【Day80 2025.11.22 ベレス・マラガ滞在】の続き
(1)から読んでね
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不意にベゴに、うちの後はどうするの？と聞かれた。
本当はビザの期限ギリギリまでいようと思ったんだけどいろいろ前倒ししちゃったから、もう帰ろうかと思っているの。
バレンシアかタリファに行くことも考えたんだけど。
バレンシアは遠いね。マドリッドまで戻んなきゃいけないから。
タリファは...
そう言ってカーシェアで相乗りできるかどうかを調べてくれた。
そんなに高くもなくいけるよ。
本当に行きたいならあとでもう少しちゃんと調べるね。
ありがとう。
でも、なんかもう満足してるの。
あとは航空券しだいかな。
ところでなんでバレンシアとタリファなの？
グラナダとか行けばいいのに。
行きやすいし、美しいわよ。
うーん。もう美しいものは充分見たから。
バレンシアはカミーノ友だちがいるからで、タリファはパウロコエーリヨのアルケミストに出てくるでしょ？
あの本が好きなの。
昔読んだけど、タリファなんて出てきたっけ？
そんな話をしながらベゴの家に帰った。
海の上、雲ひとつない空には細い三日月が浮かんでいた。
家に着くとシャワーを済ませ、軽い夕食を取りながらまたいろんな話をした。
そうだ、それでどうするか決めた？
ちょっと待ってね、タリファについて調べるから。
バスで行ってもそんなに難しくないね。
え？そうなの。
それなら行ってもいいかなー。
カーシェアが不安だった私はそう言った。
調べてみると安宿もありそうだ。
待って、その前に帰国便を決めなきゃ。
次の木曜くらいが狙い目と思っていた航空券はすでに跳ね上がっていて、お目当ての値段で買える航空券は一番早くても日曜だった。
日曜かあ。
ベゴのところとマラガでは持て余してしまう。
私は取り急ぎ日曜の航空券を取った。
そして続けて３泊分のタリファの宿を確保した。
今更なぜ、新しい町に行くのか。
それは自分でもわからない。
しかしこれで旅の終わりも決まったのだ。
11月30日、私はスペインを去ることを決めた。