白兎団本部集会から一週間が経った。

 

私の日常は相変わらず

メリーゴーラウンドのような繰り返しだ。

学校へ行って、家の手伝いをして、ざこちよ城にざこちよをからかいに行く。

そしてめしを食べて、寝て、起きて、また学校だ。

何の変化も無いうお座うお座うお座

 

だが、この一週間で私の脱出計画は着実に進んだ。

脱出計画、そうだ「ふるさとグランプリ」に看板娘として潜り込むあの計画だ。

 

本部集会が終わったあたりから、伝統地区振興会の連中が慌しくなっていった。

私の店では連日大人達が集まり「ふるさとグランプリ」の事を話し合っていた。

どうやら、何人かが白兎のやつに連れられて本部集会を見に来ていたらしい。

その盛り上がりを見てよほど驚いたのかは分からないが

とにかく「ふるさとグランプリ」の出場条件として必須な

看板娘の枠にBBBをまるごとエントリーしたいという考えが強くなっていったようだ。

 

そして、昨日の夜だ。

遂に振興会会長であるざこちよの父親が私に直接会いに来た。

 

そして、頭を下げてこう頼んできた。

 

娘の事は今は目をつぶるし、お前達の不自由はさせない

ステージもお前達の好きにしていい

お前達は大勢の注目を浴びれば良い。ただそれだけだ。

だから、ふるさとグランプリの看板娘として

エントリーしてくれないか。

 

ついに時が来た

私はこの日を待っていたのだ。

 

ふるさとグランプリは秋からエリア予選が開始され

中部エリア大会、エリア代表バトル、決勝という流れで行うそうだ。

大会ルールは単純だ。自分達のブースにより多くの人を呼べば勝ち。

それが看板娘達の力でも、名産品の力でも、魅力的な場所のアピールでも

ご当地に絡むものであれば種別は選ばない。

そして、優勝すると国から「一級のお墨付き」をもらえる。

 

「一級のお墨付き」などには全く興味が無い。

私達BBBは、このイベントを勝ち進み

このふるさとグランプリをBBBのドラマチックな舞台にすれば良いだけだ。

 

噂によると私達のような看板娘バンドは多く出場するらしい。

観光客を増やす目的のところもあれば

今にも消えそうなものをお墨付きをもらって守る

健気な目的の者達もいるらしい。

 

ドラマチックのはじまりはもうそこまで迫って来ている。