【Day24 Camino de Santiago】2025.9.27 味わう | ちびタンクのひとりごと

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大好きな旅のこと、心理学・スピリチュアル・ヨーガのこと、日々の気づきなどをつぶやいています♪

【Day24 メデジン→ トレフレスネダ  17km】


久しぶりのホステルは、白を基調とした屋根裏の可愛らしい部屋だった。

最上階の6階まで階段で登るのはキツかったが、ワンフロア左右で二戸の客室は中央にテラスが備えていて、部屋にはそのテラスに向かって小さな小窓が付いている。

夜、テラスにで見るとライトアップされた橋と河辺のバーで楽しむ人々が見えた。

美しい夜景とふかふかのベット。

居心地のよい幸せな一晩を過ごした。


朝7時。

今日泊まる町でマルセルとベゴに合流する。

目覚めに、ベゴに何時に出発するのか確認のメッセージを入れた。

寝ぼけまなこで携帯の音楽を再生すると、テイラー・スイフトのシェイク・イット・オフ、次にマーロンファイブのサンデーモーニングがかかり、ノリノリで支度に取り掛かる。

が、次にかかったのは踊るぽんぽこりんで、思わずずっこける。

一体、私のプレイリストはどうなっているんだ。


今日も足の様子見で17km程度の歩き。

朝8時に出発した。

歩き出し当初から、脚の付け根から膝にかけて痛みが走る。

特に右の方が痛い。

歩けないことはないのだが、時々、力が入らないような感覚もある。

本当に力が抜けてしまったら転んでしまうのではないかと、一歩一歩が丁寧になる。

無論、今までのペースでは歩けない。


平坦でわかりやすい17km程度の道。

今までであれば一回も休憩を取らずに歩くことができた。

それが1時間もしないうちにどこか休めるところはないかと探してしまう。


今まで、踵の痛みや疲労による辛さは経験があったが、膝の痛みは今回が初めてだった。

いつもは一晩寝れば70%は回復し、少なくとも歩き出しから痛みを覚えるなんてことはなかったため、対処方法がわからない。

これまで膝の痛みでびっこを引くように歩く欧米人を見てきたが、こういう症状だったのかと初めて自覚する。


原因はわからない。

荷物の重さか、ストックの使い方が悪いのか、ストレッチが足りないのか。

なにしろ初めてなのだ。


明日はメリダまで25km歩かなければいけない。

17kmでこれでは不安しかない。


カミーノではその人に必要なことが起こると言う。

10年前歩いたときも、体調を崩したり怪我をしたり、あるいは思わぬトラブルに遭遇し、予定を変更せざるを得なくなる巡礼者を目の当たりにした。

しかし、そのおかげで出会う人や出会う出来事があるのだ。

中には帰ってしまう人さえいた。

それはそれで、必要なことなのだろう。


私がサンティアゴまで歩くことを曲げることは決してない。

なんていうか、それは決まっていることなのだ。

それでも、できれば気持ちよく歩きたい。


ああ、神様。

ゆっくり進めと言うならその通りにしますから、どうか最後まで歩かせてください。


そうお願いすると、

“終わらないでほしいと願ったのはあなたでしょ?“

と浮かんできた。


ああ、これだから気安くお願いなんてするもんじゃない。


ゆっくり、味わいなさいと言われている気がする。

昨日、城を見に行けたのは、時間と体力に余裕はあったからだ。

元気だったらギリギリの距離を攻めてしまい、到底、そんな余裕はなかったに違いない。

そもそも、あの町に泊まることさえなかったはずだ。


全ては起こるべくして起きているのだ。

何も案ずることはない。


今日は気を紛らわせるため、歩きながらも音楽をかけて大声で歌って歩いた。

マルセルとベゴとも合流し、楽しい1日が待っている。


明日にはメリダに着く。

そしたら休養日を設け、のんびり過ごそう。

また二人と別れてしまうのは寂しいが、ゆっくり、味わって進みなさいと言われているのだ。


マラガを出発してから、街の様子は白壁にオレンジレンガの屋根一択だったのが、いつの間にか石造りの壁も有するようになってきた。

ベゴによれば、この辺りからカセレスの先までは、エストレマデューラという地域で、1900年代の国の政策で同じ街並みが続くそうだ。


いつに間にかアンダルシアを通り過ぎていた。

中央の広場を囲うように教会があって、役所があって、バルがある。

それだけだとベゴは言う。

そう聞くと、なんだかもの悲しい街並みに思えた。

明日はこの旅で初めての雨だそうだ。

まだまだ味わうべきものがたくさんある。

行き急ぐ必要はない。

味わいなさい、そう言われている。



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