クワイエットルームにようこそ | 空想俳人日記

クワイエットルームにようこそ

静粛に ただいま人間 改造中 



 とりあえず、内田有紀殿、お久し振りでございます。いろいろおありになったかとは存じますが、素晴らしき世界の中で、もがき楽しみ活躍するよな好抜擢な役柄を思う存分演じなされたこと、惜しみなく拍手を贈らさせて頂きとうございます。
 ただの湿疹とは思えぬ程の形相にも耐え、もろ肌脱ぐ勢いで上半身裸になってベランメエの意気込み凄みには感動いたしました。さらには、鼻汁のような食べ物を、目の前の鼻水にも絶え食す思い切り。なかなか、美味しそうではありませんか。
 取り巻きの女優さんたちも圧倒されちゃって、まさに凌ぎ削るように、頑張らさせちゃいましたね。クワイエットルームを覗き込んでの危うげな視線にぞぞけちゃった蒼井優には、やっぱこいつ、ただもんじゃねえな。そう思ったのを筆頭に、富裕なるパズルナイズな迷ピアニストなるサエちゃん、あらま「妖怪大戦争」の色っぽ高橋真唯じゃありませんか。渡り合うステンレス製看護婦のりょう、そして、なんたって「あはははーん」なんて地で行ってるとしか思えないような大御所の大竹しのぶ。鉄ちゃん役の宮藤官九郎もお尻出すほどに頑張ってたね。でも、なんで元旦那が塚本晋也なんだろう。ま、そんな周囲にも怯むことなく殴り返した、そんな有紀殿に、なんとなくの予感を感じましたよ。うまく言えないけど、例えば風吹ジュンのような味のある役者さんになる匂いを感じたんですよ。
 ところで風吹ジュンで、偶然別なる映画を思い出しました。「ベロニカは死ぬことにした」です。さらに飛び火して思い出したのは「モーツァルトとクジラ」。どちらも病持ちたちのための閉じた社会。このお話も、そんな閉じた社会? かなあ?
 でも、このお話の組み立て、うまいですね。しかも映画でしか出来ない表現ならではの力が感じられます。松尾スズキ監督、すごおい。ああ、面白きかな、はじめ涙がちょろちょろ、ちょちょ切れながら、泣き笑いに中ぱっぱ。そして滲む涙が淋しくもあり悲しくもあり。しかも、別世界に間違って入れられたと思いきや、同じ穴のムジナ。さらには、果たして別世界なるかな。そう、ひょっとこしてもしかして、この病院の中、現代社会という世の中の縮図かもしれない。そう思いませんか。
 それでも、「Life is Happy」。生まれたからには幸せな生き方をしないとねえ。周りに「うっとおしい」と思われないように。でも、関わり絶ったら、お話にならない。「うっしっしい~」で生きる。「うっとおしい」と「うっしっし~」は紙一重なのかもしれません。
 だから、「Life is Happy」。生まれたからには・・・。今日も何処かで産声が上がり、新生児室で世界デビューの準備をしている赤ちゃんたち。何故だが、そんな新生児室がクワイエットルームに思えてきちゃいました。