レッド・ツェッペリン「カシミール」、「ノー・クォーター」。インド古楽器の破壊力。音楽のオンライン・レッスン。ピアノやキーボードの存在感。ギターという楽器。慈悲か無慈悲か。洋楽・ハードロック・音楽動画。ジミー・ペイジさん。ロバート・プラントさん。クイーンのフレディ・マーキュリーさん。


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各コラムで紹介した曲目リストは、「目次」で…

  

あの曲や動画はどこ… 音楽家別作品

 

*今後の予定曲

 

音路(17) オンラインでツェッペリン

【後編】 容赦なしの破壊力!



前回の「音路シリーズ」コラムの「音路(16)オンラインでツェッペリン【前編】英雄たちの選択」に引き続き、今回はその後編です。今回も、楽器のオンライン・レッスンのスタートです。
コラム中のミュージシャン個人名の敬称は、便宜上、略させていただきます。


◇楽器の存在感(ピアノ、キーボードでカシミール)

レッド・ツェッペリンのメンバーで、キーボード類やベースを担当したのがジョン・ポール・ジョーンズです。

強烈なギタリスト、ドラマー、ボーカルがいる中で、その存在が薄くなるのかと思いきや、まさにこのキーボードの存在が、このツェッペリンのサウンドや世界観の基礎を担っていたとも感じます。

彼も、他の三人と同様に、上手なミュージシャンであるだけでなく、音楽世界を作る優れたアーティストでした。
彼の支えがなかったら、このバンドの成功は間違いなくありませんでしたね。
ジミー・ペイジの独特で異様な音楽世界を築き上げるには、ジョンのこの音楽能力が絶対に必要だったと思います。

* * *

このレッド・ツェッペリンというバンドは、メンバーすべてが最高のアーティスト(芸術家)という、稀有(けう)なバンドだと思います。
海外における最高位の評価や敬意にくらべ、日本では少し見過ごされている気もしないではないですね。
この楽曲「カシミール」で、少し変化してくるのでしょうか…。
テレビ局には、ジミー・ペイジに、あきれた「おバカ質問」はしてほしくないですね。
世界の笑いものです。

* * *

ピアノ、オルガン、キーボードなどは、楽曲の中で目立つ場面も非常に多いですが、目立ちにくいバックで、音楽全体を確実に支えたり、華やかにしたりしてくれる楽器でもありますね。
ギタリストやボーカルが自由奔放に演れるのも、堅実なキーボードの存在があってこそなのかもしれません。

今回のコラムの最後に、この4人のメンバーのそれぞれの存在感とすごさを実感できる楽曲を紹介します。

ここは楽曲「カシミール」の、キーボード・レッスン用動画をご紹介します。

♪カシミール(キーボード演奏)


♪カシミール(キーボード演奏)



◇音楽の輝き(ギターでカシミール)

いよいよ最後は、ギターレッスン用動画です。

まずは、ギタリストであるジミー・ペイジ本人が登場する動画を2本ご紹介します。

♪カシミール(ジミー・ペイジ教授の指導、生徒はあの…)


♪カシミール(ジミー・ページによるアコースティックギター演奏)


ジミー・ペイジは、かなり特異な演奏や世界観を持ったミュージシャンですね。

普通のギタリストは、音楽史の中に、結構 似たタイプのギタリストがいたりしますが、彼の場合は、なかなか他に似たタイプが思いつきません。
存在感が似ているミュージシャンはいますが、みな違った世界観を持っています。

当時の「三大ギタリスト」のひとりであるジェフ・ベックが過去に、「みな、オリジナルのサウンドや音楽世界を作るのに躍起になっていて、そのサウンドが聴こえた瞬間に、どのミュージシャンなのかわからなければいけない」という主旨の話しをしていましたが、売れたサウンドに追随するようなことなどは、彼らの頭にはなかったのだろうと思います。
あえて別のものを探し求めることこそが、スーパースターへの道だったのかもしれませんね。

過去のいい曲を演奏するだけ…、いい曲を作ればいい…というだけでは、普通のミュージシャンから、スーパースターにはなれませんでしたね。
今までにない強烈な「何か」を生み出さなければ、もはや生き残ることもできませんでしたね。

ギターは他の楽器よりも、そうした志向が強い楽器であろうと感じます。
特にギターは、上手く演奏できれば、それでよいという楽器では決してないと感じますね。
多くのギタリストたちの葛藤は、今も昔も変わっていないと思います。

文章はこのくらいにして、ギター・レッスン用動画をご紹介します。

♪カシミール(ギターレッスン)


♪カシミール(ギターレッスン)


♪カシミール(日本人のギターレッスン)

 

♪カシミール(ギタータブと楽譜)


♪カシミール(ギター・スタンダードチューニング)



◇インド古楽器の破壊力

ここからは、少し変わった、素晴らしい「カシミール」の音楽動画をご紹介します。

皆さまは、インド特有の楽器をどのくらいご存じでしょうか。
香辛料の種類は知っていても、楽器の種類までは知らないという方も多いと思います。

今現代は、ネット動画というもののおかげで、世界の民族楽器のサウンドをすぐに知ることができますね。

下記に、インド楽器の種類をご紹介します。

インド楽器


どの楽器も、その見た目のすごさにも圧倒されますね。
その音色も、まさに神秘の世界のように感じます。
いつか、世界で「インド古楽器ブーム」が起きやしないかとも感じてしまいます。

下記にギターに似た「シタール」と、打楽器の「タブラ」による「カシミール」演奏をご紹介します。

ミュージシャンのビジュアルにも圧倒されます…
♪カシミール(シタールとタブラでの演奏)

 

こんな草むらで演奏して、猛毒のコブラを呼び寄せないのか…
♪カシミール(シタールとタブラでの演奏)

 

下記に、バイオリンに似た「サーランギ」という楽器の解説演奏動画をご紹介します。
この動画の最後部に演奏シーンがありますが、まさにこれは「カシミール」の楽曲の雰囲気にそっくりですね。

♪楽器サーランギの動画


インド古楽器の種類の多さと、その奥深さには感動します。
音楽関係者だけでなく、世界の木工職人たちにも、魅力ある研究対象になるかもしれませんね。

* * *

次の動画は、おそらくはインド古楽器を含む、さまざまな楽器の複合構成による楽団演奏です。
楽曲「カシミール」の混沌とした世界が伝わってきます。

♪カシミール(混成楽団)

 


◇大人数でカシミール

次は、別の音楽動画です。

海外には、同じ楽器の演奏者を大量に集めて、大きな音楽イベントを行うという慣習がありますね。
日本では、なかなか根付かない慣習です。

コロナ禍の中、支援活動の一環として、世界19ヵ国の179人のチェリストが、おそらくリモートか何かで一斉に「カシミール」を演奏した動画です。
国は違えど、同じ楽器の演奏者たちが、「何か」を共有し、一同に「協力し合う」姿は、感動しますね。

♪カシミール(19ヶ国、179人のチェリスト)

 

日本人チェリストも入っていてほしかった…。

私は今、アメ―バブログの音楽関連の多くの教室のブログを見て、いろいろ勉強させてもらっていますが、こうした同じ楽器の教室の先生たちが、このチェリストたちと同じようなことをできないものかと感じてしまいます。
こうしたことが、次への何かのエネルギーになりはしないかとも感じてしまいます。

* * *

次は、エレキギターのロックミュージシャンらによる、大人数での演奏動画です。
50人のエレキギターと、30人のチェロでの演奏です。
中心で仕切るギタリストは、数々のバンドで活躍した、スティーブ・ヴァイです。

こうしたイベントは、海外には結構多く、その大迫力に感動しながらも、つい笑ってしまいます。
参加するだけで、どれほど楽しいことでしょう…。

♪カシミール(50人のギタリストと30人のチェリスト)

 


◇カシミールいろいろ

他のカシミール音楽動画をご紹介します。

ドイツ人ギタリストのマーチン・ミラーらが行った演奏動画です。
ちょっとヘビメタ風ギターも入っている、現代風の演奏ですね。
♪カシミール(マーチン・ミラーらカバー演奏)

 

Marcinsさんのスーパー・ギター・テクニック…

♪カシミール(ギター演奏)


日本では、今ちょっとしたウクレレブームですが、ウクレレで「カシミール」です。
♪カシミール(ウクレレ演奏)

 

なつかしいビッグバンド風も…
♪カシミール(ビッグバンドでの演奏)

 

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団で…
♪カシミール(ロンドンフィル)

 

下記のオーケストラ演奏も、結構 混沌としていますが、素晴らしい…

「カシミール」のますますの可能性を感じます。

♪カシミール

 

結構、世界のいろいろな場所で、多くのミュージシャンたちが、この楽曲「カシミール」を楽しんでいますね。
皆さまも、オンラインで、いろいろな「カシミール」を楽しんでいただけたでしょうか。


◇インドのこと…、クィーンのこと…

今回は、インド北方にある「カシミール」という地名に由来した、「カシミール」という楽曲をとりあげました。
前回コラムでは、「カシミール紛争」の歴史に少しだけ触れましたが、まさに混沌とした、複雑で不思議な世界をイメージさせる「カシミール」という楽曲ですね。

* * *

国名「インド」と聞いてすぐに頭に浮かぶロックスターがいますね…、近年の映画「ボヘミアン・ラプソディ」の大ヒットで老若男女に幅広くファンが増大したロックバンド、クイ―ンのボーカリストでピアノ担当のフレディ・マーキュリーです。

エイズのため、45歳で亡くなってしまったミュージシャンですが、彼は今のアフリカのタンザニアのザンジバル島(当時は英国領)の出身ですが、ご両親はインド人です。
当初は、その事実は隠されていたようですが、世の中の情勢の変化の中で、そのうちに明かされましたね。

クイーンの音楽は、初期からある頃までは英国色の強い内容でしたが、ある頃から無国籍・多国籍のような様相に変わっていきます。
日本語の歌詞のついた楽曲もありましたね。
クィーンというバンドは、アメリカ制覇を狙った時には、アメリカサウンドにも対応しましたし、さまざまなタイプの楽曲を作りましたね。

フレディの、アフリカ生まれのインド人…、少年期はインド育ち…、ある頃から英国育ち…この生い立ちがさまざまな種類の音楽要素を彼の中に植えつけていったのかもしれませんね。
だからといって、彼が「根無し草」だったとは決して感じません。

* * *

私にとって、一番最初に音楽雑誌に掲載された音楽記事内容が、クイーンの「クイーンⅡ」というアルバムに関するものでした。
70~80年代、彼らをレッド・ツェッペリンや、ディープ・パープルと同じ、英国生まれのハードロックの分野に入れることには、何か違和感を持っていました。
ずっと後に、フレディがインド人の血だとわかり、違和感はやはりそうであったかと感じたのを憶えています。

もともと彼は、特定の土地や地域に根ざしたような音楽の感覚を持っていなかったのかもしれません。
もっと広く、音楽の多様性にかなり対応できるミュージシャンであったと感じます。
もっと長生きしていたら、この楽曲「カシミール」のようなインド風の楽曲も、たくさん生み出したかもしれませんね。

* * *

フレディの妹さんは、映画「ボヘミアン・ラプソディ」の関連で、近年 露出が多かったですが、彼女の名は「カシミラ」さんです。

フレディは、レッド・ツェッペリンのボーカルのロバート・プラントを尊敬しており、二人は仲がよかったようですね。
ロバート・プラントは、クイーンの曲も結構 お好きなようです。
クイーンのことについては、おいおい「音路シリーズ」でも書いていきます。


◇永遠の詩

クイーンのデビューは1973年ですから、レッド・ツェッペリンの5枚目のアルバム「聖なる館」が発表された年です。

この年に、ロバート・プラントは喉(のど)を痛め、それまでの歌唱が不可能になり、この年以降、歌唱法を変えます。
あの「移民の歌」を歌い続けていたら、それは喉をダメにしますね…。

* * *

楽曲「カシミール」がおさめられている6枚目のアルバム「フィジカル・グラフィティ」は、これまでの録音で、レコード化からボツになった未発表作品に、新曲を加えて作られたアルバムですが、ボツになったとはいえ名作ぞろいで世の中は驚嘆しました。

前述の5枚目のアルバム「聖なる館」のまさにタイトル曲が、そのアルバムでボツになり、この「フィジカル・グラフィティ」におさめられています。
確かにアルバム「聖なる館」の楽曲たちから見たら、ボツになっても不思議ではないかもしれませんが…。
このような曲でさえ「落書き」扱いでした。

* * *

「フィジカル・グラフィティ」という名称は、日本語で言うとしたら、何と言ったらいいのでしょう…。
肉体的なエネルギーを猛烈に注ぎ込んだ、「全身全霊が詰まっている落書き」とでも訳せるでしょうか。
私は、好きなタイトルです。

そのとおり、ツェッペリンのいろいろな要素が、お蔵入りの部屋の中から引っ張り出され、必要以上に飾り立てることなく、そこここに散りばめられている気がします。

ツェッペリンのファンの中でも、このアルバム「フィジカル・グラフィティ」が一番好きだという人も少なくないと聞きます。
CDケースでは味気ないジャケットに見えてしまいますが、LPレコードジャケットのサイズで見たら、まさに風格漂うジャケットデザインです。
ジャケット写真の建物の各部屋には、とてつもない作品が暮らしていたものです。

ファンの中でも、好きなアルバムの隠れ上位に入るのは、やはり、ジミー・ペイジも、ロバート・プラントも大のお気に入りだった「カシミール」が、このアルバムに入っていたこと…、そしてお蔵入りの中にあったとしても、まぎれもない強烈なツェッペリンサウンドの秘蔵作品がそこにあり、それをそっと のぞくような刺激がたまらなかったのかもしれませんね。

* * *

レッド・ツェッペリンの音楽アルバムは、それほど枚数が多いともいえません。
それだけ秀作に絞っていたともいえます。

これらのアルバム群は、同じ人間でも、それを聴く年齢によって、違って聴こえてくるとも感じます。
お気に入りの作品も、年齢によって変わっていくのかもしれません。

始めから新しいわけではなかった…、そして永遠に古くならない…、それがツェッペリンの、ツェッペリンたるゆえんなのかもしれません。

本コラムの「音路シリーズ」では、これからも、ツェッペリンの素晴らしい楽曲をご紹介していきます。


◇クォーターか、ノー・クォーターか…

最後に、前述しましたレッド・ツェッペリンのメンバー4人のすごさを実感できる、別の楽曲をご紹介します。
「ノー・クォーター」という楽曲です。
これは、前述の5枚目のアルバム「聖なる館」に入っている楽曲です。

* * *

この歌のタイトルの「ノー・クォーター」とは、日本語的に訳せば「情け容赦ない」というような意味だと思います。
この「クォーター」は、「容赦」、「慈悲」、「居場所」などの意味だと思います。

与える慈悲、請う慈悲、求めない慈悲、無慈悲な扱い、本来の居場所…など、この歌詞にはいろいろな意味が込められていると思います。
そこに、ロバート・プラント好みの神話が盛り込まれ、神秘的な表現の歌詞で描かれています。
この歌詞は、聴いた人の、解釈次第でもありますね。

「give quarter(恩情をかけた攻撃)」なのか、「give no quarter(情け容赦ない総攻撃)」なのか…、そして「情け容赦しない反撃」なのか…、そういった意味合いも含め、神秘的な表現の歌詞で描かれています。

和訳歌詞のことはここでは紹介しませんが、この歌詞を聴いて、自分自身に何かが突き刺さってきたら、この楽曲「ノー・クォーター」を受け止めたことなのかもしれませんね。
軍事、政治、マスコミ、メディアの仕事にたずさわる人には、何かぐさりとくる楽曲ですね。

あなたは、クォ―ター派…?
ノー・クォーター派…?

それとも、知らず知らずのうちにノー・クォーター派…?

* * *

楽曲「カシミール」と、この楽曲「ノー・クォーター」は、両者とも神秘的な雰囲気でいて、ものすごいエネルギーを感じる曲です。

特にこの曲のライブ演奏では、それぞれのメンバーが、まさに巨人のような「すごみ」を感じさせながら、各担当パートで登場してきます。
4人それぞれが、無慈悲に「オレのほうの音を聴け」とでも言っているような演奏です。

下記のライブ演奏で、メンバーそれぞれの巨人のエネルギーと、その「容赦ない」演奏ぶりを、どうぞご堪能ください。
ジョン・ポール・ジョーンズの演奏から始まり、ひとりずつ入ってきます。

♪ノー・クォーター(ライブ演奏)

 

* * *

それにしても、今回とりあげたインドの古楽器たち…まさに容赦ないほどの「破壊力」あるサウンドで、私たちに迫ってきますね。

インド古楽器… ノー・クォ―ター!
カシミール… ノー・クォーター!
レッド・ツェッペリン… ノー・クォーター!
容赦なしの破壊力!

でも本当は、クォーター(慈悲)でいっぱい…。

* * *

コラム「音路(18)男ってアホですね~、あんたはプレスリーじゃない」につづく

 

2021.2.25 天乃みそ汁

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