【はじまり】

【前回のお話】




2日後の入院が決まり、
職場には、数日休みを頂きたいと電話で伝えた。


主任からは、
『こちらの事は、何も気にしなくていいので、
 今は自分のことだけ、考えてください』

そう言ってもらい、
また退院後に落ち着いたら
連絡する…ということで、電話を切った。


そして、もう1人…
母に赤ちゃんのこと、連絡しなければ…


これまでは毎回、検診が終わったら、
すぐに母に電話して、赤ちゃんの様子を伝えて、
LINEでエコー写真を送っていた。


今回の検診日がいつかも伝えていたし、
そろそろ連絡を入れないと
心配するだろうな…と気になっていた。





深呼吸して、

取り乱さないように…

そう思いながら、母へ電話した。


コールはほとんど鳴らず、
すぐに母が電話をとり、開口一番…

もしもし?
 もぉ〜!昨日電話くれんかったがぁ〜

そう、大きな声で言った。


『で!?昨日の検診どうやった??
 赤ちゃん元気やったぁ?』

嬉しそうに聞いてくる母の声に…


泣かないって決めていたのに、、、
もうダメだった


私が何も話そうとしない様子に
母も何かを感じとったようで…


『…どしたん?…なんかあったん?』
みるみる弱々しい声…



涙が…拭っても拭っても落ちてくる。
もういや…
こんな報告したくない…!



『お母さん…あんな、赤ちゃん…
 お腹の中で亡くなってた』そう伝えた途端、


母は絶句していた。


『うそ…なんでなん…』


…電話の向こうで母が
静かに泣いているのが分かった。

これ以上は、辛すぎた。


『お母さん、急にこんな電話してゴメンな。
 明後日から入院して、赤ちゃんを
 外に出してもらうことになった…
 また落ち着いたら、電話するけん…』


そう伝え、足早に電話を切った。

切った瞬間、いろんなことが込み上げてきて、
もう散々…枯れるほど泣いたはずなのに、、、


まだ出るのか
こんなのいつまで続くん…


もう泣くのもしんどい。
だけど、止まらない…
気持ちがおさまるまで、ひたすら泣いた。





明日は、日曜日…

この日は、空が濃い綺麗な青色で、
外の風が気持ちよかった…



病院の帰り道…



旦那が突然、

『いい天気やなぁ…
 どっか出掛けたいなぁ…
 なぁ明日、日帰りで旅行に行かん?』

と、言ってきた。


え…この状況で、
旅行…?と思ったけど、
確かにいいかもしれない


昨日から、病院に行く以外、
ずっと家の中にいて…家にいると
考えなくていいことばっかり考えて、
思い詰めて、スマホで検索して、
また泣いて…の延々ループだから。。。



そうと決まれば、どこ行くか…
今から、計画立てよう!


それから、
2人であーでもない、こーでもないと
言いながら、どこに行くか話し合った。
昨日から続く悲しい時間がこの時だけは、
自分たちから、遠いところに在るように思えた。


はじめての家族3人旅だ…!


『○(赤ちゃんの名)を景色のいいところに
 連れて行ってやろう!』

『綺麗なところ、沢山見せてあげたい!』


翌日の旅行にワクワクしながら、
この日は眠りについた…

殆ど眠れなかった昨夜とは違い、
この日はよく眠れたと思う。




続きます。