トランスフォーマー | 空想俳人日記

トランスフォーマー

変身も ここまでくれば ルービックキューブ 



 へええ、あのクルマがロボットに見事に変身する玩具の元ってえ、1980年代に人気を博した日米合作のアニメ! なんだあ。てっきり、アメリカからの完全輸入版と思いきや、日米合作。そういやあ、映画の中でも出てくるけど、このロボットたち、日本製? という件がある。日本ってえ、合体やらトランスフォームやら、さらには、もっと前のアストロボーイ、ロボットって世界的にも日本なのかもしれない。
 ある日の出来事、中東カタールの米軍基地に未確認ヘリコプターが着陸、突然ロボット型へと変形し無差別に攻撃し始める、なんていう、まずイントロダクションの舞台が面白い。サウジアラビアからちょい突き出た国、安倍首相は今年の5月に訪問なされておる。ハマド・ビン・ジャーシム首相と会談、双方は、安倍首相のカタール訪問が日・カタール関係の更なる飛躍のきっかけになるとの認識で一致した、らしい。これまで両国間の経済関係は石油・ガスの取引中心に発展してきたが、更に多層的な関係に強化される必要があり、そのためには政府・民間企業が一体となって努力することが不可欠である、そうな。また双方は、現在の中東地域情勢についても意見交換を行い、安倍首相は、中東地域安定化のための日本の取組を紹介。これに対して、ハマド・ビン・ジャーシム首相は、カタールとしても日本の役割を重視している、中東地域の安定化のための日本の取組は極めて重要である旨述べた、そうな。
 ま、そんな場所から始まるこの物語は、突然、地球上でのあちこちの緊迫関係などぶっ飛ぶような、仮想敵国は宇宙にあり、となるのだ。しかも、その仮想敵国は、なにも今始まったことではない。なんでもない、車ほしさに、研究発表がまるでオークション、そんないまどきの大学生サム・ウィトウィッキーのじいちゃんは、北極圏を制覇した時代的な立役者。などということを世間の誰も評価しない。しかし、この北極圏物語が、あやや仮想敵国の始まりにつながるのだ。いや仮想なんかではないのだ。お話そのものは空想科学ではあるけど。
 こんなところが、単に子ども受けだけでは終わらせたくない、ちゃんとした時代的根拠がほしがる大人たちにも受けるように作られている。しかも、昨今の大人は空想科学小説経験者が多く、時代を切り刻む手法がそこにあることを知っている。製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグや監督のマイケル・ベイも心得ている。だから、なんでもない大学生サムが、そんな自らの生い立ちの中で、名実ともにヒーローにならなければならないのだ。だから、サムを演じるシャイア・ラブーフがみるみる勇気ある男にトランスフォームし、そのお相手のミカエラを演じるミーガン・フォックスも伴侶としてのいい女にトランスフォームしていくのだ。で、そんな常套手段の展開をあたかも恥ずかしがるように、サムの両親であるウィトウィッキー夫妻(夫をケヴィン・ダン、妻をジュリー・ホワイト)は、ずっと普通の人でとっぽくあり続ける。ラストのエンディングが始まった狭間にも、この夫妻がとっぽい日常の会話をするのが面白い。ほれ、さっさと席を立つ観客の方々よ、この二人の味わいを見ないと損だよ。
 損と言えば、トランスフォーマーたちの悪の方のメガトロン、親玉は滅んだけど、生き残りがいた。これもエンディングで、地球から離れて飛んでいく。いつかまた、地球上に残ったバンブルビーやオプティマス・プライムに戦いの挑みに来るんじゃ? の匂い。
 それと、知ってる知ってる、「真夜中のカーボーイ」や「チャンプ」で主役してたジョン・ヴォイト。そう、なんか、どっかで見たよねえ、の国防長官。ジョン・ケラー役は、なんと彼よ、彼。うひゃあ。
 とにかく、この映画の醍醐味は、まさしくトランスフォーム。もう、スクリーンから目が離せないワクワクなる醍醐味。ある意味、IT社会の警告でもある、なあんて分かった振りをして見るよりもエンターテイメントを思う存分楽しもうよ、私はそう思っちゃったなあ。なんせ、2時間半という時間があっという間に過ぎていた。
 見終わったあとに駐車場に停めてあったマイカーに乗り込む際、もう脱力感。ああ、このクルマがバンブルビーならいいのに。そう思った。ついでに、もうひとつ思ったこと。「トランスフォーマーのおもちゃ、なかなかのものだから、まだとってあるよ」って、家のどこにしまってあるのか分からねど、引っ張り出してきて久しぶりに遊んでみるかいな、と。