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やっと成田への飛行を始めた機内の中でも、
私の心は相変わらずに晴れずにいた。
不安で不安で、仕方がなかった。
日本に帰っても、何もなくなっているのではなないか、
なんて悪い想像はさらに悪い想像を産み、
思考はまさに負のスパイラルに陥っていた。
まるで底なし沼にはまったような、
蟻地獄の砂に足を取られたような、
地が足に着かない、そんな心持から抜け出せない。
頭を整理するため、メモを取る。
今の感情は?
・・・辛い、苦しい、悲しい、自己嫌悪、不安
意図的にプラスの言葉をかけようとするが、
胸の奥、不安定な足元から湧いてくる重くて暗いもやに包まれ、
前向きな言葉はすぐに打ち消される。
自分を責めた。
なぜこんなことが起こったのか?
なぜ信じたのか?
なぜ?なぜ?なぜ?
そう、私は自分を責めている・・・。
信じて、裏切られて。
良いことも悪いことも、振り返りすぎて自分を傷つけている。
もう、十分に傷ついている。
だから、これ以上傷つけられたくない。
お願い、誰も私を傷つけないで!
そう!私自身も!
私は、そんなに悪い子じゃないよ。
いい子だよ。
バカだけど、すごいすごい、いい子だよ。
だから、これ以上、自分を傷つけるのは止めなさい。
私を守のは、わたししかいないんだから。
”なぜ”なんて、わからなくていい。
いつかわかるかもしれないし、わからないかもしれない。
理由なんて求めなくていい。
大丈夫、あなたはあなたのままでいいんだよ。
そんな風に、自分を傷つけなくていいんだよ。
私へ。
私を許してあげて。
もう十分傷ついてから。
自分を裁くのは終わりにしよう。
その痛みはもう十分学んだから。
Yさん、
やっと一つの納得のいく答えが出ました。
もちろん、きっとまだ、振り返って自分を責める時が来ると思う。
でも、最も深い痛みは抜けた気がします。
神様は、私に必要な時間を与えてくれました。感謝します。
私は、また一つ強くなれた気がします。
まだ怖くて、また旅に出たいと思うかどうか、わかりません。
でもやはり、旅はすごいと思いました。
日本でお会い出来るのを、楽しみにしています。
飛行機はやっと、
成田への着陸態勢に入っていた。
---つづく---