第一、第三日曜日 および不定期で仏像を紹介しております
今回はこちら
仏像紹介 奈良県 興福寺 厨子入り弥勒菩薩半跏坐像 鎌倉時代 像高57.7cm 厨子高165.8cm
2013年に開催されていた、興福寺仏頭展の際に拝見いたしましたが、厨子含めて豪奢で大変美しい像でした
弥勒菩薩は釈迦の後継者として56億7千万年後にこの世にあらわれて、人々を苦しみから救うとされる菩薩です。弥勒信仰は、弥勒菩薩とともに兜率天(とそつてん)で56億7千万年間を過ごし、菩薩が如来となってこの世にあらわれる時に、ともに再生して救われようとするものです。この像は興福寺大乗院に安置されていたと言われています。像内には多数の印仏や摺仏が納められていました。厨子は春日厨子で、各面とも両開きの扉で、内面には菩薩や天、祖師が描かれていますが、厨子に弥勒菩薩像を納めることで、厨子に描かれた天たちが弥勒菩薩を囲んで話を聞いているように見えるという凝った造りになっています。
思い返せば拝見したのがかなり前ですので、今見てどう感じるか、というのを確かめたい気持ちになりました。
なお、こちらの仏様は興福寺で常時公開されております
コロナが落ち着いたら改めて足を運びたいものです。
気分転換に井波の街を歩き回ってみたのですが、やはりさすが彫刻の街、至る所に素晴らしい作品があります。
今回ご紹介するのはその時にお会いしたお像 仏像ではありませんが
神武天皇像 南砺市井波 招魂社 井波城跡
佐々成正に攻め落とされた井波城の跡地で、もとは二の丸跡。
現在は戦没者の霊魂を祭った招魂社となっています。
西洋彫刻的な像でしたがとても素晴らしく見とれてしまいました。社の看板やネットで調べてみても作者に関する記述がどこにもないので、どなたが作られたのかはよくわかりませんでした。
大きさは二メートルを超えるほどでしょうか。
人は全くおりませんでしたが、緑が深く、とても落ち着く良い場所でした
井波にお越しの際はぜひ回ってみてください。
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滋賀県 野洲市 蓮長寺 十一面観音菩薩立像 像高 166cm(8~10世紀ごろ)
一目でわかる通り、腰のひねり具合がすごい仏様です。
他のお像と比べてみてもこの通り
平安前期の制作とされています。平安前期は菅原道真が遣唐使を廃止し(894)国風文化の栄えた時代で、仏像彫刻も大陸の文化から離れ日本独自の仏の姿を模索した時期で、また一木の木彫像の流行した時代でもあります。
仏像が量産の形式を得る前のもので、ひとつひとつの像が力強く、エネルギーにあふれているのが時代としての特徴ですが、こちらの仏様もぐっと力強く腰をひねられており、当時の仏師のエネルギー、挑戦がうかがえます。
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今回は写真がなく、新聞記事からのご紹介になりますが
石川県金沢市 持明院 不動明王立像 (像高 156・5センチ)
なんとこちらの仏様 2022年2月18日に重要文化財に指定されたとのことです。
記事より抜粋
『榧(かや)材の一木造り。一木造りは、11世紀に寄せ木造りが大成される以前に仏像制作において主流の技法だったことなどから、9世紀後半~10世紀に造られたとみられる』
とのことです。この堂々とした立ち姿にふくよかな体、皺の具合も平安前期から中期の特徴が出ているように感じます。
写真が少ないので何とも言えませんが、台座・光背は形と色の具合から見て、古くても江戸時代のものではないでしょうか。
不動様は如来や菩薩などに比べると像容が個性的なものが多いのですが、そういう意味ではシンプルながらも基本になるようなお姿をされていると思います。せっかく近くにいるので、時間を見つけて拝観したいものです。
拝見できましたら、またこちらのブログでご報告いたします。
今回はここまで