おはようございます。

今月初め、災害等の緊急時に国から地方自治体に必要な指示を行うことができる旨の規定を含む地方自治法改正案が国会に提出されました。

 

一部では「国と地方の対等な関係を損なう」等の批判もあるようですが、感染症流行時の一部の自治体のパフォーマンスや無責任なバラマキ等を見ると、個人的には地方に任せたままの現状の方がよほど不安です。

 

特に、災害でなくても西九州新幹線における佐賀県やリニアにおける静岡県など、国土全体の発展を考えることなく地域エゴを強弁する自治体はとても信頼できません。

 

今の自公政権も問題は多いですが、むしろ緊急時だけでなく国全体の政策を実現する目的でも国の強制力を伴う指示を認めるべきではないか、とも思う今日この頃です。

 

 

  1月1日(月曜日)
フランクフルト④・ミュンヘン①

 

 

さて、本題のドイツ周遊旅行記は4日目、2024年の元日の朝から再開します。

 

2024年最初の食事となったフランクフルトの東横インの無料朝食は、特に和の趣もなくヨーロッパのビジネスホテルによくあるラインナップ(写真2・3枚目)で、

 

 

色々な意味で王道の味をゆっくり味わいました。

 

 

 

そして、速やかにホテルをチェックアウトすると午前8時前にはすっかりお馴染みのICEに乗り、約3時間かけて、
 
ドイツ南部のバイエルン州の州都・ミュンヘンに向かいました。この際、フランクフルトを出た時には座席がほぼ埋まりますが、
 
 
 
その途中、アシャッフェンブルク、大司教のレジデンツで有名なヴュルツブルク、さらにバイエルン州第二の都市のニュルンベルクの計3駅に停車し、ニュルンベルクを出た時点で車内は随分空いてきました。
 
なお、この移動中に日本では能登半島地震が起きており、それを知ったのは同日の夜、ミュンヘンのホテルで休憩していた時と随分後になったなあと思います(苦笑)。
 
 
こうして日本を襲った地震を知ることなく、現地時間の午前11時過ぎには終点のミュンヘン中央駅に到着。
 
 
まずは駅前のホテルを訪れてスーツケースを預け、身軽になってから直ちにミュンヘンの市内散策を始めます。
 
ミュンヘンは、近代のドイツ統一以前も有力な領邦の1つだったバイエルンの都だけのことはあり、街の中心に向かって歩いていると、
 
特に観光名所ではない裁判所(写真1枚目:ミュンヘン上級地方裁判所、同2枚目:同地方裁判所)も国の最高裁判所のような荘厳さを持って佇む様子が窺えます。
 
 
 
そして、この裁判所も面し、多くのトラムや自動車が行き交う旧市街の入口というべき広場が、
 
このカールス・プラッツであり、その東には白亜のカールス門(写真2枚目)から扇状・シンメトリックに近代風の建物が並んでいました。
 
 
このカールス門の先は、旧市街の中心に向かって東に伸びる歩行者天国のノイハウザー通りであり、通り沿いには高級デパートのOberpollinger(写真2枚目)やレストラン、ブランドショップなどが軒を連ねます。
 
とはいえ、元旦のためお店はほとんど全てがお休みの閑散ムードだったことから、今回は元旦も入場観光可能な建物に絞って街を散策することにしました。
 
そして、元旦でも開いている代表的な場所といえば、人々の信仰の場である教会ということで、
 
 
まずは旧バイエルン王家のヴィッテルスバッハ家と所縁の深いミヒャエル教会を訪問。
 
白亜のファサードが他の建物と比べても際立って目を惹くこの教会は、中世以来のバイエルンの領主だったヴィッテルスバッハ家の菩提寺ともいうべき存在であり、
 
外観と同じく白亜を基調とした内部は、旧王家の菩提寺というのも納得の優雅さと豪華さといえます。
 
 
 
そして生憎、旧王家の人々が眠る地下墓地は休みで入れなかったものの、その豪華な佇まいを見て回り、
 
 
 
側廊沿いの小さなチャペルや壁面の装飾などから、下手な中小の独立国を上回るバイエルン王国(公国・選帝侯領)の繁栄の名残を強く感じた次第です。
 
 
 
そんなこの日最初の入場観光の後は、少々お腹が空いてきたのでカールス門の手前まで一度戻り、
 
 
個人旅行では定番のジャンクフードチェーン店巡りの第一弾としマクドナルドに入り、ランチにナゲットとポテトのセットをいただきました。
 
どうでもいいですが、こういったジャンクフードが食費を一番安く済ませられる現実は、現代の貧困層に肥満や成人病が多い原因の1つとして切実ですよね…(汗)。
 
 
 
こうしてジャンクな昼食を済ませたところで、次はノイハウザー通りからその先のカウフィンガー通りに入っていきますが、その際、建物の向こうに見えたネギ坊主のような1対の時計塔(写真1枚目左上)に少し方向転換すると、
 
そんなミュンヘンのシンボルとも言われる塔を擁する、15世紀創建フラウエン教会が眼前に広がります。
 
 
 
ちょうどこの時、教会内ではミサが行われていたため参拝は後回しにして、外観をぐるっと見て回ると、高さ約100mの塔と100mを超える長さの身廊を抱えるその巨大さを足で実感することができました。
 
 
 
続いては、フラウエン教会の建つ広場からカウフィンガー通りに戻り、やはりほとんど休みの通り沿いの店を眺めつつ東に向かうと、その先に広がるのは、
 
1867-1909年に建てられたネオゴシック様式新市庁舎が壮麗なマリエン広場です。
 
 
ドイツ国内最大の仕掛け時計「Glockenspiel」で有名なこの新市庁舎は、近代ミュンヘンを象徴する存在であり、ドイツ帝国の有力領邦だったバイエルン王国の政治的権力と財力をよく現わしています。
 
 
 
また、新市庁舎以外にも近代建築が広場に面して調和のとれたこの広場には、元旦のこの日にも多くの人々が訪れ、思い思いに記念写真を撮影していました。
 
 
そして、現役の市庁舎かつ元旦のため中央の塔を含め入場はできないものの、中庭に入ることはできたので、
 
 
そこからファサードとはまた異なった趣のある建物の装飾を堪能します。
 
 
まあ、中庭には変なライオン像とボトルのオブジェ(写真3枚目)という何とも微妙な存在が佇んでいたものの、案の定、記念撮影をする人は少なかったです(苦笑)。
 
 
続いては、マリエン広場の東側に目を向けると、新市庁舎と比べると小さめながら、より時代を感じる塔(写真中央)が見えますが、
 
 
こちらは旧市庁舎で、現在はその一部がおもちゃ博物館(写真3枚目)となっています。
 
 
 
ちなみに、時計塔の下にはロミオとジュリエットのジュリエット像(写真3枚目)が立っており、こちらはミュンヘンの姉妹都市であり、ロミオとジュリエットの舞台のイタリア・ヴェローナから送られた友好の証だそうです。
 
どうやら右胸を触るとご利益があるそうですが、この部分だけ剥げているのがやや卑猥に見える(同4枚目)のは、私だけではない気がします(汗)。
 
 
そんな邪なことを考えつつ、次に訪れたのは、
 
 
狭い路地(リンダーマルクト)の間だからか、やたら細長いファサードが目を惹くペーター教会です。
 
創建は13世紀とミュンヘンでは最古のこの教区教会は、やはり高さ91mの塔に上ることはできませんが、中世教会らしく外観は素朴ながら、
 
内部は上掲のミヒャエル教会に負けないほどに美しい白亜の装飾が施されており、中世教会の権威と財力をよく現わしているように思えました。
 
 
 
天井画(写真2枚目)や祭壇(同3枚目)、パイプオルガン(同4枚目)といった目立つポイントはもちろん、
 
 
 
説教壇(写真1枚目)、床の模様(同2枚目)に側廊沿いのチャペル(同3・4枚目)などの細かいところも十分過ぎるほどに装飾が施されており、
 
 
事前の期待よりずっと見どころの多い教区教会でした。
 
  
ペーター教会を出た後は、聖霊教会(写真2枚目)が建つ、ヴィクトアーリエンマルクト(野外市場)を訪れますが、店が全く営業していない市場は寂しいもので(汗)、
 
 
しばし広場をブラブラしてから、特段の印象もなく淡々と去っていくのもやむを得ないところです。
 
元旦でも街の建物の外観は楽しめますが、人の賑わいを感じられないのはやはり本来の魅力を損なう点で勿体なく、この野外市場も、翌日以降に訪れていたらまた印象が違うものになったのかもしれませんね。
 
 
 
そして、野外市場から新市庁舎まで戻ると、今度は近代の建物が並ぶ通りを北上して、
 
歴史あるバイエルン州立歌劇場(写真1枚目)と、かつての王家の宮殿「レジデンツ(同2枚目)」が面するマックス・ヨーゼフ広場に向かいます。
 
 
その名のとおり、バイエルンを選帝侯領から王国に昇格させた功績を持つ初代バイエルン王マクシミリアン1世の像(写真1枚目)が中央に建つこの広場は、マリエン広場と並ぶもう一つの旧市街の中心であり、
 
 
かつてはこのレジデンツ(写真2枚目)に、歴代の選帝侯・国王が住まいバイエルンの政治を司ってきました
 
なお、しつこいようですがこのレジデンツもやはり元旦は入場観光ができず(涙)、
 
 
 
無料開放している中庭をブラブラ歩く程度でしたが、こちらは外観は色・装飾とも落ち着いた雰囲気の一方、内部はバイエルンの権威と富を象徴する豪華さとのことなので、ぜひ次にミュンヘンを訪れる時は入場観光したいです。
 
 
なお、レジデンツの西側の入口には盾を持ったライオン像(写真2・3枚目)が複数並んでおり、この盾に触れると幸せが訪れると言われているそうで、上述のジュリエット像と同じく盾の下の一部の塗装が剥げていました
 
まあ、ジュリエット像の胸と比べると何の気兼ねもなく触れると思うのは私だけでしょうか。
 
さて、この後も夜まで続くミュンヘン市内散策は、次回に取り上げさせていただきます。
ではでは。