今年見た珍しい終末技 | 体操っておもしろいよな

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少しでも体操に興味を持ってくれれば幸いです。

どうも、


翔です。


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終末技は演技全体の印象を決める着地という重大な要素を含むものです。


そのために、皆が皆より高い点数を狙うとなるとやる技は似てくるものです。


しかも、その前に9つの難しい技をやった最後にやる技ですから考え物ですよね。


そんな中で終末技に高難度の技や珍しい技をやってくる選手もいるわけです。


ということで、今回は今年見た珍しい終末技の数々をを紹介しようと思います。





まずはゆか


ゆかの場合は特別終末技というグループが存在しないので、宙返りグループの中からひとつ選択して最後に実施することで終末技の扱いになるのですが、


これを終末にやっちゃう!?という奇想天外な選手を紹介。


ゆかの終末技というとメジャーなものとして挙げられるのが後方3回ひねり、月面宙返り、ダイビングダブル、などD難度のものがほとんどです。


しかし、同じひねり技で終わる演技でも後方3回半ひねりで終わる演技を初めて見たのです!


E難度でしかも前方着地という難し技!


ほとんどの選手は演技の序盤に組み合わせ加点狙いで使いますが、彼は終末技で使ってしまうのです。


センス。








ゆかで珍しい終末技というとこの人も挙げてもいいんじゃないでしょうか。


白井健三選手です。


後方4回ひねり、F難度で演技を終える選手は世界でも白井選手ただ一人ではないでしょうか。


しかも伸身リジョンソンやとんでもない組み合わせ技をやった最後にやるF難度の4回ひねりですから、歴史的にも稀有な演技だと思います。


我々は白井選手の演技を見すぎて慣れてしまっているありますが、改めて考えてみるとすごいことです。





続いてつり輪。


今年から3回宙返りが格上げされたことはこのブログでも何度も触れているんですが、


日本のジュニア選手がつり輪で3回宙返りおりを実施しています。


まだまだ世界でも普及の兆しは見えないつり輪の3回宙返りですが、日本選手が実施しているというのは大きなことだと思います。


gymnastics newsホームページより


日本選手の動画探すの難しいんですよ。


だからこういうサイトがあるの本当ありがたいです。




つり輪の3回宙返りといえば今年発表された新技がありますね。


屈身の3回宙返り、H難度の「ウィッテンバーグ」です。





とんでもないですね。




次に鉄棒。


鉄棒の終末技というと真っ先に思いつくのがE難度の伸身の新月面でしょうか。


それを抱え込みでやってもD難度になるんです。


D難度で後方系なのに使う選手が少ない技として紹介します。


この技のひねり具合が好きですね。




もうひとつ思いつくのがD難度の伸身の月面宙返りでしょうか。


それをバーを越えながら同じ動きをする技もあります。


バーを越える終末技自体珍しくてカッコいいのですが、バーを越えなくても難度が変わらないところがやる選手が少ない要因ですね。





これを実施しているハンガリーのダビド・ベチェルニィの面白いところが、


彼は去年伸身新月面でおりていたんですよ。


それが今年になってバーを越えてきたんです。


もしかしたら新技開発を企んでいるのかもしれません。


勝手な予想です。



更に鉄棒でも3回宙返りがありましたね!


G難度の屈身3回宙返り「ファルダン」です!


こちらもドネル・ウィッテンバーグの実施





結局またドンさんがイカれてるっていう流れになっちゃいましたね。






最後に平行棒。


平行棒は以前に比べて結構多種多様になってきたというか、


前方でおりる選手が増えてきて種類も増えています。


その中でも特定の選手しかやっていない希少な技があります。



こちらは特に珍しい後方2回ひねりです。


平行棒の終末技でひねるのって難しいんですよね。


後方2回ひねりでD難度が取れるのは平行棒だけです。






後方系の技でいうと月面宙返りも実施する選手の少ない珍しい技ではあります。


難度は最高G難度で稼げる技ですね。その分難しいですがね。






そして「逆」の技とでも言いましょうか、月面宙返りが「後方」2回宙返り1回ひねりなのに対し、「前方」2回宙返り1回ひねりが新たに誕生しました。


「ラルデュエト」と名付けられたその技はキューバのマンリケ・ラルデュエト本人が2016年発表して以来誰にも実施されてこなかったんです。


それが、つい先日のメキシコ国際で復活しました!







後方の月面と前方の月面が同じ難度というのは珍しいですね。


これも平行棒の特性ですね。


ラルデュエトは年初に同じくG難度の前方屈身2回宙返りひねりも実施していたので本当に何でもできる選手なんですよね。




そして!!


F難度の前方の屈身2回宙返り!!その名も「ベルヤフスキー」!!!


ロシアのダビド・ベルヤフスキ-が2011年に発表してからずっとこの技を使っていたのですが、


2014年以降やらなくなってしまったんですよね・・・。


それが寂しくて寂しくて。


あの技で着地ピタァァァと決めるベルヤフスキーに惚れたんです。


もちろん同じF難度でもダブルハーフの方が着地を止めやすいのはわかってる。


実際技変えてからも良く着地が止まってるの。


でも僕はあの技でおりるベルヤフスキーが好きなの!


それが今年復活したんですよ!!!!


ロシア国内の試合でやってくれたんですよ!!!


あああぁぁロシアに住みたい!!!






ねぇ!!!!もう!!!!


まだやろうとしてる意志があるってだけで嬉しいじゃないですか!!


この技をやめて以来実施したのはこの大会だけだったのでね。


もしや今年からずっとやるのかと思っていた自分は期待しすぎましたね。


過度な期待はハイリスクハイリターンが伴います。


でも今後に向けて淡い期待が生まれたことだけが救いですね。


ヲタクは待つのには慣れてるんです。


いくらでも待ちますよ。