奈良 その1 | 裸足のピアニスト・下山静香のブログ

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オモテの顔はクラシックピアノ弾き。

音楽・芸術を軸に、気になること好きなことを徒然なるままに。

もはや10日以上経ってしまいましたが・・・
5日~8日奈良滞在のご報告です。

 

4日に「ラテンアメリカに魅せられて」公演を終え、翌日に奈良入り。
外では人混みにもまれ家ではパソコン仕事に縛られる、東京での生活から離れられるだけでもとても嬉しいのですが、なんといっても奈良は特別、時間の流れが違う。京都で仕事があるときはできるだけ時間を作って奈良に行くことにしていて、心身ともに調律するのですが、さらに今回は名刹薬師寺での奉納公演をさせていただくということで、特別な心持で向かいました。

 

8日の本番までは、新品のピアノを起こすために毎夕音出し。6日は早朝6時に薬師寺に入らせていただき、調律作業に同伴いたしました。

昇ってくる朝陽を身体で受けていると、なにかを考えるというより自然に瞑想の境地になります。
 

日の出直前の薬師寺・西塔


 

昼間の空き時間は奈良から動かずに、静かに心を整えておりました。

 

大学を卒業したばかりの頃、京都フランス音楽アカデミーに毎春参加していたのですが、フランス人の先生にレッスンを受けて、思い通りに演奏できない自分に落ち込むとひとりで奈良に行って、お寺を訪ねてはじっとたたずんでいたりしたものです。

そんなお寺のひとつが、法隆寺。中学生時代から飛鳥時代大好き、聖徳太子のファン(というとなんだか軽い響きですが^^;)だった私にとって、斑鳩は胸躍る地。
法隆寺は、あの頃まだ世界遺産になっておらず、世界最古の木造建築(という定説)としてとても有名なのにほとんど人がいなくて驚いたのですが、今回久しぶりに訪ねたら、今度は、世界遺産!という自信に満ちた立派な雰囲気になっていて驚くことになりました。やはり、人の気が集まると、場の気も変わっていくのでしょうか。
 


宝物殿で最初に展示されていた文殊菩薩をみた瞬間、身体の細胞が反応する感覚、目頭が熱くなりました。その後もじっくり鑑賞・・・

気づいたら法隆寺だけで3時間を費やしており、その後、お隣の中宮寺へ、さらに近くにある藤ノ木古墳まで。
 


ちょうど四国あたりを台風が通っているときで、奈良はものすごい暑さ。(古墳の向こう側の空、台風を感じさせますね)
ひざ丈のワンピースだったためひざから下は真っ赤、髪をまとめていたので出ていた首も焼けてしまいましたが・・・

とにかくとても豊かな半日となりました。

 

御奉納前日の7日は、リハーサルに集中。

そして8日の天武忌を迎えました。

 

当日は、火渉三昧(火渉り式)、野点席、聞香席などいろいろな催しが。平山郁夫画伯の「大唐西域壁画」が玄奘三蔵院伽藍で公開中でしたので、初めて鑑賞。平山画伯によるちょっとした仕掛けをご説明いただき、なるほど~!と胸の中でひそかに盛り上がっておりました。
西塔初層内陣の釈迦四相像(彫刻家・中村晋也氏の作)も特別公開中で、こちらもすごかった。
東塔はいま大規模修復中で、2020年に公開となります。待ち遠しい。

 

さて、夜はいよいよご奉納。
そのご報告はまた次回に。

(明日の朝日カルチャーセンターでのレクチャーコンサートの準備をいたします!)