東日本大震災 追悼鎮魂、花は咲く、Great East Japan Earthquake、いのちの歌、希望という名の光、あの街に生まれて、雨にも負けず、愛は勝つ、ふるさと、311、NHK「明日へ」、三陸鉄道、勿忘草、アントノフ225・ムリーヤ、ウクライナ。

音路(20) この日を忘れない … 花は咲く
( ウクライナを想う )
今年も、3月11日がやってまいりました。
音楽とともに、追悼の気持ちを新たに…。
今回のコラムは、昨年2021年3月11日に掲載しましたコラム内容を再掲載・追記させていただきます。
* * *
私は、11年前のこの日を忘れない。
2011年 … 3月 … 11日。
あの空を、あの海を…
忘れない。
あの山を、あの花を…
忘れない。
あの人を、あの街を…
忘れない。
忘れたいけれど… 決して忘れない。
あの人、あの街、あの風景は…
かけがえのないもの。
あの人は、あの花は…
そばにいる。
私は、今日のこの日を、自分のためには使わない。
私は、花たちに囲まれて、生きてきた。
私の中に、あの花は咲きつづける。
今までも、これからも、多くの人の中で咲きつづける。
花たちは、ずっとずっと…
そばにいる。
( 天乃みそ汁 )
【 2022年3月 追記 】
今、ロシアによるウクライナ侵攻に関連した、テレビやネットの映像が、毎日、たくさん目に飛び込んできますね。
私が見た映像の中で、四つの映像のことを書きたいと思います。
1. 母と少年の別れ
11歳(日本なら小学5年生)の少年が、ひとりで、ウクライナ南部の都市ザポリージャから1100キロ以上の距離を移動し、国境を越え、隣国スロバキアに避難してきました。
東京から熊本まで、自動車で最短距離を行ったくらいの距離の移動ですが、直通の高速バスがあるはずもありません。
どうも、列車を乗り継いで避難してきたようです。
彼は、ビニール袋をひとつと、パスポートのみを手に持ち、腕に電話番号が書かれていました。
ここまで、各所で多くのウクライナの一般市民に助けられ、幸運にも国境を越えることができたそうで、泣きながらそれを語る少年の映像でした。
母親は夫と死別、母親の母(少年の祖母)は病気で移動できません。
母と少年の兄弟、病気の祖母は、そのまま家に残ります。
スロバキアに暮らす親戚のもとへ、少年をひとりで避難させる決断をします。
少年の母親が、ネット上の動画の中で、息子である その少年を助けてくれるように、泣きながらお願いする映像も見ました。
どの戦場や災害被災地でもそうですが、あまり報道されなくとも、便乗した悪党どもや兵士による強奪や悪事が、その地域で多発します。
同時に助けてくれる人たちも多数あらわれますが、子供や高齢者、女性がひとりでいることが、どれほど危険なことか。
母親の心配と、「せめて わが子のひとりだけでも生き残って…」と覚悟した母と少年の別れの場面は、想像を絶します。
家族の強い思いだけでなく、亡くなった父親も少年を守ったのかもしれません。
この少年は、幸運にも国境を越えることができましたが、たどり着けていない、ひとりだけで移動している子供たちは山のようにいるのかもしれません。
同じような親子が、そこら中にいるのが、今のウクライナです。
兵役を行える18歳から60歳くらいまでの、すべての男性は国外避難禁止です。
この問題は今後、国連の、女性の人権問題を考える部門でも大きな議論になるだろうと思います。
男性たちもそうですが、より世界の女性たちが、この問題について立ち上がるかもしれません。
* * *
他方、おそらく幼稚園児くらいの子が、片方の手にチョコレート、もう片方の手にぬいぐるみを握り、道路の上をひとりで歩き、立ち止まって地面を見つめ泣いているという映像もありました。
両親や家族がすでにいないのは明らかです。
誰かが助けてあげたでしょうか。
親に手を引かれる幼い子供たちは、たいてい泣いています。
避難所に持ち込まれた、ボランティアからのぬいぐるみの山に殺到する子供たち…。
こうした映像は、おそらく、ロシアやロシア側の国々には放送されないのでしょう。
* * *
日本のテレビ放送でも、ウクライナに残った両親が、テレビ電話などで、日本にいる我が子に向かって、「私たちが国境に向かうので、探しにくるな」と語っている映像を見ました。
国境にたどりつける人たち、国境に向かうことのできる人たちは、国内人口のごく一部です。
どれほどの数の覚悟が、そこにあるのか…。
この少年の母子家族が、どうか再会できますようにと、祈るしかありません。
2. 人間だけではない
他にも、動物保護施設に砲弾が打ち込まれ、一部の動物たちが死亡し、多くのケガをした犬や猫たちを市民が救出する映像も見ました。
血まみれで震え、おびえきった犬の表情は、あまりにも不憫(ふびん)です。
世界の愛犬家、愛猫家ならずとも、世界中の動物を愛する方々が、悲しみ、激怒する内容の映像です。
あの人も、秋田犬を飼っていたはずですが…。
テレビ映像には、犬や猫を連れて避難する市民が、たくさん映っていますね。
飼い主が、彼らを戦場に置いていけるはずはありません。
防空壕で震えが止まらない犬たちの映像も見ました。
犬や猫たちも、何か普通とは違うということを、わかっているはず…。
動物園はどのような状況なのでしょうか…、戦争で死ぬのは人間たちだけではありません。
どうか、みな生き延びて…。
3. ムリーヤ再建は無理ではない
さて、ウクライナは、世界に一機しかない世界最大の貨物輸送航空機「アントノフ225・ムリーヤ」を所有していましたが、今回、ロシア軍に破壊されました。
格納庫ごと破壊され炎上し、機体の残骸の映像を見ました。
この巨大輸送機は、東日本大震災の時に、ウクライナなど欧州からの大量の支援物資を積んで、日本の成田空港まで運んできた輸送機です。
日本に飛来するときは、毎回、航空機ファンが空港に殺到していましたね。
私は、ウクライナの誇り、象徴のように感じていました。
日本にとっての「新幹線」「富士山」のような存在かもしれません。
世界にとって、フランスのコンコルド、アメリカのスペースシャトル、ウクライナのムリ―ヤ、ヨーロッパのエアバス・ベルーガは、あまりにも特別でユニークな存在でしたね。
残っているのは、ベルーガだけになりました。
アントノフ航空は、いつか必ず「ムリーヤ」を再建すると語っていましたね。
私も、絶対に「無理」なことではないと信じています。
2020年、医薬品輸送中に給油のため、中部国際空港セントレアに飛来した時の映像。
アントノフ225・ムリーヤ
「ムリーヤ」は、これまで世界で、どれだけの量の医薬品を輸送し、人命を救ってきたことか…。
青色と黄色の線が描かれた、平和と救援の機体が一機、戦争により、世界から失われました。
4. どうして、その場所を攻撃する!?
皆様も、NHKのテレビニュースで、避難民が集まる検問所の前で男性がしゃべっている後ろに、砲弾かミサイルが撃ち込まれ、映像画面が真っ白になる映像を見た方も多くおられると思います。
その爆発で多くの避難民が犠牲になりました。
スーツケースを手に、やって来た母子が吹き飛ばされ、道路上に倒れている、服をかけられたそのご遺体が、テレビニュース映像で流されました。
あえて検問所を狙った攻撃なのだろうと感じます。
ご遺体を葬ってくれる人も、今はいないでしょう。
「戦争の実体を知ってもらうために、あえてその映像を流す」という内容の文字テロップとあわせて、こうした映像がNHKのテレビニュースで流されるようになってきました。
今の日本からは想像もできない、涙で目がかすむような映像の連続ですが、しっかり見ておかなくてはいけない映像のようにも思います。
* * *
防空壕の中で生まれた赤ん坊…、数万人といわれる妊婦たち…、氷点下の中、生き延びられるのか…。
電気も、水も、ガスも、医薬品も、来ない…、いったい どうしたらいい?
避難民たちの中には、もう何日間ほど移動しているのか わからなくなっている人も多くなっています。
病気の高齢者は、これほどの長距離の避難移動は、ほぼ不可能です。
病院の地下室に、大勢の患者と子供たち…。
今度こそ、「人道回廊」の約束が守られるのかどうか…。
ロシア軍は、一定期日までに避難しなかった市民は兵士とみなすと、今回も語っています。
日本の軍事の専門家たちも、さらに相当な規模で、数か所の都市攻撃を行う可能性があると語っています。
もはや、ウクライナ軍が組織だって反撃を実行できているようには到底思えません。
数々の戦争で負けたことが一度もない、多くのワナを成功させてきた戦術的な最高指揮官を相手にする難しさを、痛感させられているのかもしれません。
シリアの都市アレッポや、チェチェンの都市グロズヌイなど、都市消滅ともいえるような、近年のロシア軍の猛烈な無差別大爆撃を見ても、それに近いか、それ以上になるかもしれないという話しもあります。
第二次世界大戦時のベルリンや東京、広島など 主要国の大都市壊滅と同じ規模になる可能性もあるとも伝えています。
4400万人あまりのウクライナ国民ですが、国外避難できた人数は、まだ200万人あまりです。
何か、攻撃を止める方法はないのか…。
思いとどめさせる方法はないのか…。
今、世界は、NATO軍だけでなく、自国軍隊をウクライナ救援のために派兵する意思を示している国は一ヵ国もありません。
これが自然災害であれば、世界中から救援部隊がやって来たはずですが、今回は、しばらくは、このままかもしれません。
中立的な立場の国々も、ロシア国内の市民も含めて、超大国ロシアへの恐怖が世界を覆いつくしている気がします。
いつまでも恐怖に支配されることになるのでしょうか…。
とにかく、今のウクライナで、「いのち」を守ることは並大抵ではありません。
どうかどうか、なんとか生き延びて…。
◇わすれなぐさ
この数年、新型コロナやその関連で、あまりにも突然に、近い人と別れることになってしまった方々が、たくさんおられます。
遺族の方々の、あまりにも切ないブログや手記を読むことも少なくありません。
病気でも、自然災害でも、事故でも、戦争でも、人は、突然にお別れの瞬間をむかえることがあります。
人の「いのち」とは、どれほど、か弱いものなのか…。
時に、大切すぎて、当たり前すぎて、空気という存在のように、その大切さを忘れてしまうこともあります。
失って初めて、その尊さを知る… それが「いのち」なのかもしれません。
* * *
太平洋戦争時、東京は106回の空襲(空爆)をうけましたが、1945年(昭和20)3月10日は、特に大規模な「東京大空襲」があった日です。
この日だけで、10万人以上が亡くなり、100万人以上が罹災した、世界史上最大級の無差別じゅうたん爆撃でした。
東京では、3月10日と11日をセットで、忘れることのない「鎮魂・慰霊の日」と考える人が多数おられます。
* * *
「忘れな草(勿忘草:わすれなぐさ)」は、地域によっては日本のどこかで、もう咲き始めているのかもしれません。
この花名の意味は「私を忘れないでいてね」です。
忘れな草の中には、冒頭写真のような青色と黄色の組み合わせの花もあります。
ウクライナ国旗の二色の色は、大きな青空のもと、黄金色に輝く、どこまでも広大に続く小麦畑を表現したものです。
3月11日…、私は、大きな青空の下の広大な黄金色の小麦畑と、砲弾の音が鳴りやまない街、そして大切な「いのち」のことに、深く思いをはせたいと思います。
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竹内まりや
♪いのちの歌
山下達郎
西田敏行
中国・香港・台湾の皆様から(詩:宮沢賢治)
愛は勝つシンガーズ
EXILE・ATSUSHI
ジョン・ルーカス・ゴスペル合唱団
◇花は咲く
今や、日本の曲「花は咲く」は、世界の曲になり、日本・東北だけでなく世界各地に勇気と愛を届けています。
デシルバ真理紗(日本・米国・ドイツ合作)
シェイリー
イル・ディーボ
ポーランドの日本語学校の生徒
米国「Anima Singers of Greater Chicago & the Community School of the Arts」
福島県のスパリゾート・ハワイアンズ
安らかに
2022.3.11 14時46分
天乃みそ汁
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