ローリングストーンズの「Living in a Ghost Town」。ミック ジャガー・キース リチャーズ。ゴーストタウンの幽霊たち。音楽環境の変化。リモートライブ・オンラインライブ。がんばれミュージシャン。ロックミュージック。名指揮者バーンスタイン。I can't get no satisfaction.

にほんブログ村 音楽ブログ 洋楽へ 

音路(3)ゴーストたちの底力 ~ がんばれ!ミュージシャン

 


◇音楽環境が変わる

今年2020年は、新型コロナの影響により、世界中のミュージシャンたちが苦労した年でしたね。
新型コロナの犠牲になった、有名ミュージシャンが続出し、どこに恨みや悲しみを持っていったらいいのか、わかりません。

そんな中、ポピュラー音楽の一部の有名なミュージシャンたちが、この苦境を表現した新曲を出したり、さまざまな新しい音楽の取り組みを行いました。
日本でも、ネット上で誰もが参加できる形式で楽曲を発表したり、「リモート・ライブ」や「オンライン・ライブ」のかたちも生まれてきました。

次の音楽ライブ…、会場に行く?
それともリモートにする?
そんな選択があたり前になるような時代が来るのかもしれませんね。

私のような中高年には、リモートは結構ありがたい…。
仕事の合い間に…、夕食をとりながら…、ライブの後はすぐ寝る…、ファンではないが一度見てみるか…、気軽にリモートライブを楽しめそうな気もしています。

* * *

今年、日本中の音楽教室が、大急ぎで、リモートレッスンを開始しましたね。
苦労も多いようですが、新しいレッスンのかたちが作られていくような気がします。

人間どうしの対面の重要性はもちろんありますが、「対面」と「リモート」の違いを、しっかり認識し、使い分ける時代が、すぐそこに来ているようにも感じますね。


◇大切な出逢い

クラシック音楽界の大人数のオーケストラも、たいへん深刻な状況です。
楽団員の方々の仕事が、新型コロナによって奪われてしまいました。

関係者の方々は、相当に知恵をしぼって、さまざまな新しい取り組みを始めています。
他業種の多くの方々に、援助の手を求めています。

* * *

クラシック音楽界のミュージシャンの方々の演奏力や歌唱力は、実際に目の前で見ると、その「すごさ」を、まざまざと実感します。

今、実際の義務教育の学校現場に、そうしたプロのミュージシャンが出向く機会がどのくらいあるのかを私は知りませんが、こういう機会に日本中の義務教育の学校に派遣して、そのすごさを子供たちに実感させてあげてほしいとも思っています。
テレビで見たり聴いたりするのとは、大違いです。

おそらく、子供時代の音楽体験は、生涯、忘れないと思います。
ひょっとしたら、生涯で、その一度だけという人も多いだろうと思います。

* * *

私は、若い頃に、米国の名指揮者のレナード・バーンスタインの、連続テレビ番組シリーズ「ヤング・ピーブルズ・コンサート」の映像作品を、夢中で見ていました。

高度な音楽理論等の内容も含まれており、理解できない内容も多かったですが、音楽の奥深さと面白さを実感することができました。
何より、バーンスタイン氏や、楽団員の方々が、楽しそうに見えました。
プロの指揮者の説明を聞いてから、プロの演奏家による演奏を聴けば、とてもよく音楽のことを理解できたのです。
彼らは、音楽の授業をしに来たのではありません。
音楽の楽しさを伝えに来たのです。

音楽は、ただ楽しむだけのものではなく、心を表現するものであったり、思いを伝えるものであったり、癒しであったり、愛であったり、希望であったりしますね。
職業ともなると、それは生活の糧にはなりますが、それはあくまでひとつの側面であろうと思います。
私は、この映像作品で、より音楽が好きになりました。

 

 

◇新しい音楽の時代へ

 

今、日本のクラシック音楽業界は、新型コロナにより、非常に危ない状況に向かいかねないと思っています。

もし可能なら、国やJR、NHKなどが協力して、JRの主要な駅で、駅ピアノ、駅バイオリン、駅合唱、駅室内楽など…、コロナが収束した後に、彼らに場所を提供してあげられないものでしょうか。

 

誰でも演奏してよいとなると、演奏したい者が集まり過ぎるでしょうから、プロのオーケストラや合唱団の救済を目的に、限定的に行ってみてはどうでしょうか。

ファンディング(資金調達)でも何でも、クラウドではなく、その場で行ってみてはどうでしょう。

 

今、崩壊寸前の日本古来の伝統楽器制作分野への救済も同時にできないでしょうか。

おそらく、舞踊や演劇などの分野も、まったく同様だと思います。
ひとまず、コロナ収束が大切ですが、その後のさまざまな救済策も非常に大切だと思います。

 

観光業や飲食業と同じくらい、文化業界は重要で大きな分野のはずです。

見捨てては、絶対にいけませんね。

* * *

人は、どんな楽曲や演奏に出逢えたかによって、その人生が変わっていくのかもしれません。
素晴らしい楽曲や演奏に出逢ったときに、それに気がつかないで、人生を通りすぎていくことは、何かさみしい気持ちがします。

厳しい台風の後にくる、すがすがしく暖かい日差しに気がつかないのは、何か損をしたような、感謝を忘れてしまうような気にもなります。

実際の対面でも、リモートでも…、その道のプロと出逢うことは、とてもいいことだと思います。
時代は変わっても、「出逢い」のかたちは、さまざまにあるのだろうと思います。

新型コロナという苦難はたいへんな経験ですが、「新しい時代」と出逢ってしまったのかもしれません。
この「新しい時代」が、自分自身にとって大切なものになるのかどうか…、音楽のように寄り添ってくれるものになるのかどうか…、ゆっくり道を歩いていくしかないのかもしれませんね。


◇がんばれ!ミュージシャン

多くのミュージシャンの方々も、今のコロナ禍で、別の職業や仕事に従事していたとしても、その心を失わず、いつか来る新しい「音楽の時代」を待っていてほしいと思います。
音楽をつくる、伝える才能は、誰でも持っているわけではありません。
いつか、ミュージシャンが絶対的に必要とされる時代が戻ってくるはずです。

そこに、また「新しい出逢い」と「新しい音楽」があるのだろうと思います。
今は遠くにある、音符の光ですが、いつかその光が手元を照らしてくれるのだろうと感じています。

ミュージシャンのあなた方は、音楽に選ばれた者たちです。
がんばりましょう…。


◇ゴーストタウンの幽霊たち

ここからは、クラシック音楽から、ロックミュージックのお話しに…「チェンジだぜ!ベイビー!(ちょっと古)」。

今年2020年の春頃に、世界的に有名なロックバンドの「ザ・ローリング・ストーンズ」の新曲が、8年ぶりに急きょ発表されました。

ガラパゴスの日本では、ほとんど注目をされませんでしたが、世界中でこの新曲に大きな反響がおこり、各国でチャートの上位に入りました。

「リビング・イン・ア・ゴーストタウン(Living in a Ghost Town)」という楽曲です。

「Living in a Ghost Town」動画【公式】

 

★日本語訳つき
「Living in a Ghost Town」和訳つき音楽

 

 

昨年にはすでに、ほぼ完成していた楽曲のようですが、歌詞を急きょ、新型コロナに関連した内容につくりかえたようです。
簡単にいえば、「新型コロナによるロックダウンで、オレは、ゴーストタウンのようになった街に暮らす幽霊なのさ…」という歌詞内容です。

苦境におかれ、夢も希望も失いかけている、多くのミュージシャンたちの気持ちを代弁したような歌詞です。
ポピュラー音楽界の方でも、クラシック音楽界の方でも、共通に感じている心境だと思います。

おそらくは、音楽界だけでなく、別の業界や分野でも、同じ気持ちを抱いている人は多いと思います。

* * *

歌詞の中に、「オレを探してくれてもいいぜ…」という部分があります。
今、世の中の多くのミュージシャンの中には、「自分を探し出してほしい…」と感じている人も、きっと多いだろうと思います。

この楽曲は、何か、ことさら「希望」をクチにしているわけではありません。
むしろ、「悲しみ」や「辛さ」、「開き直り」を歌ったような内容です。

ですが、そこには何か共通の思いを共有できているという「安堵感」を感じることができます。
そして、そこにはロック音楽としての、しっかりとした「存在感」と「力感(りきかん)」があります。

* * *

さすが、ストーンズです。
まさに、過去の成功者ではない、この時代の現役のミュージシャンの姿が、そこにあります。

ローリング・ストーンズのデビューは1962年ですから、約58年前です。
メンバーチェンジはありましたが、一度も解散をしていません。

ミック・ジャガーは、1943年生まれの、77歳。
キース・リチャーズも、同年生まれの、77歳。
ロン・ウッドは、1947年生まれの、73歳。
チャーリー・ワッツは、1941年生まれの、79歳。

映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロウ(演:ジョニー・デップ)のあの奇妙な姿は、キースがモデルですね。
ストーンズの演奏風景を見たことのない方でも、ステージを見れば、どの人物か、すぐにわかるはずです。
キースは、この映画シリーズに役者として出演もしていましたね。

メンバーはみな70歳台…でも、どこかの高齢者施設の「ほのぼのバンド」ではありません。

たしかに演奏技能の衰えは隠せませんが、この年齢で、感性を失わず、今の時代をしっかり伝える音楽を作れるとは驚きです。

彼らは、ある時期から、しっかり健康管理を行い、楽曲制作やライブ活動を止めることをしません。
昨年、ミック・ジャガーは心臓手術をしましたが、それは定期健診で異常が発見されたためだそうです。
術後に休養どころか、音楽界の前線に戻ってきました。
新型コロナでさえ、頑丈なロックスターの彼らには、決して勝てない…、そんな気がしてきますね。

おそらく、彼らは最後まで、やり遂げるのだろうと思います。


◇ゴーストたちの底力

人にはそれぞれに、世の中の何かの役割や役目があるのかもしれません。
たいていの人は、それを仕事にしてはいないでしょう。
でも、みな、自身の中にある何かに気がついているのだろうとも感じます。

時には、「ゴースト(幽霊)」のように「死んだふり」をして休んでも、いっこうに構わないのかもしれません。
ゴーストは、決して死なないのです。
コロナの奴ら…、ゴーストを素通りしていくかもしれませんね。

強いスポーツ選手は、よくクチにします。
「自分自身が苦しい時、それは相手も苦しい…、相手に勝てるチャンスがそこにある」。

いつか来る、ミュージシャンたちの逆襲は、きっと すさまじい…。

ゴーストのロックスター上等!
ゴーストたちに、決まった音楽ジャンルはない!
コロナ禍でもなければ、本当は、規制だってない!
ミュージシャンは、縛られない!

コロナの奴らに、いつか見せつけてあげましょう… ゴーストたちの「底力(ソコヂカラ)」!
なめたら、化けて出てやる…!

* * *

♪ I can't get no satisfaction!
オレたちは、こんな世界に満足しないぜ!

♪ I said I know it’s only ghost music but I like it!
たかがゴースト音楽…、されど音楽!

来年は、音楽で倍返しだ!

* * *

2021年も、どうぞ よろしくお願い申し上げます。

 

2020.12.29 天乃みそ汁

Copyright © KEROKEROnet.Co.,Ltd, All rights reserved.