【Day60 2025.11.2 アストゥリアノス→ レケホ 27km】の続き
(1)から読んでね!
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夜、改めてレストランに食事に行った際、私は今日の道の選択の話をした。
“舗装路でショートカットしようか迷ったの。
もちろん、足が痛いとか、大雨とか、そう言う状況なら仕方がないけど。
でもいいお天気で、時間もある、足の調子も悪くはない。
それなのになぜ、私は急いで行こうとしているんだろう?って。
だったらやらなければいい。
私たちは巡礼者でしょ?
だったらカミーノを歩かなくちゃって思ったの。”
私のめちゃくちゃな英語をジョンは一生懸命聞いて、“分かるよ”と言ってくれた。
一見、何も考えていなさそうな明るい人柄のジョンだが、相手が何を考えているかをきちんと知ろうとする、この人のその姿勢が好きだ。
それは、言語化云々の前にどんな人もリスペクトしているからできることであろう。
ところで、どこからガリシア地方に入るの?
そう聞いた私に、
うーん、どこだろう、、、?
と二人が調べてくれた。
するとジョンは明日から、カーリーンと私は明後日からガリシア地方に入るではないか。
いよいよカスティーリャ・イ・リオンも終わって、最後の地域、ガリシアに入るのだ。
寒い寒いと繰り返す私に、カーリーンは言う。
スペインだけじゃなくてね、フランスもドイツもオランダも、とにかく11月は最悪よ。
雨が多くて寒くて寂しくて。
12月はクリスマスとか楽しい雰囲気だけど、11月のヨーロッパはとにかく最悪なの。
まったく、何だってそんな時期に歩くことになってしまったのか。
しかしだからこそ味わえるものがあるのだと信じたい。
広いアルベルゲには今日も3人だった。
寒い寒いとブランケットを何枚も使う私をジョンが笑う。
明日のアルベルゲは一人かもしれない。
そう思うと、二人の寝息が愛おしく感じた。
また明日からは、違う歩きが始まるだろう。