(自律訓練法、森田療法、インターネット、出会い)


10.自律訓練法その2、やはり続かない

催眠療法もいかず、森田療法には踏み切れず(入院しなくちゃ行けないから)、という状態だったので、ただ単に時間が過ぎていった。
もちろん症状は何も好転しない。
やはり自律訓練法のテープを根気よく聞くしかない、ということになって、無理に毎日寝る前に聞いていた。
が、ぜんぜん自律訓練法が上手く行かないで、結局は数ヶ月でまたやめた。
むなしさがつのったのは言うまでもない。

 


11.森田療法に申し込みと惨めな状況

対人恐怖には、この療法がいいと本でよく読んでいたので、こうなれば最後の手段とばかりに、その療法をやっている病院に行った。
けっこうその世界では有名な病院、そして先生らしい。
説明を聞くが、担当の先生が、すごいおじいちゃん先生で、こっちが自分の症状を説明してもわかってるのかな? と思うほど、無反応だった。
また、入院は膝などの神経系統を病んでいるご老人方も多く入院していて、木造で古くさく、湿布臭かったので、こんな所に何十日間もいると思うと怖くなった。
また、説明を聞きに行ったとき(予約のため、朝6時に直接いって並ばなくちゃならない! 老人みたいに早起きじゃないんだ!)、廊下の順番待ちをしていたのだが、皆高齢者ばっかりの中で、自分一人若いのがポツンと、まだ朝早い暗い中、一人寂しく座っていた。
この孤独感は、簡単には経験できないだろう。
何で自分がこの場にいるのか、悲しくなってしまった。すごくみじめだった。
何でこうなってしまったのだろう。あらためて、自分の人生と対人恐怖を呪った。
こういうことがあって、森田療法は自分の治す方法リストからはずされた。
その理論も自分にあわないと思ったし、保証人を二人たてないと入院できないことも躊躇させた。
そこで、インターネットでとにかく情報を集めようと思った。
どれだけ、そういうページがあるのかわからなかったが、とにかく悩みをその手のホームページにぶつけてみよう、と。


12.インターネット検索、奇跡の出会い

こういう媒体だから、対人恐怖関連のページがあるに違いない、とおもって、また、いい療法を行っている所のホームページがあるかもという期待で色々さがしまわった。
ある神経症のページに自分の悩みを掲示板に書き込んだりして、自分の苦しみを発信していた。
そして、ある人から(自分とよく似ている症状の人)ここが、すごくいいですよ、と紹介されたところが、まさしく自分が探し求めていたところだった。
それ以上だった。もしインターネットがなかったら、と思うと恐ろしい。
史上最高の先生にも、その神経症克服のプログラムに出会えなかったからだ。
現在、治ったのも、この療法のおかげである。先生のおかげである。
インターネットは悩んでいる人がいるからいい。悩んでいる人にとっても、普通の人にとっても同じ世界が広がっている。
一方で、じめじめと傷のなめあいしている掲示板が嫌いで、寄りつかなかった。
なんか、その人たちの症状と悩みを引っ張り込んでしまいそうでいやだった。
でも、探し求めれば、本当にすばらしいサイトがある。出会いがある
結局は使う人の心構えで、毒にも薬にもなるんだろうな、と思う。