<遊戯> | 眠れぬ夜に思うこと(人と命の根源をたずねて)

<遊戯>

もともと唯一にして無限である存在が、己の何たるかを知るため、存在の意味を知るために、有限にふるまうこの世界を創り出したのだと古の教えはいう。
その世界で人はエゴを携え、無限存在としての愛を有することで葛藤を余儀なくされた。
エゴとは生命の本質であり、他者との分離意識から派生する有限存在の特質である。
あらゆる苦しみ、悲しみは、全て有限なものを失うところから生じるのであり、エゴの産物である。
ならば、人がその本質において無限であるという真理を思い出すところから、それらは幻と消える定めにあるといえるだろう。
生きている限り、生命の本質であるエゴを消滅させることはできない。
これを抑制し得たとしても、閉じ込めた思いは形になろうと必ず現象世界に現れる。
なぜなら、思いは命であるからだ。
ならば、エゴは、それをあるがままに受け容れ、これをよく統べてはじめて幻と化すのではないだろうか。
世界は人の内面を映し出す鏡に過ぎず、全ては遊戯だからだ。
あらゆる相対性を超えたところに神が在るのかもしれない。