子供の頃、運動が得意でした。
自転車の補助なしと逆上がりは、4才の時にはできていました。
小学校では、かけっこをしたら僕がいちばんでした。
剣道でいちばんたくさん貰ったメダルは、金メダルでした。
この頃、一言で言えば、
「何かしらのアスリートになりたい」と、
漠然と思っていました。
中学では、バスケ部のキャプテンでした。
ひとりで、1試合63得点取ったこともありました。
弱小チームでしたが、強豪校と試合をする度に、
「お前らのチームに行ったって、俺はスタメンだ」とか思っていました。
その自信は、高校1年生の時に崩れ去りました。
スタメンどころかベンチにすら入れない日々が続きました。
キツい練習や勉強との両立を理由に退部する者もいました。
それでも必死で練習して、何とか試合に出られるようになりました。
ちなみに、ポジションはPGかSGで、スリーポイントが得意なのと、
相変わらず走ったり跳んだりはチームで1、2を争うくらいでした。
でも、この頃には、
「アスリートになりたい」なんて思っていませんでした。
そんなこと、現実にはムリだといつの間にか分かってしまったからでしょう。
それでも、もっと上手くなりたくて毎日バスケばかりしていました。
一方で、将来のことは、何も考えていませんでした。
いつも言っていることですが、剣道からは課題と自分との向き合い方を、
バスケからは、それに加えて立場の違う様々な人との向き合い方を教わりました。
これらは、今でも僕の中で生き続けています。
・・・
高校の時、キャプテンの伊藤くんはこう言っていました。
「インターハイに出て、
将来はバスケをして生活したい。」
それを聞いて、
「そりゃムリだろ(笑)」と即答してしまったのを憶えています。
同じ地区には、
県外どころか海外から選手を集める全国常連の強豪校があるし、
ましてやバスケで生活なんて、夢のまた夢でしょう。
伊藤くんは中学時代からスター選手でしたが、
ムリなもんはムリだと思いました。
でも彼はこう言ったのです。
「この前の試合、川村はあのゾーンプレスを突破できただろ。
アレを毎回できるようになればいい。
ウチの高校だって、市内の各中学のスタメンばかりだから、
他から見れば強豪だって。
それに、バスケで生活するって夢だって、
一生懸命やってたらいつか叶うかもよ。」
惚れました(笑)
とにかく、彼がキャプテンだったから、僕は高校バスケを全うできました。
・・・
手首に深刻な怪我をしたと、
SASUKEで仲良くなったメンバーに報告しました。
後日、番組でスター選手の森本くん(番組ではサスケ君)からメールがきました。
その中で、ハッとするやりとりがありました。
「大ケガの治療や手術は、
アスリートの一生を左右するので、
無理せずゆっくり治して下さい!
また一緒に頑張りましょう!」
この時、ふと思ったんです。
あれ??俺たちってアスリートなんや。
子供の頃の夢、叶ってるやん☆って。
本業は西宮市議会議員だけど、
次の大会を目指して日頃から鍛錬を積んでいる。
確かに、これってアスリートじゃないですか。
手首の怪我だって、
ただ仕事するだけだったらこんなに深刻に捉えていないかもしれません。
(ポスティングには多少影響しますが…)
普通のトレーニングとSASUKEのトレーニングって全然違うんです。
ただ鍛えればいいってもんじゃない。
仲間たちと毎週動画でトレーニングの情報共有とエリアごとの研究をして、
定期的に集まって合同トレーニングをしています。
僕たちが練習させてもらっているのは、堺市の大工さんが自前で作ったセットで、
彼が無償でトレーニング場所を提供してくれています。
自分より若い世代の夢を応援したい。
その純粋な想いのおかげで、
選手たちみんなが目標に向かって頑張れています。
先日は、三重県の友人のところで合同トレーニングでした。
僕はリハビリがてらムリせずでしたが、
みんなからたくさんの元気をもらうことができました。
仲間たちと目標に向かって頑張ることは、
僕の仕事や人生を間違いなく豊かにしてくれています。
もうデブには戻れません(笑)
みんな、本当にありがとう!!
・・・
何年か前に、伊藤くんの結婚式がありました。
彼は関東の大学に進学してバスケを続け、
現在は高校の先生をしながら、バスケ部の監督をしています。
僕らがバスケ部だった時の監督のチームと試合をするなど、
今も交流があるそうです。
その時は深く考えていませんでしたが、
彼もまた、夢を叶えていたのです。
プロバスケット選手ではないけれど、
確かに彼は、バスケに携わって生活をしています。
まっすぐにバスケットに向き合い続けた結果、
監督という形に辿り着いたのでしょう。
・・・
「夢を掴めるのは、ひと握りの者だけだ」とよく言われます。
確かに、それをすべて可能にできるのは、
選ばれた特別な人たちだけなのかもしれません。
でも「ひと握りの夢を掴む」という方法も、
ひとつの正解なのだと考えるようになりました。
プロバスケット選手ではないけれど、
彼は間違いなくバスケットをライフワークにしているし、
オリンピックに出場するようなアスリートではないけれど、
僕は確かにSASUKEという競技大会のために、
人生の一部を捧げています。
「俺はロックスターになるんだ」と言っていた友人も、
ロックスターにはなれなかったけれど、週末になればライブハウスで、
結構なお客さんを集めてライブをするミュージシャンだし、
「アナウンサーになりたい」と言っていた彼女もまた、
展示会や結婚式の司会など、その声を使った仕事をしています。
自分のやってみたい仕事なら、ボランティアで引き受けることもあるそうです。
「ひと握りの夢を掴む」ということができると、
仕事にも充実感が出てきます。
むしろ、足下をしっかりさせなければ、
夢を掴みに行くことなどできません。
特別な人にはなれなくても、
自分にとって特別はものを求め続ければきっと、夢は掴めるのです。
・・・
長々書きましたが、特にオチはありません(笑)
ただただ、身体を鍛えて競技に打ち込んで若さを保つことは、
気力も充実させてくれるし、
いいことしかありません。(怪我さえなければw)
とにかくしばらくは、この生活からは抜け出せませんね。
それでは、今日はこのへんで。
ありがとうございました!!
川村よしと