今回は以下の記事の続編です。
というのは、「自然言語解析」関連の業務に従事していた時、
AIに学習させるために、「文法」や「言葉の概念」を教えていた時の
疑問と最近のAIについての雑感です。
少し、繰り返しになりますが、
人が話す言語(自然言語)をコンピュータに理解させようと、
大学の研究者の方々と仕事をしていたのですが、
彼らの隠れた目論見として、
「人の脳をコンピュータで表現してみたい」
正確に言えば、
「人の脳を正確に表現してみたい」
というものが出すぎており、
当時の哲学・言語学・脳科学を総動員して、
言語の概念構成・意味論の基礎となる文法・言語の背後にある(コンテキスト)
等をコンピュータ内で、
データ構造・意味から見た関連性・応用のための文法というルール
として、表そうと努力しました。
ただ、当時(今もそうだと思いますが)、僕は「異端児」でしたので、
上記のアプローチはなんかおかしいと言い続けました。
その根拠は、幼児が言葉を獲得するとき、
親は個別の言葉の意味を国語辞典で教えることはないし、
まして、幼児に日本語文法を教えません。
幼児の言語学習状況
(出典:写真素材:子供と遊ぶ保育士)
さらに、上記のアプローチは、
日本における「英語学習」と同じアプローチで、
その実績として、「日本人の英語能力は低い」という
事からしても、おかしい!!
上記より、
とにかく多くの正しい文書をコンピュータに与えて、
コンピュータが自分で、言語を理解していくべきだ
と考えていましたが、
「コンピュータが自分で、言語を理解していく」
今でいう「機械学習」とは何かというのが1990年~2000年頃には
きちんと定義することができなかったので、
他の多くの方に、そういうけど、
「多くの文書をコンピュータに与える」ってどういう意味?
「コンピュータが自分で、言語を理解していく」ってどういう意味?
と言われ、「それを研究すべきだ」という僕の思いは
と一蹴されました。
当時から数十年して、今は
「機械学習」全盛期で、
とにかく多くの正しいデータをコンピュータに与えて、
コンピュータが自分で、データを理解していくべきだ
ということが当たり前
になり、僕はうれしいです。
一方で、
ある程度、正しい学習を終えたAI脳に
言語の意味を問う
言語概念を問う
文法を問う
などをして、
AI脳を通じて、人の脳内の言語理解法を
理解できれば、過去の苦しい仕事が役に立つんだがなぁ!
と思っています。