チャイコフスキー「眠れる森の美女」「悲愴」、TOTO「アフリカ」、トーケンズ「ライオンは寝ている」、ダン・フォ―ゲルバーグ「ライオンズ・シェア」、チューリップ「青春の影」、定年退職の日、労働意識の変化、ウクライナ、ロシア、洋楽、ロック、クラシック音楽、クラシックバレエ、バレリーナ、バレエダンサー。

 

音路(25)退職後は寝ている ~ 眠れる森の情熱と悲愴



今回のコラムは、昨年2021年の4月に書いた内容をもとに、修正加筆したものです。


◇4月は、スタート!

4月が始まりました。
まだまだ厳しいコロナ禍ではありますが、さまざまな新生活がスタートした方も多いことと思います。
ウクライナ問題、コロナ問題などを考えると、何か気持ちが晴れない「春がすみ」のようなモヤモヤ感を捨てきれませんが、4月は、さまざまなスタートの時期ですね。

ここでいきなり、隣家どうしの主婦の会話です。

あら、お隣の奥様…、4月になってから午後の昼下がり、猛獣のような声が、どこからか聞こえてきません…?
えっ! ひょっとして、それって我が家かしら…。
あら、何か大きな犬でも飼いはじめたの…。
実はね… 毎日 昼間、アレが寝てるのよ…。3月末で定年退職したアレが、毎日、大いびきで寝てるのよ…。
アレって… ひょっとして ご主人?

こんな会話があるとか…、ないとか…。

* * *

先日の3月末で定年退職した方々も、きっと多かったはずです。

今年の3月も、ここ数年と同様に、コロナ禍の影響で、整理退職、早期希望退職、病気治療退職、延長なしの期間満了退職、倒産廃業による失職など、さまざまな理由で、それまでの職を仕方なく離れた人たちも少なくなかったはずです。
無事に定年をむかえ、継続再雇用ではなく、職場を一端離れ、新しい道に歩み始める決断をした方も多かったことでしょう。

前述の「アレ」のご主人のように、可能であれば、少しくらいは静養をとってから、次の新しい道への準備を、落ち着いて行なってもらいたいものです。


◇意識カイカク!

1994年に、60歳未満の定年退職が原則として禁止されましたが、それまでは55歳が一般的な定年でしたね。
継続再雇用など、ほとんどありませんでした。
50歳を過ぎたあたりから「肩たたき」という言葉もありましたね。
今 思うと、55歳とは相当に若く、まだまだ「働き盛り」の年齢ですね。
今の時代に、50歳台、60歳台に、仕事をやめて隠居しようと考える人は少ない気がします。

基本的に国の制度では65歳あたりか、それ以上をめざす方向性にはありますが、各企業の定年年齢については、各企業の考えに任されています。
経過措置も、たくさんあります。

* * *

日本の企業の一部は、何かと法令を笠に、従業員に冷たい姿勢を見せることも多いですが、それでも時代の流れには逆らえない部分もありますね。
多くの企業が、社会全体の流れにあわせて、定年退職の年齢を引き上げる方向に向かっています。
今は、就労者の希望があれば70歳あたりまで定年延長できるようなシステムを導入している企業も増えてきました。

サラリーマンが加入する厚生年金の支給開始年齢は、今、段階的に引き上げてきており、2025年に65歳となります。
国民年金も、一定の年以降の生まれの方は、原則65歳からの支給になっていますね。
前倒しで受給したい場合は、減額になります。
受給開始年齢を遅らせれば、増額になります。
定年の年齢と、年金制度は、深い関連性がありますね。

今後も、こうした世の中の流れにあわせて、企業の就業規則、退職制度、退職金額、雇用制度などが、大きく変容していくことになりそうです。

* * *

一方、継続雇用により就労年齢期間が長く伸びても、ある年齢から給与が相当に減額されたり、週のうちの就労日や就労時間が相当に減らされたり、日給から時給にかわったり、給与減なのに仕事量が相当に増えたり、継続雇用の条件が男女で大きな差別がある… など、さまざまな就労環境の問題も起きていますので、そのあたりも知っておきたいところですね。

就労者側も、一旦は定年退職し同社に再雇用契約をするのか、定年まで待たずに同社と継続雇用契約をするのか、新しい就職先を考えるのかなど、さまざまな選択方法を考えないといけないのかもしれません。
企業が、希望退職者を募った段階は、選択を熟考する時期かもしれません。
それぞれの企業が、どの方向性に向かっているのか、経営者がどのような考えを持っているのか、それを知ることも重要かもしれません。
雇用問題は、人の人生設計に大きく影響しますので、その時代の日本の経済状況や近未来像にも注意しておきたいですね。

* * *

もう自分は関係のない年齢だと言われる方もおられるかもしれませんが、子や孫の世代は、自身とは大きく異なる就労環境で生きていくことになるのかもしれません。

日本人の「働き方」は、昭和の時代とは、かなり変化してきました。
職場企業の業種も増え、企業の有り様も、大きく変化しました。
必要のなくなった仕事を削っていく時代です。
職場にいるのは正社員ばかりでなく、隣の席の人は同じ会社の社員ではないかもしれません。
超短期集中型の高給サブスク社員もいますね。
日本企業の風土を知らない外国人がいるのも当たり前。愛社精神ってナンデスカ?

日本人の「学び方」「稼ぎ方」も変化してきましたね。
「英語」なのに、ツウジマセンカ?
「足で稼げ」って、ナンデスカ?
「三方(さんぽう)よし」って、ナンデスカ?
「印鑑」って、ナンデスカ?
「電話」なんて、シマセン!デマセン!
「ファックス」って機器を、ハジメテ、ミマシタ!
「社食」は、ウレシイ!
「賞与」は先に月給で、クダサイ!
給与明細って、いまだに紙ナンデスカ!

社会の中で、「紙」問題は、これから急速に変わっていきますね。
チコちゃんは言います… 紙とプラ(プラスチック)、ぼ~っとしてんじゃねえよ!

古い時代の伝統や慣習が、なかなか通用しなくなってきましたので、ある意味、さらに複雑な時代になっていくのだろうと感じます。

社会には、個人に押し寄せる、さまざまな「圧力」がありますね。
「抗体」や「抵抗力」をしっかり身につけて… がんばれ、労働者!


◇オレは、最強ライオン…

実は、定年退職直後だからといって、昼下がりに、悠長に寝ている暇はないのかもしれません。

女房たちは言います。
「昨日のテレビニュースで、ウクライナの惨状を見て泣いていたのに、今、あんたは、愛犬といっしょに、二度寝か、三度寝か…。朝のゴミ回収車が行っちゃった…」。

退職したら、夢を実現するぞ…、思いきり遊ぶぞ…は、はたして可能なのか…。
退職後に、そんな期間は実際に長くあるのか…。
金は足りるのか…。

そんなことを考えていたら 夜に眠れなくなり、昼間の食事直後に、血糖値が急上昇して、つい気を失うように爆睡してしまうのです。
さっき寝たのに、また寝るのか…。
犬のように、睡眠の小分け…。
つきあいの良い愛犬と一緒に、仲良く「おねんね」…。

不整脈と花粉症で、猛獣のような大きな「いびき」が家の外まで響き渡ります。

定年オヤジも、ワンちゃんも、自身が最強のライオンにでもなった気分で昼寝しているのかも…。
アフリカのサバンナ(草原地帯)の、心地よい風を思い起こしているのかも…。

とはいえ、幾つもの荒波や苦労を乗り越え、長年勤めあげたのですから、ワンちゃんと一緒に、少しくらいは寝かせてあげましょうか…。

それにしても、退職昼寝オヤジと、愛犬は、相性がいい…。
「ポチ…、やさしくしてくれるのは、お前だけだな…」。


◇ライオンは寝ている

さて、ここからは、音楽のお話しに移ります。
有名な、ある楽曲が生まれてから約80年…、私は今現在でも、一年に一度はこの楽曲を耳にします。
テレビやラジオなどで、毎年必ず一年に一度は、どこからともなく、この楽曲が聴こえてきます。

その楽曲は、「ライオンは寝ている(The Lion Sleeps Tonight)」です。
1961年にトーケンズがカバーして、世界中で大ヒットした曲です。

♪ライオンは寝ている(トーケンズ)

 

この楽曲の原曲は、1939年に南アフリカの歌手ソロモン・リンダさんによって書かれた、「Mbube(ムブーベ / ンブーベ)」〔ズールー語でライオンの意味〕という曲です。
彼のグループ「Evening Birds」によって演奏され、1940年代に南アフリカでヒットしました。

♪ムブーベ(Evening Birds)

 

* * *

トーケンズのカバー曲「ライオンは寝ている」の大ヒットの後、日本を含め世界各国でさらにカバーされ、数えきれないほどのカバー演奏があります。
今でも、毎年のように新カバーが生まれている楽曲ですね。
「ライオン・キング」などの映画でも使用されています。

近年のもので、私の好きな演奏を…
「レディスミス・ブラック・マンバーゾ」の「ライオンは寝ている」です。

♪ムブーベ(Ladysmith Black Mambazo)

 

別バージョンです。
♪ムブーベ(Ladysmith Black Mambazo)


この「レディスミス・ブラック・マンバーゾ」が加わった Oliver Mtukudziさんの「ネリア」という曲も好きです。
♪Neria

 

アフリカの味わいがいっぱいのサウンドですね。
アフリカ音楽の魅力は奥が深そうです…。

* * *

「ライオンは寝ている」の歌詞は、ひたすら「ライオンが寝ている…」と歌う、一見たわいのない歌詞ですが、そのメロディには不思議なアフリカの魅力を感じますね。
♪ライオンは寝ている(ライオンキング日本語版)

 

* * *

アフリカのウガンダのグループ「Aba Taana」の音楽動画「ライオンは寝ている」も、私は大好きです。
下記の動画では、歌う前に短いコントが行われている様子ですが、内容はよくわかりません。
踊りといい、さまざまな動物たちの声といい、楽しさ満載の動画です。
今は世界中がコロナ禍ではありますが、いつか日本にも来て歌ってほしいですね。
♪ムブーベ(Aba Taana)


定年退職し、午後の昼下がりに、大いびきで爆睡しているオヤジがいたら、この楽曲をどうぞ大音量で…。
それでも起きない… やっぱり寝ているライオンオヤジ!


◇ライオンという存在

前述しました、原曲を書いたソロモン・リンダさんは、貧困の中、1962年に亡くなったそうです。
この楽曲や、当時のアフリカの苦境に関する内容は、映像作品にもなっていますので、いろいろな手段でその作品を見ることができます。


「ザ・ライオンズ・シェア」予告編

 

「ライオンズ・シェア」という強烈なタイトルの映像作品ですね。
直訳すれば「ライオンの分け前」ですが、この言葉は、「最大(最強)のもの」を示す英語表現です。

ようするに、もっとも強力なもの、最大の権利権限、核心にある最重要なもの…、とにかく最強最大の存在です。
いい意味でも、悪い意味でも、いろいろな場面で使われる「ライオン」表現ですね。

古今東西の歴史上でも、最強の存在に使用することの多い「ライオン(獅子)」です。

* * *

「ライオンズ・シェア」という言葉を聞くと、私はある名曲を思い出します。
ダン・フォ―ゲルバーグが歌った名曲「ライオンズ・シェア」です。
難解な歌詞を書く彼ですが、印象的な歌詞内容や、素晴らしいメロディの名曲ぞろいで、アメリカ人の心の歌をたくさん残しましたね。

ちょっとわかりにくい歌詞ですが…
♪ライオンズ・シェア

 

* * *

ひょっとしたら、楽曲「ライオンは寝ている」のタイトルの言葉には、さまざまな意味が込められているのかもしれません。

最強最大の存在は眠ったまま…、その存在が眠っているうちに…、その大きな存在に何かを問うているのかもしれません。
日本の富士山によく似た、アフリカの名山「キリマンジャロ」のような大きな存在…。
実は、この楽曲「ライオンは寝ている」は、のん気な昼寝の歌などではないのかもしれませんね。

巨大な何かが、寝ているうちに…、ずっと寝かせておきましょう…、永遠に寝ていてくれよ…、絶対に起こすな…。

キリマンジャロ画像


◇アフリカに恵みの雨を…

ライオンという動物は、今は、ほぼアフリカ大陸にしか生息していません。
北アメリカや東アジアでは絶滅しました。
インドライオンも絶滅寸前だと思います。

トラなどのライオンに似たネコ科の大型獣は他の大陸にいますが、いわゆる、あのライオンはアフリカだけと言っていいのかもしれません。
ライオンのいないアフリカ大陸など想像できませんね。

* * *

さて「アフリカ」と耳にすると、私はあの名曲を思い出します。
米国のロックバンド「トト(TOTO)」の世界的大ヒット曲「アフリカ」です。

70年代後半、米国の有名ミュージシャンたちをバックで支える、スゴ腕のスタジオ・ミュージシャンたちが集まって、1978年に「TOTO」としてデビューしました。
いきなり大ヒット曲連発で、演奏力も抜群でしたね。
80年代のロックサウンドは、まさに彼らのつくり出したサウンドが、けん引していくことになりましたね。

このバンドの中心人物のひとりが、技巧派の名ドラマーであったジェフ・ポーカロさんでした。
TOTOサウンドは、まさに彼の見事なドラム演奏の上につくり上げられていましたね。

彼の父のジョー・ポーカロさんも、有名なジャズドラマーでした。
息子のジェフさんは、幼い頃から、多くの音楽ジャンルを猛特訓したようです。

ジェフさん自身によるドラム演奏の言葉解説は、少し難しすぎる気もするくらいで、私は微妙なニュアンスがよくわかりません。
ただ、いろいろな名ドラマーの要素を、複雑に組み合わせていたことは確かなようで、その演奏のバリエーションの豊かさや、演奏の正確さはよく伝わってきます。
ひと言で「正確で、カッコいい」という言葉がよく似合うドラム演奏だと感じます。

彼は、1992年に、自身で自宅庭で殺虫剤を散布した後に亡くなってしまいました。
生き続けてくれていたら、相当に革新的なリズムパターンをたくさん作ってくれたことでしょう。
まさかのショックな事故死でした。

この楽曲「アフリカ」も、彼のドラムの能力と才能がなかったら生まれてこなかったと感じます。
見事に、アフリカ大陸のサバンナ(草原地帯)のイメージを、ドラムのサウンドの中に盛り込んでいます。

* * *

歌詞内容は、シンプルですが、それだけに心に真っすぐ響いてきます。

どこからともなく老人の声が聞こえてきます。
それはキリマンジャロ山からかもしれません。
「臆病な自分」をいやし、「めざすこと」を実現させるには、大きなチカラと時間が必要…、そのような歌詞内容です。

サバンナのライオンたちも、そのことを知っていて、寝てばかりいるのでしょうか…。

アフリカの地で生きていくことを決意する、この楽曲の歌詞の中の主人公です。
この楽曲では、「アフリカに…、私たちに…、どうか恵みの雨を…」と歌います。

♪アフリカ(TOTO)

 

* * *

TOTOの「アフリカ」の演奏サウンドは、打楽器であるドラムとキーボードによる素晴らしいハーモニーの名曲ではありますが、米国の大都会の洗練された雰囲気が大きすぎて、アフリカのサバンナの土臭い雰囲気を少し覆い隠してしまっているように感じなくもありません。

米国ロサンゼルスの合唱団「Angel City Chorale」の歌う同曲「アフリカ」のほうは、アフリカの大草原の雰囲気を強く感じさせてくれます。
この楽曲はやはり、アフリカを賛美する楽曲なのだと強く感じます。

曲の冒頭で、手こすり、指パッチン、太もも叩き、ジャンプで、アフリカの風や雨、雷を演出するあたりは見事です。

♪アフリカ(Angel City Chorale)

 


◇100年の眠り…

ここからは、お父さんたちに、心地よい眠りの中で、うっとりするような夢を見て頂くために、有名なクラシック音楽によるバレエの映像を見て頂きたいと思います。
きっと、夢の中に、美しいバレリーナが登場してくれることでしょう…。

* * *

物語「眠れる森の美女(眠りの森の美女)(英語:The Sleeping Beauty)」は、ヨーロッパの古い昔話です。
フランスの詩人シャルル・ペローの童話集や、グリム童話集、小説、オペラ、ミュージカル、近代では1959年にディズニーアニメ映画などになっています。
ペローによると、お城のモデルは、フランスのユッセ城。

東京のディズニーランドには、シンデレラ城がありますが、米国カリフォルニアのディズニーランドには、オーロラ城がありますね。
オーロラ城は、その名の通り、あきらかに ユッセ城に似ていますね。
中国やフランスのディズニーランドのお城は、もう何だかよくわかりません。

* * *

この物語「眠れる森の美女」は…
ある城に妖精(魔法使い)たちが集められますが、招待されなかった悪の妖精(魔法使い)が、この城の姫に呪いをかけ、それを抑えるために、別の妖精が魔法をかけます。
この城全体が、ある時から100年間眠り続けることになります。
その城は森の中で眠りつづけ、ひっそりと100年の時を経ることになります。
周辺国のある王子様が、森の中の謎の城に、100年眠り続ける王女がいると知り、その謎の城に向かいます。
その王子様を案内したのは、100年前のあの妖精です。
グリム童話では、王子様のキスで、その王女は目を覚まします。

グリム童話とペロー童話では、内容に微妙な違いがありますが、ペロー童話をベースにして、ロシアの作曲家チャイコフスキーに作曲を依頼したバレエ作品が初演されたのが1890年(明治23)です。
ペロー版にはなかったはずの「王子様のキス」は、もはや名場面…。

「眠れる森の美女」は、1800年代初期にパリのオペラ座でオペラとして上演される前は、フランスの大衆演劇の人気芝居であったようです。
どんどん芸術性が増し、壮大なバレエ公演作品になりましたね。
「長靴をはいた猫」、「赤ずきん」、「青い鳥」も登場する、面白作品の要素もありますね。

いずれにしても、チャイコフスキーのこの音楽がなかったら、今のバレエの名演・名作の地位までには、なっていなかった気がしますね。

* * *

それにしても、バレリーナ(バレエダンサー)たちの、身体能力のスゴさには驚きます。
人間も、学び鍛錬すれば、ここまでの「生きもの」になれるのかと感じますね。
すごいです… 人間の創造性と、潜在的な身体能力。

チャイコフスキーの音楽によるバレエ作品「眠れる森の美女」は、おおむね次のような展開の内容です。


1.眠れる森の美女・プロローグ「オーロラ姫の洗礼」

架空の国のフロレスタン国王夫妻に王女「オーロラ姫」が誕生します。
この姫君の洗礼式に、美しい妖精たちが集められます。
ここに、招待されていない悪の妖精カラボスが突然に乱入し、この姫君に呪いをかけます。
16歳の誕生日に、ある行為で死ぬ…という呪いです。
そこに登場する妖精「リラ」は、その呪いの魔法を弱めさせてあげると予言します…。
どうやって…?

プロローグから
たくさんの妖精たちが登場し、主要な6人の妖精がひとりずつ踊るシーン。
まるで、動く絵画のよう…

♪妖精

 


2.眠れる森の美女・第一幕「オーロラ姫の4人の求婚者」

さて、オーロラ姫の16歳の誕生日のお祝いに、男性4人の求婚者がお城にやって来ます。
そこには、老婆に変装した悪の妖精カラボスもやって来て、オーロラ姫を死なせてしまいます。
そして、そこに、前述の妖精リラもやって来て、このお城全体を100年間の眠りにつかせます。
城も人もみな眠りにつき、その城を森で覆い隠してしまいます。
オーロラ姫は、死んだのではなく、100年間の眠りに入ったのです。

第一幕から
♪村人の大ワルツ

 

(1)オーロラ姫(マリアネラ・ヌニェスさん)
♪ローズ・アダージョ

 

別の映像で…
(2)オーロラ姫(オーレリー・デュポンさん)
♪ローズ・アダージョ

 

「眠れる森の美女」のこの場面に登場する花…ブライア・ローズ(プライアー・ローズ)のお話しや、薔薇(バラ)の音楽については、近々、コラムで書く予定です。

 


3.眠れる森の美女・第二幕「デジレ王子の狩~眠れる森の美女の城」

お話しは、100年後。
森に狩りにやって来た、ある国のデジレ王子です。
そこに、前述の妖精リラがやって来ます。
そして、デジレ王子に、オーロラ姫の幻に会わせます。
王子は、リラとともに、あの森の中の城へ…。

そして、ついに眠り続けるオーロラ姫に…。

♪オーロラ姫の目覚め

 


4.眠れる森の美女・第三幕「結婚式」

オーロラ姫とデジレ王子の結婚式が、大勢の祝福の中で開催されます。
その中には、あの猫や、赤ずきんや狼、フロリナ王女と青い鳥も…。
童話のオールスターキャスト!
なんだか、最後は、童話のオンパレードで得した気分!
これって、まだまだ増やしていけますよね…。

♪白い猫と、長靴をはいた猫

 

♪赤ずきんと狼

 

♪フロリナ王女と青い鳥

 

* * *

「眠れる森の美女」全編

32分あたりからが「第一幕」。
1時間6分あたりからが「第二幕」。
1時間47分あたりからが「第三幕」。
お時間のある時にどうぞ…。

 


◇チャイコフスキーの情熱と悲愴

ロシアの作曲家チャイコフスキーは、19歳で法務省に就職し、平凡な役人生活を送っていましたが、ある時、音楽に強く興味を持ち、音楽学校に通いはじめ、数年後に役所を退職し、音楽家の道へ進みました。
短期で猛烈に学習し、あっという間に、大作曲家に…。
当時(日本の江戸時代末期)までのクラシック音楽家としては、超遅咲き!
彼が生まれた1840年は、江戸時代の日本に外国船がちらほらの時期で、黒船がやってくる13年前です。
彼が法務省の役人になった1859年は、日本の「桜田門外の変」の前年です。

彼は、コレラの影響による病気で、53歳の若さで亡くなります。
ひと昔前の定年にも達しない、現役バリバリの年齢での病死です。
結婚相手に苦労した彼でしたが、超遅咲きの音楽家が、30年ほどの間に残した音楽作品の素晴らしさは言うまでもありませんね。

* * *

チャイコフスキーは、若い頃から「うつ病」に長く苦しみ、自身や作品の社会的評価にかなり敏感だった人物です。
彼が1893年に作った交響曲第6番「悲愴」のタイトルは、彼がつけたものです。
ロシア語では「情熱」という意味のタイトルで、フランス語では「悲愴」の意味のタイトルがつけられました。
この「悲愴」は「受難」にもつながっています。

彼は、この交響曲の、情熱的なものや悲愴的なものを連想させる内容について、彼自身のそれまでの人生を描いたものだと認めていました。
この交響曲「悲愴」の初演の9日後に、彼は亡くなります。

彼の華々しく美しい作品群や、彼の豊かな才能を思い起こすと、その人生に「悲愴」は想像しにくいですが、自殺未遂を繰り返す、苦しい生涯であったのだろうとも感じます。
彼は、今でいうジェンダーだったといわれていますから、さまざまな社会的ストレスをかかえていたかもしれません。
激しい情熱の裏側にあった「悲愴」であったのかもしれません。

でも、平凡な役人のままでいてくれなくて、本当によかった。
でないと、「白鳥の湖」も「くるみ割り人形」も「眠れる森の美女」も存在していません。
たまたまロシア国に生まれた芸術家であっただけ…。

カラヤン指揮、ベルリンフィル…。
情熱と美しさいっぱいですが、もの悲しい終わり方の交響曲…


♪交響曲第6番「悲愴」

 

* * *

今のウクライナでの戦争により、世界各地の国に暮らす一般のロシア人が迫害を受けていると、ニュースは伝えています。
街で食料を売ってくれない、サービスを受けられない、子供が学校に通わせてもらえない、多くの罵詈雑言を受ける…など。
ロシアのバレエなどの公演が続々と中止、音楽会の選曲変更や演奏家変更なども…。

日本のロシア料理店が国旗や看板を隠すのはわからないでもありませんが、日本の駅でのロシア語表記を隠したJRの行為は、社会的に大きな役割の企業なのに…。

何を優先するかは企業の自由ですが、なんとも悲しい… 不都合を隠す企業体質に未来は来ない?

戦争責任者と国自体は、本来は別もの。そうでない国はみな、歴史の中に消滅していった…。


一方、ロシアによる、ウクライナの一般市民への無差別大量虐殺という連日の報道も衝撃的ではあります。
外国にいるロシア人芸術家にも、母国ロシアから脅迫まがいの圧力が…。

予想はしていましたが、やはり戦時では、こうした不条理なことが次々に起きます。

ロシアへの嫌悪感が、ロシアの芸術作品や芸術家の方向に向かってしまうことや、ウクライナでの虐殺の惨状は、やはり「悲愴」な光景ですね。
「愛」にも敏感であったチャイコフスキーが、今の状況を見たら、何を語るでしょうね…。

世界全体を見れば、有力国がそうだとはいえ、自由や人権を基本とした民主主義勢力は少数派で、専制国家のほうが、まだ多数の状況ではあります。
世界が二分した場合に、民主勢力側が勝利できる保証はありません。
とはいえ今の時代に、どちら側の陣営だったとしても、見るにたえない悪質な戦争犯罪が、もし事実であれば、責任者には「100年の眠り」が待っている…?


◇定年退職をテーマにした動画

さて、ここからは、定年退職をテーマにした動画を二つ…。

東京ガスCM動画

 

読売新聞・ANA・プラチナ / 3社キャンペーン動画

 

3社(読売新聞・ANA全日空・プラチナ ギルド インターナショナル)の共同キャンペーン動画では、この3社が見事な演出で登場してきます。
この企画と制作は、2008年に、「電通」と「テレビ東京」が行ったもので、当時流行したビジネス手法の「インフォマーシャル」の延長上にありました。
何種類かの映像作品が作られたと記憶しています。

「インフォマーシャル」とは、ごく簡単にいいますと、ドラマを見ていたら…、記事を読んでいたら…、実はサービスや商品の広告が巧みに表現されていたというものです。
ですから、広告と関連内容が結びついた、ひとつのビジネススタイルです。
さりげない広告では不十分ですので、きっちりと登場させます。
見た人が、「なんだ広告かよ。でもいい内容だったな」と感じなければ意味はありません。

テレビドラマ映像の中の、部屋の家具、自動車、街の看板、化粧品、主題歌なども、その手法に似たものですね。
昔も今も、こうしたビジネススタイルは多くあります。

今のコロナ禍を乗り越えた後に、こうした数社による共同戦線のビジネス手法が復活してくるかもしれませんね。
ごく一部の企業や業種だけが復活するだけで、日本経済全体が持ち直してくるとは思えません。
ひとつの業界だけで自力で復活することも、かなり難しいかもしれませんね。

* * *

さて、「定年退職」は、前述の広告映像の新聞社も、旅行会社も、高価な記念品業界も、銀行も、保険会社も、自動車会社も、飲食業界も、出版関係も、住宅関係も何かと色めきたつ、お金が動く出来事です。

この3社共同キャンペーン動画は、俳優さん(大和田伸也さん・黒田福美さん)の名演技もあって、ビジネス感覚を覆い隠すほどの名作といわれる動画ですね。

大事な退職金は…、老後の資産づくりは…、感謝のダイヤを奥様に…、退職記念に旅行を… などの言葉を直接的にCMで聞かされるよりも、こうした劇的でいて自然なドラマのほうが、心に響いてきます。

3社共同キャンペーン動画の中では、ドキッとさせられる主婦の「みーちゃん」の台詞です。
ちょっと強引だけど、感謝の心でいっぱいの「しげちん」です。
そして、バックの音楽が映像を見事に引き立てていますね。

二人が並んで座る飛行機は、新たな人生のフライトに旅立ちました。
何か素敵な老後が待っているような予感が…。


◇恵みの雨と、一本道

前述の3社共同キャンペーン動画のように、定年退職の日は、誰かに感謝を伝える日なのかもしれません。

退職したあなたが、まず行う、新しい仕事…。
それは、親でも、家族でも、恩人や友人でも、故人でも…、誰かに感謝を伝えること。
定年退職は、きっと誰かのおかげ…。

人生の一本道は、まだまだ続く…。
人生、「情熱」を忘れず、うまくいけば90年時代!
「悲愴」が時にあっても、がんばれば、100年!

もう少し、時間はある…。
自身にもあった、ささやかな「情熱」と「悲愴」でも思い出してみるとしますか…。

と、その前に…。
気持ちのいい昼下がり…、アフリカの風を想像しながら、ちょっと昼寝でもしますか…。
愛犬のポチも、隣に来たことだし…。
窓はそのまま開けといてね…。

ライオンたちは、退職後に寝ている…。
寝ているあいだに、恵みの雨が、きっと降ってくる…。

* * *

前述の3社共同キャンペーンで使用されていた楽曲は、財津和夫さん作詞作曲の名曲「青春の影」です。

それはそれは長かった、一本道…。
でも、まだまだ続く、一本道…。

♪青春の影(チューリップ)

 

2022.4.15 天乃みそ汁
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