著者: 夢野 久作
タイトル: 少女地獄

とっておきの秘蔵小説を紹介させてください!
なぜ秘蔵かというと、知る人ぞ知る作家さんで、ご本人はもう、50年以上も前に亡くなっている方だからです。

没してもなお、そのあやかしの世界が一部ファンに魅了され、現在でも沢山の著書が発売されています。
代表作は恐ろしい世界観を書いた「ドグラマグラ」ですが、今日は短編集「少女地獄」を紹介させてくださいね!

「少女地獄」はの短編3部作で出来ています。
その最初の話が、虚言癖のある看護婦さんの話です。

可憐な少女ユリ子は、すべての人間に好意を抱かせる天才的な看護婦。
虚言症だとは分からない程、可憐な容姿のため、周囲はひどい目にあうのです。

一時代も前の話なので、古くささはありますが、その古くささが魅力だと思います。
私は学生時代、古くさいミステリーにはまったことがあります。
横溝正史やその他、大正、昭和初期の推理小説(今読むと、何か高尚な小説に感じます)の古くさい文体と時代背景が面白くて、味わいがあるなあと思っていました。

夢野久作さんの話も同じような、古くさいがゆえに、それがまた魅力となって、物語に深みを与えていると思います。
何とも救いようがない話ですが、ある意味笑える話でもあります。

短編で読みやすいので、興味があったら、書店で冒頭の部分でも立ち読みしてみてくださいね!