1月30日に下町ボブスレーの書籍第3弾が発売されます。
NHKで放送されたプロジェクトXの書籍化にあたって多くの作品を執筆された
ノンフィクションライターの伴田薫さんによる本です。
プロフィールによると、これまで人物をテーマにした取材・執筆活動をされてきたとのこと。
この本ではなんと・・・
プロジェクトにかかわった80人以上の方々にインタビュー取材をしていただきました。
イベント会場などの声を合わせると100人以上。
プロジェクト誕生から最新動向までを網羅し
プロジェクトや周辺の動きを丹念におった
「下町ボブスレー」ドキュメントの決定版です!!
著者の伴田さんは
「取材を受けてくれた方々に力を貸してもらい100人力で押してもらった。」
「登場人物には血が通っている。」
「本の中でそれぞれの人柄を出したかった。」
と語り、まさに人間的な温かさをもった内容の本になっている。
本の帯のコピーにも書かれていますが
このプロジェクトの人と人との巡りあわせや縁
そこから生まれた小さな奇跡の数々は
偶然とは思えない不思議なつながりです。
「人と人との出会いが人を成長させる。」という細貝委員長の言葉通りに
人と人との輪が広がっていくリアルストーリーが書かれています。
何が起こるかわからない。
何かを起こすに違いない。
それが「下町ボブスレー」の魅力
(著者・伴田氏「あとがき」)
※ちなみに本の装丁は下町ボブスレープロジェクト全般のグラフィックデザインを担当していただいている
NPOクリエーター支援機構の臼田さんが手がけているそうです。
背表紙には目次。
プロローグ
第一章 模索~なぜ日本選手は外車に乗っているのか?
総理大臣のボブピース/なぜ日本選手は外車に乗っているのか?
落とされた理由/いまだ超えられぬ札幌の成績/役所の外との関係をつくれ
大田区のニューウェーブ/説得の熱意と承諾の条件/この企画書では無理だ
ボブスレー開発を知る男/本場のそり競技を熟知する男
四つのオリンピックを経験した男
第二章 始動~勝つための設計図
暗中模索のキックオフ/リスクを背負う覚悟/ようやく見えた挑戦のかたち
摩擦学のノウハウ/空力で差をつける/〇.五秒のアドバンテージ
夢が「公約」になった日/勝つための設計図
第三章 制作~いい仕事をして、勝利をつかもうぜ
無償で協力してください/広がり始めたネットワーク/つながらないチーム
図面を持ち帰らなかった人たち/いい仕事をして、勝利をつかもうぜ
町工場の泣きどころ/まるで、手をつなぐように・・・/下町ボブスレー初公開
第四章 滑走~氷上のボブピース
パイロットは小杉!?/衝撃のシェイクダウン/一秒縮めた秘密兵器
叩き出したチームベストタイム/下町ボブスレーに懸けたラストラン
リミット一ニ時間の突貫工事/歴史は三○年前から始まっていた
歓喜に秘められた悔しさ
第五章 選手~速いそりをつくるだけでは勝てない
性能評価は「未完成品」/大晦日の直談判/FIBT会長の視察
海を渡るための準備/一年後の戦いの場・ソチ/試練の国際試合デビュー
ものづくりだけでは勝てない
第六章 結束~広がる応援の輪
ボブちゃん、おおたちゃん、コスギさん/日本からの挑戦状
心の距離を埋める/決起大会/地上に降りたボブスレー
応援の気持ちを込めた商品/ボブスレーは生き物だ
夏休みのロングラン特別展/「困っているのはあんたたちでしょ」
『下町ボブスレー合同会社』設立/「JAPAN」の冠
第七章 悲願~終わりなき挑戦
「あと半歩」のために/2・3号機、製作開始/代表候補たちの明暗
難航する部品製作/結束の日/職人技を見せてみろ/トレードオフの産物
オールジャパンの"切り札"/夢を創る仕事/教科書にはない美学
一か月間のただ働き/職人の勘/五ナノメートル=〇・〇〇〇〇〇五ミリの技
2号機、世界へ/閉ざされた道/世界へ、終わりなき挑戦
エピローグ
あとがき
著者の伴田さんは
「プロジェクトの最初の印象は私自身プロジェクトXで開発系の執筆をしていたので、町工場がソリを作って、小さな力が大きな力になっていくというイメージをもっていました。」
とプロジェクへトのファーストインプレッションを語る。
「ただ、、、最初は小杉さんや細貝さんなど数人に話を聞けば本をかけると思っていましたが、4人目に取材したナイトペイジャーの横田信一郎さんとお会いしたときに『下町ボブスレーは単にものを作って終わりじゃないんだ。』という話を聞き、そこで横田さんから聞いたフラワーデザイナーの川崎さんをはじめとして、モノづくりと関係のない人達が、なんでこんなに応援しているんだろう?という問題意識が広がっていきました。そのあたりも力を入れて書けていると思います。」
といったようにプロジェクトの広がりをも網羅したストーリーとなっています。
そもそもなぜ執筆することになったのかNHK出版の小林さんに伺ってみました。
「最初にNHKグループのNHKエンタープライズがドラマ化するという話を聞きまして、そこの知り合いから下町ボブスレーのドラマ化はフィクションだから、実話を本にしないか?と持ち掛けられたのがきっかけです。去年の夏、7月頭でした。そこで書き手はドキュメンタリーに強くて、プロジェクトXの書籍化で一緒だった伴田さんにお話しをしました。」
要するに下町ボブスレーのドラマ化と対(つい)になるようなリアルストーリーによるドキュメンタリーを本にしようという企画から始まったようです。ただ、書籍化するにあたってなぜ下町ボブスレーが面白いのかを社内に伝えるのが難しかったそうです。
本の表紙をめくると小説のような趣き。
内容はまさにノンフィクションなのですが物語がはじまるような感じがします。
事実であるリアルストーリーが作り話といってもいいぐらい面白いので期待が高まります。
80人以上の証言をもとに書かれたドキュメンタリーなので
どのようにまとまっているのか気になりますが心配無用。
ぐんぐんリアルストーリーに引き込まれていきます。
著者の伴田さんはこうも釘をさしています。
「書き手としては客観的な視点です。」
これから読む読者の方々にはぜひ下町ボブスレーという
リアルストーリーを楽しんでほしいと思います。
1月28日頃から大田区の書店では並び始めている予定とのこと。
アマゾンでも購入できますので
ぜひ読んで下町ボブスレーを体験してみてください。
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