記事は文字で規定を明記しているだけなのでおそらく分かりづらいかと思います。より詳しく知りたい方にはおススメの動画ですのでご参考になればと思います。

 

さて、今回の入玉宣言法での勝利。ネットやSNSなどで様々な反響がありました。中には、相手の竹部女流四段に対して「どうして潔く投げなかったのか」と言った批判や、入玉宣言法そのものに対する賛否両方の声もありました。

私個人の意見としては、まず宣言されるまで投げなかった竹部女流四段についてはその執念自体は評価してほしいと思います。将棋においては勝ちを決めることも大事ですが、あきらめない姿勢も大事です。地球代表こと深浦康市九段や、軍曹こと永瀬拓矢王座の将棋が評価される理由については、粘り腰の強さにあります。あきらめない姿勢は簡単に折れない精神は大事と言えます。

現行の入玉宣言法においては、恥ずかしながら自分で紹介しておきながら実は中身はよく覚えていないのが実情でして…。まず、私の将棋においては相入玉自体はないわけではありませんが、数としてはそんなに多いとは言えません。プロ棋士の中でも、ルールが複雑すぎて覚えきれない方もいると聞きます。ただ、今回の件で言えることはレアケースなルールがきっかけで将棋を嫌いになってほしくないのが本音です。事実、入玉で勝つ方法が書かれている本があることもあります。

 

勝ちへの諦めない姿勢負けを潔く認める将棋の美学のはざまで揺れる棋士の姿。今回の入玉宣言法による決着のクローズアップは、プロ棋士の矜持とは何かを考えさせられる。そんな気がしてなりません。一将棋ファンとして、これからもプロ棋士の盤上の攻防はもちろん、その姿勢に尊敬の念を抱いて将棋を楽しみたいと思います。

 
 

さて、いろいろと話してきましたが今日はここまでとさせていただきます。本日も長文となりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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