日本で改良を行うことになりましたが
◆下町ボブスレー2・3号機の改良について|下町ボブスレーネットワークプロジェクト公式サイト
その中で日本とカナダを股に掛ける一幕がありました。
11月3日朝の8時半にカナダ・カルガリーにて
ボブスレー日本代表に帯同して奮闘中の
㈱マテリアルのエンジニア鈴木さんから
プロジェクト推進委員会にメールが入ります

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緊急を要します。大至急2号機を改修工事を行うことになったので、
それに必要な工具や材料をカナダのカルガリーへ送ってくれませんか。
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氷上で調整をおこなっている異国の地カナダで
改修工事に必要な専門工具を調達するのは困難を伴います。
カルガリーではマテリアル鈴木さんが降雪の中4つのホームセンターを回り
英語が通じないので絵を描いて説明しましたがどこにもありませんでした。
おいてあるのは日本とはちがう規格の"インチサイズ"の物ばかり。
という危機的状況・・・。
「全力で揃えます。」
という委員長の返信メールでこの日の連携のすべてが始まりました。
しかしその日は日曜日。
あるメンバーはお台場での展示会に向かいながら
食い違っている情報をまとめてメンバーに連絡。
あるメンバーは日本工学院の学園祭で1号機の展示。
「学園祭展示で余剰メンバーいる?」
「すみません。今日は初めての人ばかり、私も娘連れてきちゃってます。」
というやりとりも。
皆緊急事態なので身動きがとれない。
委員長は六郷土手で草野球の試合でぎりぎりの人数のため抜けられず
スマホ片手に試合。
遠く神奈川の端から事態をまとめるメンバー。
それぞれが初動でこの緊急事態に動きだしました。
それぞれ離れた場所にいる中で
メールやSNSを駆使した連絡の取り合いが始まりました。
スレッドが伸びる伸びる(笑)
オンラインで情報を共有して緊急を要する問題の解決を図る。
これまでもプロジェクトはネットを駆使して
土壇場や瀬戸際で力を発揮してきました。
「荷物どうやって送りますか?」
「フェデックスは?」
「フェデックスは集荷が土日祭日は英語対応しかしてません。」
「日通さんに聞いてみるのもありかも。」
「最近、郵便局も速いかも?」
「郵便局の国際スピード郵便EMSなら3日で25,000円あとは日通さんに聞くかですが、蒲田郵便局に持ち込むのが一番早いかと重さも19キロ以下などが必要です。」
「カナダの住所が私は手元になくわかりません。」
「先日1日に起きたロス空港のテロで通関はきびしくなっております。」
「ちょっと聞いてください!肝心の荷物がないのでこれから買い出しするしかない・・」
「えぇぇぇ~!!」
「動ける人いますか?」
日曜日で皆予定があり遠方にいたりすでに予定がはいっていて
すぐには身動きがとれない・・・
まずはすぐさま日本で調達して
カナダへ送るにはどのような手段で送るのがいいのかという検討が続きます。
「本日日本代表の後発組が成田からカルガリーへ出発するので、そこで一緒に持っていたければ一番速いかもしれません。」
という案が相談される。
電話での連絡も活発に続き 委員長は草野球の試合中携帯を放さず指示を出す。
最悪のケースではハンドキャリーで成田空港へ向い
時間が間に合わなかったらオレがそのままカナダへもっていくという覚悟を持っていました。
委員長!マジですか!!
「ハンドキャリー作戦」の検討が始まり ハンドキャリーで工具を持ち込めるかという問い合わせを各方面にする。
「今買い出しリストを確認してもらってます。」
「今、代表チームの山本強化部長に電話しました。14時に成田チェックインだそうです。」
そして現在進行している状況を整理する。
「カルガリーへ工具緊急発送の件、情報を集約します。本日14時までに成田空港へ持ち込んで、代表候補選手後発組に預けられればベスト。間に合わなければ、そろい次第蒲田郵便局から国際スピード郵便EMSで発送します。」
「代表社員が今日は時間があるって言ってたから連絡してみて!」
「電話繋がりません。どなたか動けますか?」
「誰か買い出しに動ける人探せませんかね??」
「お昼頃まで動いて見ます。」
「成田には私行けます!」
「連携してパーツ持込ますか?」
「らじゃ。」
このやりとりで方向性が見えた。
舟久保副委員長が成田空港へ持ち込むことに その瞬時の場で判断し手をあげた。
調達リストを元にメンバーは動く。
今動けるメンバーがそれぞれ会社にあるものを探してマテリアルにもっていく。
どれも専門的な工具。
ホームセンターに走るもの。
3連休の中日ですぐに手に入らないものばかり・・・
時間は蒲田を出発して14時に成田空港についてないといけないという状況はつづく。
「14時成田空港のためにはそろそろクルマで蒲田を出ないといけないですね。ちょっと厳しいですが、そろった場合にクルマを出していただくのはOKいただいています。」
「電車でも1.5時間。電車も調べておいた方が良いかも。」
「とにかくあるものだけでも送る作戦にしましょう。」
「電車は12:14六郷土手発でもう間に合わないので、恐縮ですがクルマを安全に飛ばしていただけますか。」
「調達に走っていただいているメンバーにマテリアルへ集まっていただき、そろう限りのものをその辺の空き箱につめて、 成田空港第一ターミナルのエアカナダのカウンターに走ってください。よろしくお願いします。」
「ドリルなんて絶対に機内に持ち込めませんから、カウンターで預けられる箱入りにしたいのですが。。。」
「マテリアル→成田空港は首都高湾岸線から東関東自動車道で82kmです。走り出したら、私から山本強化部長に連絡します。」
「もうすぐでマテリアル到着予定です。」
舟久保副委員長が到着する。
「第一ターミナル南ウィング出発4階でいいんですよね?先方のどなたかの連絡先をお教えいただけますか?」
「目的地はおっしゃる通りで前回の見送りとと同じ場所、相手は山本強化部長です。」
ギリギリのタイミングでそれぞれ調達に走ったメンバーが揃う
メンバーの柏はこの時を振り返って
「僕の買い出し材の中にステンレスのアングルと言うのがあって、ホームセンターのコーナン行ったらやっぱり置いて無くて 鉄なら有ると言われてそれにして 長いので切ってとかやっていたらどんどん時間が過ぎて遅くなってしまったので コーナンからマテリアルまで自転車で全力疾走でした。もうクルマ並みです!」
とハラハラしていた様子を語る。
委員長は試合終了直後急いで自転車戻る。
汗だくだ。
「重量は1キロないんじゃない?ぐらいです。」
最終的に必要なものはほとんどすべてそろった。
「頼んだぞ。」
出発とともに渡し忘れがあり、追いかける場面も。
マテリアル鈴木さんは「皆様、本当にありがとうございます。プロジェクトの力を実感いたしました。物が揃えばあとは任して下さい。精一杯異国の地で頑張ります。」とコメント。
「すでに成田空港にいる山本強化部長に連絡しました。午後2時を少し回ること、1kgないくらいの量であること、工具は刃物なので機内に持ち込めないため他の荷物と一緒にするか独立で貨物室に入れること、いずれも説明してご理解いただきました。」
「北米に刃物を持ち込むのは大変らしいので、山本強化部長に交渉していただいてます。」
下町を旅出たせてくれ!とメンバーは願う。
舟久保副委員長は空港から一番遠い駐車場へ到着し猛ダッシュで走り、ロビーへ向かった。
時計をみるとチェックイン5分前だった。
すぐさまメンバーには
「今、セキュリティを通って、スポットに向かわれました。」
と一報が入った。
皆のこの瀬戸際の連携で届いたのである。
ボブスレー日本代表後発組は
下町の連携によって揃った工具と共にカナダ・カルガリーへ旅立った。
筋書きのないドラマは続く。



