Days 35 | 櫻葉妄想Story〜陽だまりの中で〜

櫻葉妄想Story〜陽だまりの中で〜

大好きな櫻葉ちゃんのお名前でお話を書いています。
個人で楽しむために書き始めたものなので
苦手な方は御遠慮下さいませ。




〖 side:S〗





雅紀の背中を見ていたら、思わず抱きついていた。
あの頃の俺は、雅紀にこんな感情を持つなんて思っていなかった。
本当に大切な幼なじみだった。
あのコトがあるまでは…。





でも、あれから数年経って大人になってわかった。
雅紀のことを大切だと思っていた気持ちが何だったのか。





あの時、雅紀が俺の目の前から消えた時に絶望を感じた。
どうして俺に何も言ってくれなかったんだって悔しかった。
その気持ちはもしかしたら、俺は…俺だけは雅紀にとって特別な存在だったんじゃないかと思っていたからかもしれない。





腕の中で俺が好きだと雅紀が呟く。
その言葉が嬉しいのに、先を越された感に思わず声が漏れた。





「なぁんで言うんだよ…。」





俺って小さいヤツなんだな…。





「俺から言いたかったのに…。」





そう言って雅紀の身体を回して顔を見た。
何が起きてるんだろうって顔してる。
こんな時の顔って変わんないんだな。
雅紀の頬を両手で包み込んで…






「雅紀が好きだ、大好きだ。」





って、そのままキスした。





軽いキスは数秒で離れる。
離れた唇が寂しく思えた。
目を開けた雅紀が頬を赤くして俺を叩く。





「いきなりはっ…もぉーっ!!
はぁ〜、顔が熱い…あぁ〜っ。」





プッ…何だよ、可愛すぎるだろ。
熱くなった顔を手で仰ぎながらオロオロしてる。
我慢出来なくてクスクス笑ってしまった。





「なんで笑ってんの!!
もう早く上がってよね、翔ちゃん!」





どうしたらいいのかわからないって顔した雅紀が、買い物袋を持って部屋に入ってく。
その後ろからついて行く。
前にここに来た時は風邪ひいてたんだっけ。





キッチンに入った雅紀。
俺の顔を見ないようにしてるのがわかる。
そんな様子が可愛くて…
近づいて、後ろから腰に手を回した。





「わぁっ!!しょっ…もうっ…」





「ヤダ?」





ワーワー騒ぐ雅紀が、俺の声に黙った。
もう1回聞いてみる。





「なぁ、イヤ?」





首を横に振って…
俺の手に、雅紀の手が重なった。
雅紀の背中におでこをつけてもう一度伝えた。





「雅紀、お前が好きだ。
だから…嬉しい時、楽しい時は一緒に笑おう。
悲しい時、辛い時は俺がお前を抱きしめる。
これからは俺がお前を守っていくから。」





重なった手に力が入り、雅紀が何度も首を縦に動かした。
やっと前に進めた。
もう迷わない。
手を離して雅紀を抱きしめた。





「ちゃんと顔見せて…。」





目が合って…笑う雅紀。
きっと恥ずかしくて誤魔化そうとしてる。
俺は真剣な顔で見つめた。





「雅紀、これからもずっと一緒にいような。」





「翔ちゃん…大好き…ンッ…」





初めてちゃんとお互いの気持ちを確かめてするキス。
軽いキスじゃないキス。
開いた唇の中でお互いの気持ちが絡み合う。
頭の先まで痺れるような感覚。





唇が離れるまでどれくらいだったんだろう。
何度も繰り返したキス。
脚の力が抜けた雅紀を支えながらベランダに出た。





「翔ちゃん…」





「ん、何?」





「…ありがと。」





腕の中で擦り寄ってくる雅紀。
その肩を抱き寄せる。
俺たちはまだ始まったばかり。
ふたりで見上げた空には綺麗な月が輝いていた。






おしまい