中国総評とか、食レポもあげたいところですが(^^;;、
取り敢えずインドに入ります~。
タイトルの「深夜特急」は、大好きな沢木耕太郎氏の著書から敢えてパクりました!
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中国の成都からマレーシアのクアラルンプールを経由し、南インドの西側の主要都市、コーチンに到着したのは、5月2日の23時だった。
空港内で夜を明かすか、市内へ行って一泊するかを考えつつも、まずは空港にいる内にと、インターネットを繋いだ。
大抵の空港には無料のインターネットサービスがある。
ここコーチンでは20分間の無料サービスが利用できた。
SNS関連をチェックしていくと、Facebookで知人から連絡が入っていた。
「5/6から2、3日、仕事でスリランカに行きます。」
すかさずメッセージを返す。
「私も今、南インドのコーチンについたところです。では、私もスリランカを目指しますね。会えたらいいですね。」
すると直ぐに返信があった。
「しずちゃん、5/4がvesakだから、出来たらその日にスリランカに入ったら?
私もその日に入りたくて頑張ったのですが、入れそうにないので!
ブッダを感じてね♡」
vesakが何か分からなかったが、宗教的に大切な日で、お祭りか何かあるのだろう。
5月4日。。。
あと2日。。。
返信を考えているうちに、20分の無料時間が終わってしまった。
さて、どうしたものか?
スリランカは、その知人が行くかもしれないと聞いていたので、
時期が合えば行きたいと思っていた。
しかし、悩ましいのは行き方だ。
公けの情報では空路しかないと出ており、私もそのつもりでいた。
だが、成都の宿で出会い、空港までタクシーを相乗りした世界一周中の日本人の夫妻が、こんなことを言っていたのだ。
「インドからスリランカ、船で行けるって噂もあるんですよね~。あんなに近いんだから、地元の人が船で行ってないって事はないでしょうしね。」
確かに。
地図を見ると、南インドの先端の東側とスリランカは、目と鼻の先なのだ。
船であれば、飛行機よりは安いだろう。空港へ行き来するタクシー代も浮かせられる。
できれば船で行きたいのが本音だ。
しかし、どこから出航しているのか全くの謎である。
ネットが繋がれば、もう少し情報を得れたかもしれないのに。
無駄に時間を過ごしてしまったことを悔やむ。
。。。
空路であれば、ここコーチンか、東側のチェンマイ(マドラス)から飛べるだろう。。。
チェンマイまでは結構な距離がある。
確実なのは、ここコーチンで一泊し、明日、航空券を抑えて、明後日スリランカ入りする案だ。
。。。
だけど、
なにかが、
違う気がする。
面白く、ない。
地図を開く。
スリランカと一番近い街は?
「ラーメシュワラム」だ。
かなり小さな街のよう。
そして近いのはスリランカ上部で、首都コロンボまでは距離がある。
港は、近ければいいという訳ではないだろう。
海流の関係や、どことどこを結ぶかも大切な筈だ。
周辺都市から出ている可能性も十分にありうる。
直接このラーメシュワラムに向かうのは危険だろう。
とすると?
コーチンから東に向かって内陸部の都市、マデュライが目に留まる。
ここで情報を得るのは?
大きな街で各方面にバスが出ているようだ。
港の情報があればその街に行き、ダメならチェンマイを目指せばいい。
目指す都市はマデュライ。
決定だ。
いつ?
インドのバスは24時間運行している。
今から動けば、3日の朝にはつけるだろう。
そこから上手くすれば、4日にスリランカに入れるかも知れない。。。
しかし、長時間のフライトで疲れも出ているし、深夜の移動は危険を伴う。
それに、どうしても4日にスリランカに着かなければいけない理由もない。
どうする?
空港で一泊か、、、
コーチン市内で一泊か、、、
マデュライに向かうバスで一泊か、、、
ベストはどれ?
3択を繰り返す。
だが、答えは既に出ている事を、
自分でもわかっていた。
あとは行動に移すだけ。
そう、必要なのは勇気だけ。
時計を見ると日にちが変わり、30分が経過していた。
"行きますか"
自分に声をかけ、プリペイドタクシーのカウンターに向かった。
受付のお兄さんが面倒くさそうに私を迎える。
"インドだなあ"と苦笑しながらも、こちらは敢えて元気に話し掛ける。
「あの、
今からマデュライに行くにはどうすればいいですか?」
これでいい。
これが私の旅なのだ。
END