甘い蜜毒 16

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「いやぁ、翔くん呼んでおいてよかったよ。潤くんって、翔くんが絡むとわんこの皮が剥がれるよね」

「わかってるんなら、そういうのやめてくださいよ」


苦笑まじりのツッコミを入れたのは潤本人だ…
もう着替えを終えた彼が何気なく俺の隣に来て
自分の方に引き寄せる……くすりと智さんが笑った…


「俺がわざとやってるの、潤くんも気づいてたでしょ」

「気づいてても平気なわけじゃないです」

「だからいいんじゃない。フォーブは野獣だからね。わんこをキープしたまま普通にカッコいい写真撮るんなら俺じゃなくてもいいし。翔くんのおかげでコンセプトにぴったりなのが撮れて良かったね」


ありがとね、と伸びてきた手に頭を撫でられそうに
なったら、グイと潤に抱き寄せられた…
目を瞬く俺の横で潤が智さんに向かってニッコリする


「すみません、まだわんこが剥げかけたままなんで」

「そうだね。無理やり剥いじゃってごめんね」


あはは、と智さんは朗らかに笑って俺の代わりに
潤の頭を撫でた……
子ども扱いにムッとするかと思いきや
潤はいつもの人なつこい笑みを返す…
俺にさえ手を出されなければ他はどうでもいいらしい


片付けを手伝っていたら、これから帰るという
潤が俺のところにやってきた


「近くのカフェで待ってるから、一緒に帰ろ」


片付けもあと少しだし、待たせても三十分くらいで
済みそうだけど、こんなのがその辺のカフェにいたら
女の子たちが放っておくわけない…


なまじ人当たりのいい美男を危機に晒したくない…
俺はマンションの鍵を取り出した


「うちに行ってて。何時になるかわかんないし」


いつかは手放さないといけないから、恋人扱いして
やらないくせに、こんな風に独占したがる自分が
恥ずかしいし、ひどいと思う…


何も知らない潤は気にしてないどころか
俺から鍵を預けられたというだけで
ニコニコ顔になっているけど…


潤を先に帰したあと、二十分もかからずに仕事を終えた
早く帰ったら喜ぶだろうなと思ってはいたけど
ドアを開けた順に満面の笑みで「おかえり」とハグされ
飼い主が帰ってきたら大喜びで飛びかかってくる
大型犬か、と笑ってしまう…


のしかかる体重によろめきながら背中を軽く叩いた


「重いって」

「ごめんね」

「口だけじゃなくて離れろよ」

「後で」


珍しく聞き分けのないことを言った潤は
本当に離れる気がないらしく、俺を腕に抱えたまま
リビングへと促す……
「歩きにくい」と文句をつけても「抱っこする?」
なんて返してくるからどうしようもない…


「なんか潤、今日はいつもよりベッタリじゃない?」

「うん、離れたくない気分だから」

「なんで?」

「昨日、同棲したいって言ったらバッサリ断られてさ……わかっててもやっぱりちょっと凹むんだよね。今日の撮影で追い討ちかけられた…」

「いや、だってあれはコンセプトに合わせるために智さんが……っ、むぐ」


いきなり大きな手で口を覆われて目を瞬く…
身体に回った腕の力がちょっと強くなった


「わかってるよ。でも、気分は良くない。だから今日はもう、あの人の名前なんか口にしないで」


拗ねたような声の響きにキュンとしてしまう…
頷くと手がはずれた…


「ヤキモチ妬きだな、潤は」

「そうだよ。僕、めちゃくちゃ翔さんのこと好きだから、色んなことにすぐに妬いて苦しくなる……今日のとか、本当に最悪だった…」


苦笑まじりでからかったら真剣に返した潤が
首筋に顔を埋めてきて、思わず慰めに回ってしまう…


「で、でもいい写真撮れたじゃん」

「わかってるよ…」


チラリと目を上げてこっちを見た潤は
複雑に拗ねた顔だ…
それが可愛くて、愛しくて、胸がギュッとなる…
髪を撫でてやると、すり、と首筋に甘えられた…



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「ねぇ翔さん……僕いま、すごいライフゲージ減ってるの……だから、今夜は甘やかしてくれる?」










長っ!ひさびさに長かった……
それも次回のため……



ってことで
お祭りやるよーデレデレデレデレデレデレ













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